カオス現象論

現代非線形科学シリーズ 12

カオス現象論

カオスは電気・電子工学のみならず,学際的・横断的な領域の非線形現象である。本書は,著者自らが長年にわたり蓄積した講義録・研究成果のオリジナルデータを,初歩から丁寧に解説したカオスに興味を持つ方に必読の解説書である。

ジャンル
発行年月日
2008/03/28
判型
A5 上製
ページ数
232ページ
ISBN
978-4-339-02611-5
カオス現象論
品切・重版未定
当面重版の予定がございません。

定価

3,300(本体3,000円+税)

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カオスは電気・電子工学のみならず,学際的・横断的な領域の非線形現象である。本書は,著者自らが長年にわたり蓄積した講義録・研究成果のオリジナルデータを,初歩から丁寧に解説したカオスに興味を持つ方に必読の解説書である。

1. カオス現象論とは
1.1 線形系・非線形系と生起する種々の現象
1.2 状態変数・相平面(空間) と動作点
1.3 過渡状態・定常状態と安定性の概念
1.4 アトラクタ・引力圏と相肖像図
1.5 現象の解明と数式モデル

2. 非線形振動の数式モデル
2.1 2階の常微分方程式と2次元の常微分方程式
2.2 2次元の自律系と非自律系
2.3 常微分方程式論における一連の基礎定理
2.4 非線形振動論に現れる代表的な常微分方程式
2.5 確定(決定論的) 系・確率系とカオスの所在

3. 2次元自律系に関する基礎事項
3.1 2次元自律系方程式の解の一般的性質
3.2 過渡状態と定常状態
3.3 定常解とその安定性
3.4 平衡点とその分類
3.5 局所論と大域論のはざま
3.6 リミットサイクルとその分類
3.7 相肖像図の例
3.8 分岐現象概説

4. 自律系と非自律系の関連
4.1 微小パラメータ理論概説
4.2 擬平均原理
4.3 調波平衡法
4.4 擬平均原理の適用例(同期現象を対象として)
4.5 同期現象概観
4.6 第7章への準備

5. 2次元非自律周期系に関する基礎事項
5.1 2次元非自律周期系方程式の解の一般的性質
5.2 変換T (ストロボ写像) と不変集合
5.3 定常状態を表す相平面上の点集合
5.4 不動点・周期点の分類と不変曲線
5.5 二重漸近構造
5.6 概周期振動と円環面上の微分方程式
5.7 相肖像図とカオス・アトラクタ
5.8 分岐現象概説

6. 強制振動現象概観
6.1 可飽和鉄心を含む直列共振回路の数式モデル
6.2 計算機実験による定常振動の概観
6.3 秩序現象とカオス現象が共存する場合の一例
6.4 スムース・フラクタル引力圏境界
6.5 カオスの形
6.6 分岐現象概観

7. 強制自励振動現象概観
7.1 Duffing/Van der Pol 混合型方程式
7.2 エサキ・ダイオードを用いた電子回路実験
7.3 Rayleigh/Duffing/Van der Pol 混合型方程式
7.4 R/D/VdP 方程式系の摂動論的考察
7.5 強制自励振動規範系の提案

8. 今後の課題
8.1 分岐現象と相肖像図
8.2 カオス・アトラクタの数理構造
8.3 カオス現象の時系列解析
8.4 カオス現象の定義と分類
8.5 おわりに

付録.1 2次元周期係数線形常微分方程式
A1.1 Floquet 理論の概要
A1.2 例題(Meissner 方程式)
付録.2 数値解析法補遺
参考文献
謝辞
索引

上田 よし亮(ウエダ ヨシスケ)