建設マネジメント

土木系 大学講義シリーズ 21

建設マネジメント

本書は,欧米で確立された建設マネジメントの本質を基本から分析し,わが国固有の建設マネジメントとの関連を述べ,将来の建設マネジメントのあるべき姿を示唆し,解説した。大学の教科書のほか,社員研修用資料としても最適な書。

ジャンル
発行年月日
1996/09/25
判型
A5 上製
ページ数
230ページ
ISBN
978-4-339-05060-8
建設マネジメント
品切・重版未定
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定価

3,080(本体2,800円+税)

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本書は,欧米で確立された建設マネジメントの本質を基本から分析し,わが国固有の建設マネジメントとの関連を述べ,将来の建設マネジメントのあるべき姿を示唆し,解説した。大学の教科書のほか,社員研修用資料としても最適な書。

第1編 その歴史と重要性─入門編─
第1章 建設マネジメントの定義とその性質
1.1 建設マネジメントの定義
1.2 建設マネジメントの実践と学術的な体系化の進展
1.3 建設マネジメントが取り扱う領域
1.4 建設マネジメントが取り扱う課題
1.5 建設マネジメントの目的
演習問題
第2章 建設マネジメントの必要性
2.1 建設の産業的特徴
  2.1.1 受注産業であること
  2.1.2 大量生産が困難であること
  2.1.3 製品を移動できないこと
  2.1.4 自然条件の影響が大きいこと
  2.1.5 労働集約的で多くの資本を必要としないこと
2.2 建設技術の性格とマネジメント
  2.2.1 建設技術はブレークスルーか
  2.2.2 建設技術の性格がマネジメントに及ぼす影響
演習問題
第3章 建設マネジメントのいままでと将来
3.1 時代を通しての考察
  3.1.1 国の経常収支,長期資本収支と経済的繁栄
  3.1.2 国の繁栄期と土木分野の発展
  3.1.3 建設マネジメントへの関心の発生
  3.1.4 建設マネジメント学の発生以前
  3.1.5 契約論から経営・管理論へ
  3.1.6 建設マネジメントの体系化と建設マネジメント契約
3.2 わが国における建設マネジメントの意義
  3.2.1 従来の流れ
  3.2.2 わが国における建設マネジメントの重要性の高まり
3.3 欧米の建設マネジメントのわが国への導入
  3.3.1 現在の米国の建設マネジメント
  3.3.2 管理手法の導入
  3.3.3 海外工事のノウハウとしての習得
3.4 現状におけるわが国の建設マネジメントの発展の方向
  3.4.1 コンピュータ利用の促進
  3.4.2 制度改正のための参考理論
  3.4.3 わが国の社会資本整備の必要性と生産性の向上
3.5 建設マネジメントの国際的な発展の必要性
演習問題
第2編 考え方の基本を知る─基礎編─
第4章 建設マネジメントを分解する
4.1 建設マネジメントの原点
  4.1.1 “建設”とはなにか
  4.1.2 “マネジメント”とはなにか
  4.1.3 建設マネジメントを機能に分けてみる
4.2 建設マネジメントとマネジメント機能との関係
演習問題
第5章 経営学の基礎手法の活用
5.1 経営学の手法を活用する意義
5.2 企画を上手に立てるには
  5.2.1 企画の本質
  5.2.2 企画の階層
  5.2.3 企画の手順
  5.2.4 意思決定
5.3 良い組織を作るには
  5.3.1 なぜ組織は必要なのか
  5.3.2 スパンとレベルの関係
  5.3.3 組織のグループ分けの方法
  5.3.4 組織の機能と権限(ラインとスタッフ)
  5.3.5 集権と分権
  5.3.6 会議とそれによる意思決定
5.4 労務,人事の進め方
  5.4.1 労務,人事の定義とその重要性
  5.4.2 能力開発のための人事上の問題
  5.4.3 欠員補充および募集
  5.4.4 給与,待遇の問題
  5.4.5 勤労意欲,動機づけ
5.5 良い指揮をするために
  5.5.1 指揮とはなにか
  5.5.2 指揮のスタイル
  5.5.3 指揮力を高めるために
5.6 効果的な管理を行う
  5.6.1 管理の準備
  5.6.2 管理の手順と手法
  5.6.3 組織における管理の実践
  5.6.4 運営上の管理
  5.6.5 管理の形態
5.7 情報伝達の役割とその活用
  5.7.1 情報伝達機能とその処理
  5.7.2 組織における情報伝達機能とその阻害要素
  5.7.3 効率よく情報の伝達を行うために
5.8 外的環境条件をいかに克服するか
  5.8.1 外的環境─(1)経済
  5.8.2 外的環境─(2)科学技術
  5.8.3 外的環境─(3)社会,政治,法律
