情報入門 - 情報の基礎学習とスキル習得 -

情報入門 - 情報の基礎学習とスキル習得 -

情報の基盤学習で学んでおきたい要素を選択して1冊にコンパクトにまとめた。

ジャンル
発行年月日
2021/10/28
判型
A5
ページ数
284ページ
ISBN
978-4-339-02921-5
情報入門 - 情報の基礎学習とスキル習得 -
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定価

3,740(本体3,400円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

PC やアプリを操作する技能,情報技術やインターネット技術における機能・仕組み,情報を扱う倫理・態度,情報関連法規,プログラミング的思考など学んでおきたい要素を選択し情報の基盤学習に有効な構成でコンパクトにまとめた。

情報の基礎的学習には,コンピュータリテラシー,情報リテラシー,情報倫理などの名称が用いられている。これらの内容や目的は微妙に異なるものであるが,何を学ぶのか,どう重要なのか,これから学習する者にとって想像しづらいかもしれない。本書『情報入門』は,これらの名称にこだわらず,情報に関する重要な基礎を学ぶことを目的としている。

学習者が新たなことを学ぶ場合,学習目標をどのように表現するのがよいのであろうか?スポーツ競技のサッカーでは,文字通りゴールというものが目標を表しており単純明快である。ゴールへの道筋には,パス,トラップ,シュートの技能,フォワード,ミッドフィルダー,ディフェンス,キーパー,フォーメーションという機能・仕組みの理解が必要である。また,オフサイド,ファール,ラフプレー,相手へボールを返すなどの規則・態度・マナーの理解,ペナルティキック,レッドカードという罰則,そして,プレス,ショートパス,カウンターなど戦術の思考といった構成要素も重要であろう。もしシュートが得意なプレイヤーがいても,チーム全体が機能していないと,すぐ攻められ,シュートにつながらず,力を発揮できないといった状況になるだろう。望ましいのは,各自の機能・性能を高めることと他者および全体に対する理解を有し,場合によっては自分のポジション以外の働きもできることなのであろう。ゆえに関係することについて広く学ぶ必要がある。ゴール(主問題)は目標であるが,それに関わってくる重要な要素(副問題)を幅広く選択して学ぶことになるはずである。同様に「情報」について学ぶ場合,重要な要素として何を選択して学ぶのかがポイントとなる。

『サッカー入門』という本があった場合,それはサッカーに関する各要素について基本を解説する本なのであろう。本書は『情報入門』であるが,まさに情報に関する各要素の基本を解説している。その構成要素は,PCやアプリを操作する技能,情報技術やインターネット技術における機能・仕組みの理解,情報を扱う倫理・態度,情報関連法規,そしてプログラミング的思考などである。単にPC操作だけ慣れていれば社会でOKというわけではない。現実にはPC操作+危険回避が必要であり,個人情報流出やデータ損失などの事態を回避しなくてはならない。さらには,PC操作+危険回避+効率+応用が望ましく,短い時間と少ない労力で成果を得ることが可能となる思考・工夫などを学び,汎用的に適用できる応用力を身に付けたいものである。本書は,そのような学んでおきたい要素を選択し1冊にコンパクトにまとめ,情報の基盤学習に有効となるよう構成している。

近年の大学教育において重視されている「学士力」の養成は,社会が期待し要求する人材形成が目的である。学士力のスキルのなかで情報に関するものは,汎用的技能,統合力,思考力,態度などが挙げられる。現実として情報社会では,生活に役立ちかつ社会から求められるレベルの情報スキルを身につけることが必須である。周囲の社会人は誰もがIT基礎スキルを身につけているのがあたりまえの社会なのである。本書では,社会で標準的に使用される情報ツールとして,高いシェアと汎用性・実績を有するWindows,Word,Excelを選択している。これらを用いた技能学習はきっと社会で役立つであろう。また,こうしたPCやツールを用いた活動では,事故・事件・問題等に発展・遭遇するような事態も起こり得る。なかでも,著作権・プライバシーなどの侵害,個人情報流出,不正アクセスなどは,人も企業も大きなダメージを受けてしまうような脅威度の高いものである。われわれは,これらの関連法規をどの程度知っているだろうか?そして自己の行動が問題になるかどうかを瞬時に判断できるであろうか?例えば,毎日のように自動車を運転する人は,当然,道路交通法を理解し,危険意識をもってさまざまな場面で瞬時に判断している。しかし,毎日のようにインターネットを使い,ブログ・ツイッター・動画投稿などで情報の送信・公開をする人はどうであろうか。インターネット人口が自動車人口より増えても,「人命に関わらない」という理由で危険意識はそれほど高くないかもしれない。それゆえ自分の行為が危険となることにすら気が付いていないことも想像される。人命にダメージを与えなくとも,企業・個人の活動・利益にダメージを与える可能性があるのが情報なのである。

