改訂 電磁理論

電子情報通信学会 大学シリーズ B-1

改訂 電磁理論

電磁気学の基本的性格と,そのよって立つ基本的前提を明確にしたうえで,電磁気学の本質を見通しよく把握させるという精神は生かし,学生にとって難解な箇所を極力やさしくまとめなおした。

ジャンル
発行年月日
2001/06/18
判型
A5 上製
ページ数
340ページ
ISBN
978-4-339-00068-9
改訂 電磁理論
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定価

4,510(本体4,100円+税)

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電磁気学の基本的性格と,そのよって立つ基本的前提を明確にしたうえで,電磁気学の本質を見通しよく把握させるという精神は生かし,学生にとって難解な箇所を極力やさしくまとめなおした。

1. 電磁理論の性格と基本的電磁量の定義
1.1 巨視的電磁現象と電磁理論
1.2 電荷および電荷密度
1.3 電流および電流密度
1.4 電界および磁界
1.5 電荷および電流に働く力
1.6 電気双極子および磁気双極子に働く偶力
演習問題

2. 真空中における電磁界基本法則
2.1 電荷保存の法則
2.2 電束および磁束に関するガウスの法則
2.3 アンペアの周回積分の法則
2.4 ファラデーの電磁誘導法則とファラデー・マクスウェルの法則
2.5 アンペア・マクスウェルの法則
2.6 真空中における電磁界基本方程式の積分表示
2.7 電磁界基本方程式の積分表示の応用例
演習問題

3. 電磁界基本法則の微分表示
3.1 電荷保存の法則の微分表示
3.2 真空中における電磁界基本方程式の微分表示
3.3 真空中におけるマクスウェルの方程式とその基本的性質
3.4 不連続境界面における境界条件
3.5 電磁波および光速度
3.6 電磁理論における単位系と真空の誘電率および透磁率
演習問題

4. 物質中における電磁界基本法則
4.1 物質の電磁的特性
4.2 導体と導電電流
4.3 完全導体とその特性
4.4 誘電対と分極
4.5 磁性体と磁化
4.6 物質中におけるマクスウェルの方程式
4.7 構成関係式と物質定数
4.8 異なる物質の境界面における境界条件
4.9 線形,等方な物質中の電磁界
演習問題

5. 静電界
5.1 静止電荷分布による静電界
5.2 ラプラスおよびポアソンの方程式
5.3 電位に対する境界条件
5.4 電位の一般的性質
5.5 電気双極子による静電界
5.6 静電界の境界値問題
演習問題

6. 静磁界
6.1 定常電流分布による静磁界
6.2 ベクトル・ポテンシアルおよび磁位の一般的性質
6.3 ベクトル・ポテンシアルおよび磁位に対する境界条件
6.4 磁気双極子による静磁界
6.5 磁性体と磁荷
6.6 静磁界の境界値問題
演習問題

7. 電磁系における電力およびエネルギー
7.1 電磁エネルギーおよび電力
7.2 電磁系におけるエネルギー保存則
7.3 静電界に蓄えられるエネルギー
7.4 静磁界に蓄えられるエネルギー
7.5 ポインティングの定理と電力の流れの方向
7.6 電気的エネルギーと力学的エネルギーとの相互変換
7.7 発電機および電動機の動作原理
演習問題

8. 時間的に変化する電磁界
8.1 時間的に変化する電磁界の基本的性質
8.2 自由空間中の電磁波
8.3 正弦的な時間変化をする電磁界とその複素解析法
8.4 複素ポインティング定理
8.5 正弦的な時間変化をする平面波
演習問題

9. 電磁系の回路論的取扱い
9.1 電磁理論と回路理論
9.2 集中定数回路系と集中定数回路理論
9.3 集中定数回路理論における端子電圧および回路定数
9.4 集中定数回路理論における電力
9.5 キルヒホッフの法則と回路方程式
9.6 複素電力およびインピーダンス
9.7 分布定数回路系と分布定数回路理論
9.8 分布定数回路理論における電力
9.9 磁気回路
演習問題

付録A ベクトルおよびベクトル界の数学的解析
A.1 ベクトルおよびスカラー
A.2 ベクトルの和および差
A.3 ベクトルの積
A.4 ベクトルの微分および積分
A.5 直交座標系
A.6 スカラーのこう配
A.7 ベクトルの発散
A.8 ベクトルの回転
A.9 スカラー・ポテンシアルおよびベクトル・ポテンシアル
A.10 その他の主要なベクトル関係式
演習問題

付録B ラプラス方程式の解
B.1 直角座標系におけるラプラス方程式の解
B.2 円柱座標系におけるラプラス方程式の解
B.3 球座標系におけるラプラス方程式の解

付録C 電束および磁束に関するガウスの法則の誘導
付録D 磁化電流密度Jm=∇×Mの導出
付録E 国際単位系

演習問題解答
索引

T.T 様

大学の講義の指定図書であったので購入しました。電磁気学を学ぶにあたって、最初に触れたのがこの本であったのが本当によかったと思います。理由は二つあります。
 一つは、この本は一般性を重視して電磁気学を説明してくれていることです。多くの本では、内容の取っ掛かり難さゆえに、具体例から入り具体例のまま終わり、言葉のみで簡単に一般的な場合を述べます。それでも大学の試験なら乗り気ることができ、私たち読者をわかった気にさせているのです。ところがこの本は、一般性を重視して、電磁気学の根本たるものをしっかりと理解させてくれます。上辺の学習になることはありません。
 2つ目は、付録の、座標やベクトル、演算子の解説が非常に充実していることです。実は電磁気学を学ぶのにはこの分野が最も重要な分野の一つであります。ところがこれだけ丁寧に書かれている本はなかなかありません(もちろん電磁気学の書物で、という意味です。)。電磁気学の本にセットで載っているからこそ、より勉強がしやすいです。
 この本1冊読み込むだけで、電磁気学の基礎をしっかり固めることができます。初めて電磁気学を学ぶなら、まずはこの本を手にすることをお勧めします。

熊谷 信昭(クマガイ ノブアキ)