改訂 マルチメディア時代の 情報理論

改訂 マルチメディア時代の 情報理論

マルチメディア情報機器では,情報伝送や記録の高能率・高信頼化のためデータ圧縮や誤り訂正技術が用いられる。本書は,これらの基礎となる情報理論について,学生に身近な機器と関連させながら基礎から最新技術まで解説している。

ジャンル
発行年月日
2019/04/25
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-02893-5
改訂 マルチメディア時代の 情報理論
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定価

2,750(本体2,500円+税)

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マルチメディア情報機器では,情報伝送や記録の高能率・高信頼化のためデータ圧縮や誤り訂正技術が用いられる。本書は,これらの基礎となる情報理論について,学生に身近な機器と関連させながら基礎から最新技術まで解説している。

1. 情報伝送の基礎知識
1.1 情報理論とその役割
 1.1.1 情報理論とは
 1.1.2 身近になった情報理論
1.2 情報通信のしくみ
 1.2.1 情報伝送の流れ
 1.2.2 アナログ情報とディジタル情報
1.3 2元符号
 1.3.1 ビット
 1.3.2 記号の種類と符号の長さ
 1.3.3 固定長符号と可変長符号
1.4 符号化の役割
 1.4.1 情報源符号化
 1.4.2 通信路符号化
 1.4.3 伝送路符号化
 1.4.4 良い符号とは
1.5 情報伝送の制限要因
 1.5.1 符号誤りの原因
 1.5.2 情報の伝送速度
 1.5.3 周波数帯域幅
 1.5.4 通信路の容量
演習問題

2. 情報量の数量化
2.1 情報量と確率との対応
 2.1.1 情報量の大きさ
 2.1.2 情報量の加法性
2.2 自己情報量
2.3 平均情報量(エントロピー)
 2.3.1 情報源のもつ情報量
 2.3.2 完全事象と平均値
 2.3.3 エントロピー
2.4 エントロピーの性質
 2.4.1 エントロピー関数
 2.4.2 最大エントロピーと冗長度
 2.4.3 記号間の相関
演習問題

3. 情報源符号化
3.1 符号の条件と性質
 3.1.1 符号としての条件
 3.1.2 符号の木
 3.1.3 クラフトの不等式
3.2 符号の長さ
 3.2.1 平均符号長
 3.2.2 符号長の短縮限界
3.3 ハフマン符号化
 3.3.1 ハフマンの符号化法
 3.3.2 拡大情報源
 3.3.3 ハフマンブロック符号化
3.4 情報源符号化定理
演習問題

4. データの圧縮
4.1 可逆圧縮と非可逆圧縮
 4.1.1 可逆圧縮
 4.1.2 非可逆圧縮
4.2 ファクスのデータ圧縮
 4.2.1 ランレングス符号化
 4.2.2 MH符号化
4.3 テキストのデータ圧縮
 4.3.1 スライド辞書法
 4.3.2 動的辞書法
演習問題

5. 通信路符号化
5.1 誤りの発生と制御
 5.1.1 誤りの種類
 5.1.2 誤り制御─ARQとFEC
5.2 誤り検出・訂正の原理
 5.2.1 符号語と非符号語
 5.2.2 冗長度と誤り検出・訂正能力
 5.2.3 符号化の利得
5.3 ハミング距離
 5.3.1 2元符号の演算
 5.3.2 符号間のハミング距離
 5.3.3 符号誤りの表現
 5.3.4 符号空間
5.4 誤り検出・訂正能力
 5.4.1 符号空間と符号語の領域
 5.4.2 誤りの検出
 5.4.3 誤りの訂正
 5.4.4 ハミング距離と誤り検出・訂正
5.5 伝送できる情報量
 5.5.1 通信路の確率モデル
 5.5.2 相互情報量
 5.5.3 通信路容量
5.6 通信路符号化定理
 5.6.1 伝送速度と通信路容量
 5.6.2 通信路符号化定理
演習問題

