レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

材料の数理モデリング - マルチスケール材料シミュレーション -

材料の数理モデリング - マルチスケール材料シミュレーション -

材料科学に必須の「マルチスケール材料シミュレーション」の基本を1冊で体系的に学べる入門書。単一のスケールや現象にフォーカスした理解だけではなく,俯瞰して複数の側面から物質を眺めるかたちで理解を深められる。

発行年月日
2026/05/07
定価
3,300(本体3,000円+税)
ISBN
978-4-339-06677-7
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 KU 様(業界・専門分野:機械工学,鉄鋼材料学)】

掲載日:2026/04/27

本書では,量子化学計算,第一原理計算,分子動力学計算,有限要素法,伝熱・凝固解析,粒子法による流体運動の計算,状態図計算という,電子からバルク材料までの各次元における数理モデリングの基礎が各論的に扱われている.「マルチスケール材料シミュレーション」という本書の副題通りの書籍である.各章は前述した各計算・解析法の各論からなる.シミュレーションのみではなく,その基礎となる理論や工業的な応用先まで述べられており,入門書として適していると感じる.

私は鉄鋼のミクロ組織と力学特性の関係について研究している.そのため,特に分子動力学計算,状態図計算,有限要素法に興味がある.本書を通読した後,本書を参考にして,早速,フリーのCALPHAD法ソフトウェアをインストールし,状態図計算を行ってみた.現在,実験やシミュレーションに基づく多元系の状態図を容易に入手することができる.しかし,手に入れた状態図が必ずしも自分の研究で使用する組成を満たしているとは限らない.簡易的にでも自分で状態図計算をできることは強力なツールとなる.有限要素法については,機械工学や建築土木分野で行われるような均質等方性材料の弾性解析の説明にとどまっている.書籍名が「材料の数理モデリング」であるので,結晶塑性有限要素法など,材料の不均一性を考慮した有限要素法の紹介があることを期待していたため,その点については残念なところがある.続編や改定がされるときには,結晶塑性有限要素法についても説明されることを期待したい.

読者モニターレビュー【 ビクトール 様(業界・専門分野:機械工学)】

掲載日:2026/04/27

材料の構造に関して、機械系で学ぶ材料力学のようにマクロな視点でとらえるのではなく、量子化学や分子動力学法と行ったミクロな視点で捉え解説していく本である。粒子の運動に関して様々な視点から紐解いていく本であるため、工学系の中でも機械工学系、化学工学系、材料科学系の学生のうち、新素材の開発といった材料科学を研究テーマにしている大学院生が研究の基本を知る上でとても役立つ本である。また、材料系の研究室に行きたい学生が、材料科学ではどのような研究や手法が行われているのか把握する目的で読んでも効果的であると考えられる。