  5.8.4 社会的責任と道徳
演習問題
第6章 科学的手法の応用
6.1 マネジメント科学とそれによる問題の解決
6.2 マネジメント科学の手法
6.3 マネジメント科学の組織活動への導入
演習問題
第7章 関連専門分野の理論の導入と展開
7.1 TQC理論とその導入
  7.1.1 TQC理論の歴史
  7.1.2 TQC理論の考え方と実践
  7.1.3 TQC運動の建設産業への導入と反省
7.2 VE理論とその導入
  7.2.1 VEとはなにか
  7.2.2 VEの実践的な活動
  7.2.3 VEの着目点
7.3 契約法規論とその理解
  7.3.1 建設における契約の意義と形態
  7.3.2 建設法規
7.4 環境アセスメント技術の活用
  7.4.1 環境問題の認識と環境影響評価の必要性
  7.4.2 環境アセスメントとは
  7.4.3 環境アセスメントの手法
演習問題
第3編 建設事業を進める─実践編─
第8章 建設事業はどのような人々,組織で進められるか
8.1 建設事業の進行過程とそれに携わる人々
  8.1.1 建設事業の進行過程
  8.1.2 建設事業に携わる人々(施主,コンサルタント,施工業者)
  8.1.3 各組織の役割
8.2 建設事業を進める場合の組織機構の形態
  8.2.1 日本の建設組織機構の比較
  8.2.2 日本の建設組織機構の特徴と建設産業への影響
  8.2.3 日本の建設組織機構の組織としての特徴
  8.2.4 各機関の役割分担の相違による建設産業構造の違い
8.3 米国における建設組織機構の多様化とその特徴
  8.3.1 伝統的な建設組織機構の場合
  8.3.2 施主直営方式
  8.3.3 ターンキー方式
  8.3.4 CM(工事監理契約)方式
  8.3.5 米国の建設契約とリスク配分
演習問題
第9章 建設事業の企画,計画,調査,設計
9.1 建設事業の企画と計画
  9.1.1 建設事業の企画
  9.1.2 企画・計画におけるプロジェクト評価と選択
  9.1.3 プロジェクト評価上の特殊な問題
  9.1.4 企画・計画に関するプロジェクトの一般的な性格
9.2 企画と計画の実践と調査
  9.2.1 企画と計画の実践
  9.2.2 予備調査の性格と実施
9.3 設計による具体化
  9.3.1 設計の経済的な適格性
  9.3.2 ライフサイクルからみた適性な設計
9.4 企画,計画,調査,設計のための組織と活動
  9.4.1 プロジェクトチームの編成とその役割
  9.4.2 プロジェクトマネージャーの役割とその任命
演習問題
第10章 施工計画,見積,入札および契約
10.1 施工計画
  10.1.1 施工計画の概要
  10.1.2 調達計画
  10.1.3 工事計画
10.2 見積り
  10.2.1 見積りの種類
  10.2.2 見積りの形式
  10.2.3 労務費の見積り
  10.2.4 見積書の作成
10.3 入札
  10.3.1 入札図書
  10.3.2 資格審査,入札,落札
10.4 契約
  10.4.1 契約運用上の手続き
  10.4.2 最終工事引渡し
  10.4.3 工事の円滑な遂行のための各種文書
演習問題
第11章 施工および施工管理
11.1 施工
  11.1.1 全体計画と管理
  11.1.2 現場の組織と一般業務
11.2 施工管理
  11.2.1 管理の概要
  11.2.2 原価管理
  11.2.3 工事管理(工程,労務,機械,調達,安全・衛生,契約,環境)
  11.2.4 品質(製品)管理
演習問題
第12章 維持管理および廃棄
12.1 維持管理
  12.1.1 維持管理の重要性
  12.1.2 維持管理の対象
  12.1.3 老朽化と陳腐化
  12.1.4 正しい維持管理のために
12.2 廃棄
  12.2.1 建設施設の延命策
  12.2.2 廃棄上の問題
演習問題
第4編 現在の重要な課題─特論編─
第13章 より良い建設事業を達成するために
13.1 豊かな国民生活のために
13.2 ライフロング品質管理の必要性
13.3 環境との調和
13.4 建設市場の国際化に備えて
  13.4.1 各入札方式の性格
  13.4.2 一般競争入札の導入
演習問題
第14章 建設界の繁栄と未来
14.1 建設産業の抱える問題点
  14.1.1 生産性の問題とその向上
  14.1.2 安全管理の問題
  14.1.3 労働者の高齢化と外国人労働者の雇用問題
14.2 わが国の建設投資,建設市場の現状と未来への動向
14.3 世界の建設市場の現状と未来への動向
  14.3.1 世界の建設市場とわが国の建設企業
  14.3.2 未来の大きな建設市場としてのアジア
  14.3.3 国際協調による役割分担
  14.3.4 アジアの発展に寄与するために
演習問題
参考文献
演習問題略解
索引

馬場 敬三(ババ ケイゾウ)