6. 基礎的な誤り検出・訂正符号
6.1 パリティ検査符号
 6.1.1 単一パリティ検査符号
 6.1.2 水平・垂直パリティ検査符号
 6.1.3 誤り検出・訂正能力
6.2 ハミング符号
 6.2.1 ハミング(7,4)符号
 6.2.2 パリティ検査方程式
 6.2.3 シンドローム
 6.2.4 符号化・復号化の論理回路
6.3 符号の性質
 6.3.1 線形符号
 6.3.2 線形符号のハミング距離
 6.3.3 巡回符号
6.4 行列による表現
 6.4.1 符号ベクトル
 6.4.2 パリティ検査行列
 6.4.3 シンドロームの計算
演習問題

7. 実用的な誤り検出・訂正符号
7.1 巡回検査(CRC)符号
 7.1.1 巡回符号と符号多項式
 7.1.2 CRC符号の計算手順
 7.1.3 CRC符号の誤り検出
 7.1.4 符号化・復号化の論理回路
7.2 誤り訂正符号
 7.2.1 BCH符号,RS符号
 7.2.2 組合せ符号
 7.2.3 インタリーブ
 7.2.4 光ディスクの誤り訂正
7.3 畳込み符号
 7.3.1 畳込み符号化
 7.3.2 ビタビ復号
7.4 新しい誤り訂正符号
 7.4.1 ターボ符号
 7.4.2 LDPC符号
 7.4.3 ハイブリッドARQ
 7.4.4 放送や無線通信の誤り訂正
演習問題

8. 伝送路符号化
8.1 伝送路符号
 8.1.1 波形の制限要因
 8.1.2 ベースバンド信号波形
 8.1.3 ディジタル記録用信号
8.2 変調方式
 8.2.1 ディジタル変調
 8.2.2 多値変調と伝送速度
 8.2.3 信号空間
8.3 変調方式と誤り
 8.3.1 雑音と誤り率
 8.3.2 符号化変調
演習問題

9. アナログ信号の情報量
9.1 アナログ信号のディジタル化
 9.1.1 標本化
 9.1.2 量子化(PCM化)
9.2 音声・映像の情報量
 9.2.1 音声・オーディオの情報量
 9.2.2 色の表現と情報量
 9.2.3 画像・映像の情報量
9.3 伝送速度と周波数帯域幅
 9.3.1 伝送速度
 9.3.2 周波数帯域幅
9.4 通信路容量定理
 9.4.1 伝送速度の上限
 9.4.2 符号化定理との関係
9.5 これからのネットワーク
 9.5.1 電話もパケット通信で
 9.5.2 次世代ネットワーク
演習問題

10. 音声・映像の圧縮
10.1 電話音声の圧縮符号化
 10.1.1 波形符号化
 10.1.2 携帯電話のハイブリッド符号化
 10.1.3 電話音声のパケット化(VoIP)
10.2 オーディオの圧縮符号化
 10.2.1 人の聴覚特性の利用
 10.2.2 MP3などのオーディオ符号化
 10.2.3 ロスレス符号化
10.3 静止画の圧縮符号化
 10.3.1 JPEGによる圧縮の概要
 10.3.2 離散コサイン変換
 10.3.3 量子化
 10.3.4 エントロピー符号化
 10.3.5 その他の圧縮方式
10.4 映像の圧縮符号化
 10.4.1 MPEGによる圧縮の概要
 10.4.2 動き補償予測
 10.4.3 符号化回路の構成
 10.4.4 フレーム系列
 10.4.5 映像符号化の進展
演習問題

付録
付録1 情報交換用8ビット符号(JIS標準符号)
付録2 モールス符号
付録3 符号長短縮限界の証明
付録4 ファクスで使われるMH符号

参考文献
演習問題解答
索引

小川 英一(オガワ エイイチ)

掲載日:2020/11/16

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