画像と視覚情報科学
近年,映像の重要性や技術の進歩を背景にテレビの機能や表現能力の高度化が図られつつあるが,基本となる原理は受け手である人間の特性である。本書は映像システムについて,その基本である人間の視覚特性との関係を系統的に述べた。
- 発行年月日
- 2009/02/27
- 判型
- A5 上製
- ページ数
- 318ページ
- ISBN
- 978-4-339-01268-2
- 内容紹介
- 目次
近年,映像の重要性や技術の進歩を背景にテレビの機能や表現能力の高度化が図られつつあるが,基本となる原理は受け手である人間の特性である。本書は映像システムについて,その基本である人間の視覚特性との関係を系統的に述べた。
1. 光と画像の性質
1.1 画像の性質
1.1.1 画像の情報
1.1.2 画像情報の歴史
1.1.3 画像情報とその媒体の種類
1.1.4 画像通信系のモデル
1.2 光とその測定方法
1.2.1 光受容器としての眼球
1.2.2 可視光の定義
1.2.3 可視光とその感度
1.2.4 測光量の定義と単位
1.2.5 瞳孔を慮した測光量
1.3 電気信号としての画像情報
1.3.1 画像信号の形式
1.3.2 画像信号の特性
1.4 ディジタル画像の生成・構造
1.4.1 画像信号の標本化
1.4.2 画像信号の量子化
1.4.3 画像信号の走査方法
1.4.4 同期信号の役割
1.5 画像信号の解像度と動き
1.5.1 画像信号の解像度
1.5.2 時空間周波数
1.5.3 画像の動き情報
1.5.4 動きベクトル検出
1.6 画像信号と情報量
1.6.1 振幅分布
1.6.2 差信号の分布
1.6.3 自己相関関数
1.6.4 周波数スペクトル分布
2. 視覚系と視知覚
2.1 視覚系の構造と基本的特性
2.1.1 眼球結像系
2.1.2 網膜における信号処理系
2.1.3 眼球から大脳中枢での視覚情報処理
2.2 明暗情報処理に関する視知覚特性
2.2.1 明暗反応範囲
2.2.2 コントラスト弁別
2.2.3 視力と表示解像度
2.2.4 空間周波数特性と鮮鋭度
2.2.5 時間・時空間周波数特性
2.3 図形認識に関する視知覚特性(錯視)
2.4 調節・運動系と視野
2.4.1 調節・運動制御系
2.4.2 視野での情報受容特性
2.5 空間知覚
2.5.1 立体視機構
2.5.2 両眼立体視機能
3. 色と画像システム
3.1 色知覚特性
3.2 色識別特性
3.3 色再現評価と表色系
4. 画像の評価
4.1 画質とその要因
4.1.1 画像システムと視覚特性
4.1.2 画質とその要因
4.2 画質評価法
4.2.1 客観評価と主観評価―工学的測定法と心理学的測定法―
4.2.2 その他の評価法―生体計測と客観的評価法―
4.3 主観評価法
4.3.1 主観評価の特徴と望ましい条件
4.3.2 主観評価の構成要素と実験の流れ
4.3.3 心理学的測定法
4.3.4 観視条件と標準画像
4.3.5 評定者
4.3.6 機器調整法
4.4 DSIS法とDSCQS法
4.4.1 DSIS法
4.4.2 DSCQS法
4.5 評価実験の実施にかかわるその他の事項
4.6 データ解析
4.6.1 主観評価データの性質
4.6.2 分散分析法
4.7 感性画質
4.7.1 感性と画質
4.7.2 感性画質の評価法―SD法と多変量解析法―
5. 画像情報と視覚系の受容
5.1 画像と視覚系の知覚・認知
5.1.1 視野の受容特性
5.1.2 空間・視対象の知覚・認知
5.1.3 自己定位と臨場感
5.1.4 画像情報と視対象の処理・認知
5.2 画像パラメータと視覚特性
5.2.1 明るさ知覚と輝度情報
5.2.2 色知覚と色差情報
5.2.3 視力と走査線数
5.2.4 動き知覚とフレーム数
5.2.5 視覚受容特性と画像の冗長度
6. 画像情報の受容・処理
6.1 画像と生体情報
6.1.1 画像情報と眼球運動
6.1.2 画像情報と姿勢制御
6.1.3 視覚情報と他感覚情報
6.2 画像と感性情報
6.2.1 感性情報の定義
6.2.2 感性情報の抽出
6.2.3 画像システムとのかかわり
6.3 画像と奥行き情報
6.3.1 立体視機能
6.3.2 両眼融合領域
6.3.3 運動視差
6.3.4 立体画像の受容
6.3.5 立体画像と視覚疲労
6.3.6 立体・3次元画像の表示方式
7. まとめ
引用・参考文献
索引