単一電子トンネリング概論 - 量子力学とナノテクノロジー -
半導体産業を中心とした微細加工技術は著しく進歩したが,それに伴い次世代の新機能素子の実現が期待され,単一電子トンネリングという現象が注目された。本書はその基礎,材料系,他現象との関連,応用素子回路などを平易に記述。
- 発行年月日
- 2002/01/18
- 判型
- A5
- ページ数
- 216ページ
- ISBN
- 978-4-339-00738-1
- 内容紹介
- 目次
半導体産業を中心とした微細加工技術は著しく進歩したが,それに伴い次世代の新機能素子の実現が期待され,単一電子トンネリングという現象が注目された。本書はその基礎,材料系,他現象との関連,応用素子回路などを平易に記述。
1.量子力学の基礎
1.1 はじめに
1.2 発端
1.2.1 プランクの作用量子仮説
1.2.2 光電効果:アインシュタインの光量子仮説
1.3 前期量子論
1.3.1 コンプトン散乱
1.3.2 原子線スペクトルと正常ゼーマン効果
1.3.3 原子模型とボーアの原子論
1.3.4 物理量の量子化
1.3.5 スピンの発見:異常ゼーマン効果とパウリの排他則
1.4 後期量子論
1.4.1 ド・ブロイ波とシュレディンガー波動方程式
1.4.2 ボルンの確率解釈:ボーアのコペンハーゲン解釈
1.4.3 ハイゼンベルクの不確定性原理
1.4.4 光子裁判
1.4.5 観測問題(波束の収縮):EPRパラドックス,シュレディンガーの猫
1.5 量子力学
1.5.1 波動からのアプローチ
1.5.2 束縛問題
1.5.3 散乱問題
1.5.4 量子統計
2.単一電子トンネリングの基礎
2.1 はじめに:単一電子トンネリングとはなにか
2.2 クーロンブロッケードの一般論
2.3 クーロンブロッケードの必要条件
2.3.1 熱エネルギーとクーロンブロッケード
2.3.2 トンネル抵抗とクーロンブロッケード
2.4 接合の外部電磁場環境とクーロンブロッケード:単一接合系
2.4.1 位相相関理論の一般論
2.4.2 具体的回路
2.4.3 実験結果
2.5 帯電エネルギーへの有効寄生容量の寄与
2.6 SET振動
2.7 多重接合系
2.7.1 二重接合系
2.7.2 接合アレー系
3.単一電子トンネリングの材料系
3.1 はじめに
3.2 金属微粒子系
3.3 半導体二次元電子ガス系
3.4 有機・生体系:カーボンナノチューブ,DNAテンプレート細線
3.4.1 カーボンナノチューブの特異な物性
3.4.2 単一電子トンネリング
3.4.3 単一電子スペクトロスコピー
3.4.4 DNAテンプレート細線
3.5 走査型トンネル顕微鏡
4.単一電子トンネリングと他のメゾスコピック現象
4.1 はじめに
4.2 電子波の位相コヒーレンスとクーロン振動
4.3 スピンコヒーレンスとクーロン振動周期:単一電子トンネリングスペクトロスコピー
4.4 クーロン振動ピーク高さへのゆらぎの影響
4.5 単一接合系での外部電子間相互作用,位相干渉とクーロンブロッケード
5.単一電子トンネリングを応用した回路素子
5.1 はじめに
5.2 従来型論理回路への応用と問題点
5.3 新機能素子
5.3.1 二分化決定素子
5.3.2 多数決回路
5.3.3 量子セルオートマトンとニューラルネットワーク
参考文献
索引