日々変化する環境で新たな事象に対応できる能力を身につけるために,新しい知識と理解はもとより,思考力をもってあらゆるケースに応用できることが求められる。そこで本書では,情報活動に関し背景となる技術や理論,収集情報,ルールに従って行動できる態度を学ぶ法律や事例,システムを高度に活用する論理的思考に関する内容を含めている。主たる対象読者層を大学初年次としており,授業の教科書としても扱いやすい構成量としている。大学初年次というと社会人には縁がなく入門書というイメージがあるかもしれない。本書は決して入門レベルで終わらず,企業人や管理職の立場,また個人の立場においても,あるいは専攻分野・専門分野に関係なく学習教材や資料として有効であるように配慮している。加えて,印象を高めて理解を促すように具体的かつ詳細な情報で構成している。本書によって情報に関わる幅広い事柄に興味を持ち,情報の持つ脅威に不安を覚えるのではなく,多くを知り理解することによって,まさに生涯学習である「情報」の学習モチベーションを高めていただけることを期待する。

2021年8月
深井 裕二

1.PCとWindowsの基本操作
1.1 PCとネットワーク接続 
 1.1.1 PCの起動・停止とトラブル対処 
 1.1.2 有線LANと無線LANの切り替え 
 1.1.3 Windows Updateとシャットダウン 
1.2 アプリの起動 
 1.2.1 スタートメニュー 
 1.2.2 アプリの検索 
 1.2.3 タスクバーへのピン留め 
1.3 エクスプローラーの操作と設定 
 1.3.1 ドキュメントフォルダーの活用 
 1.3.2 ファイル名拡張子の表示 
 1.3.3 ファイルの検索 

2.Word ― 段落の構成 ―
2.1 箇条書き 
 2.1.1 箇条書きの適用 
 2.1.2 行頭文字の変更 
2.2 段落番号 
 2.2.1 段落番号の適用 
 2.2.2 番号の変更と付け直し 
3.Word ― 段落の書式設定 ―
3.1 段落書式 
 3.1.1 左揃え・中央揃え・右揃え・両端揃え 
 3.1.2 均等割り付け 
3.2 インデント 
 3.2.1 左・右・字下げ・ぶら下げインデント 
 3.2.2 箇条書き・タブ・インデントの併用 
3.3 行間隔 
 3.3.1 行間隔・段落前間隔・段落後間隔 
 3.3.2 行間隔の反映と行数指定 

4.Excel ― 数式と関数 ―
4.1 ワークシートとセルの基本 
 4.1.1 各部の名称 
 4.1.2 セルの値・数式・書式 
 4.1.3 セル番地・式・四則演算 
4.2 表の体裁とセル書式 
 4.2.1 罫線と色 
 4.2.2 セルの表示形式 
4.3 関数と数値計算 
 4.3.1 SUM関数・AVERAGE関数 
 4.3.2 AVERAGE関数と割り算による平均の違い 
 4.3.3 MAX関数・MIN関数 
 4.3.4 MOD関数
 4.3.5 INT関数・ROUND関数 
 4.3.6 文字列操作とMID関数・CONCAT関数・TEXTJOIN関数 

5.Excel ― 相対参照と絶対参照 ―
5.1 相対参照と絶対参照 
 5.1.1 相対参照と絶対参照の性質 
 5.1.2 比率計算と数式コピー 
 5.1.3 矩形範囲コピーと相対・絶対の組み合わせ 
5.2 関数と絶対参照 
 5.2.1 RANK関数とオンラインマニュアル 
 5.2.2 RANK関数での絶対参照指定 

6.Excel ― フィルターと並べ替え ―
6.1 オートフィルター 
 6.1.1 データ選択によるフィルタリング 
 6.1.2 条件式によるフィルタリング 
 6.1.3 フィルタリング状態でのドラッグコピー 
 6.1.4 フィルタリング状態でのコピー作業 
6.2 並べ替え 
 6.2.1 並べ替えのキーと昇順・降順 
 6.2.2 複数キーによる整列 
6.3 条件付き書式 
 6.3.1 カラースケール 
 6.3.2 データバー 

7.Excel ― グラフ ―
7.1 グラフ作成 
 7.1.1 棒グラフ 
 7.1.2 折れ線グラフ 
 7.1.3 円グラフ 
 7.1.4 散布図 
7.2 グラフ要素 
 7.2.1 各部の名称 
 7.2.2 グラフタイトル・軸ラベル 
 7.2.3 軸の最小値・最大値・目盛間隔 
 7.2.4 データラベル・凡例 
7.3 その他のグラフ 
 7.3.1 組み合わせグラフ 
 7.3.2 箱ひげ図 
 7.3.3 数式を使った累計グラフ 
 7.3.4 数式を使ったヒストグラム 

8.Excel ― データ処理と関数の活用 ―
8.1 カウント 
 8.1.1 COUNT関数・COUNTA関数 
 8.1.2 COUNTIF 関数
8.2 条件分岐 
 8.2.1 IF関数・AND関数・OR関数 
 8.2.2 IF関数の多岐分岐構造 
 8.2.3 IFS関数を使った多岐分岐構造 
8.3 データ参照 
 8.3.1 VLOOKUP 関数
 8.3.2 IFERROR 関数 

9.情報収集
9.1 検索エンジン 
 9.1.1 検索サイト 
 9.1.2 検索エンジンの仕組み 
 9.1.3 SEO 
9.2 情報収集の方法 
 9.2.1 キーワード検索 
 9.2.2 目的に応じた検索 
9.3 情報利用 
 9.3.1 情報の判断 
 9.3.2 情報の信憑性 
 9.3.3 情報の引用 
9.4 データの種類 
 9.4.1 ファイル拡張子 
 9.4.2 ファイルフォーマット 

10.コンピュータ技術
10.1 コンピュータとその種類 
 10.1.1 PCと携帯端末
 10.1.2 サーバ 
 10.1.3 マイコンと組込み 
10.2 ハードウェア
 10.2.1 コンピュータの5大機能 
 10.2.2 CPUとマザーボード 
 10.2.3 メモリとキャッシュ 
 10.2.4 補助記憶装置 
 10.2.5 入出力装置 
 10.2.6 GPUと3Dグラフィックス 
 10.2.7 ネットワークデバイス 
 10.2.8 ICカード
 10.2.9 3Dプリンタ
 10.2.10 VR・AR・MR 
 10.2.11 システムの信頼性 
 10.2.12 バックアップとリストア 
10.3 ソフトウェア
 10.3.1 OS 
 10.3.2 ソフトウェアライセンス 
 10.3.3 オープンソースとフリーウェア 
10.4 情報の単位と計算 
 10.4.1 二進法 
 10.4.2 情報の単位 
 10.4.3 情報量の計算 
 10.4.4 速度の計算 
 10.4.5 論理演算 
10.5 符号化 
 10.5.1 文字コードとキャラクタセット 
 10.5.2 エンコードとデコード 
 10.5.3 データ圧縮 
 10.5.4 映像品質 

11.インターネット技術
11.1 TCP/IP技術 
 11.1.1 LAN 
 11.1.2 TCP/IPとプロトコルスタック 
 11.1.3 URL 
 11.1.4 IPアドレスとDHCPサーバ 
 11.1.5 ドメイン名とDNSサーバ 
11.2 Web技術
 11.2.1 WebサーバとWebブラウザ 
 11.2.2 HTTPと暗号化通信 
 11.2.3 Cookie 
 11.2.4 静的Webと動的Web 
 11.2.5 インターネット広告 
11.3 サーバ 
 11.3.1 サーバとOS
 11.3.2 ファイルサーバとNAS 
11.4 電子メール 
 11.4.1 メールサーバ 
 11.4.2 電子メールの設定と機能 
 11.4.3 メーリングリスト 
 11.4.4 メールの記述法とマナー 

12.情報倫理と関連法規
12.1 情報倫理 
 12.1.1 ディジタル情報の性質と情報倫理 
 12.1.2 情報社会における責任 
 12.1.3 情報発信の留意点 
 12.1.4 メール送信の留意点 
 12.1.5 自己の個人情報送信の留意点 
 12.1.6 情報セキュリティの留意点 
 12.1.7 PCの管理とリサイクル 
 12.1.8 トラブル等の情報サイトと相談窓口 
12.2 情報に関する法律 
 12.2.1 知的財産権制度 
 12.2.2 プライバシーの権利 
 12.2.3 個人情報保護法 
 12.2.4 不正アクセス禁止法 
 12.2.5 不正指令電磁的記録に関する罪 
 12.2.6 特定電子メール法 
 12.2.7 マイナンバー制度 
12.3 情報にかかわる事例 
 12.3.1 著作権侵害 
 12.3.2 個人情報漏えい 
 12.3.3 不正アクセス 

13.情報セキュリティ
13.1 ネットワーク脅威と対策 
 13.1.1 情報セキュリティと脅威 
 13.1.2 コンピュータウイルス 
 13.1.3 攻撃手法 
 13.1.4 迷惑メール 
 13.1.5 自然災害 
 13.1.6 セキュリティ対策 
13.2 パスワードと認証 
 13.2.1 パスワードの強度 
 13.2.2 パスワードの決定と管理 
 13.2.3 ログインと認証 
13.3 ファイルの圧縮と暗号化 
 13.3.1 圧縮と展開 
 13.3.2 暗号化と復号 
13.4 暗号化通信方式 
 13.4.1 共通鍵暗号方式 
 13.4.2 公開鍵暗号方式 
 13.4.3 電子署名 

14.システム開発とプログラミング
14.1 システム開発 
14.2 プログラミング言語 
 14.2.1 プログラミング言語の分類 
 14.2.2 その他の言語 
14.3 アルゴリズム 
 14.3.1 構造化プログラミング 
 14.3.2 アルゴリズムの例 
14.4 プログラミング 
 14.4.1 VBAプログラミング 
 14.4.2 自動化処理 
 14.4.3 VBAプログラム例 

索引 

深井 裕二(フカイ ユウジ)