レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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本書では,化合物の化学構造やオミクスデータを情報解析する広い意味でのケモインフォマティクスに着目し,分子・材料設計や新規物質創製,創薬などの化学的な課題を解決するための統合的なアプローチを紹介し,解説している。
- 発行年月日
- 2026/05/07
- 定価
- 4,400円(本体4,000円+税)
- ISBN
- 978-4-339-02738-9
レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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読者モニターレビュー【 河野 優太 様 日本サムスン株式会社(業界・専門分野:化学・有機半導体)】
掲載日:2026/04/30
2, 3章などのバイオインフォマティクスは門外漢なので、4章以降を中心に読ませていただきました。
金子先生の書籍は数冊既に購読しており、基本的な内容や流れはかぶる部分があったのですが、最近のホットな内容(構造生成器)などの理論や詳細に触れていた部分は、非常に新鮮で勉強になりました。すでに論文等では登場しており、使用している機関はあるかと思いますが、書籍として話題に触れているものは少ないと思います。
生成AIなどが使える昨今の状況を踏まえると簡単にモデルが実装できてしまいますが、理論が理解できていないとモデルを微調整したり、比較することが難しいと思います。それが、この書籍では理論から逃げずに触れており、内容が難しいところも端折らずに記載がされていました。特にニューラルネットワークに関する基本的な理論とそれらが応用されている事例も併せて紹介されており、ニューラルネットワークの書籍や過去の金子先生の書籍には含まれていない内容で新鮮でした。
モデルを実装するときに書籍を横に置いておき、内容を確認・復習したい時に、書籍に戻って、コードを生成AIと理解しながら実装していくことができると期待しています。
今後ぜひ取り扱ってほしいこととしては、基本的な実験計画法やベイズ最適化の実装に関する書籍は既に発刊されているので、ニューラルネットワークを基本としたグラフ構造を用いたGNNの実装、VAE, Diffusionモデルといった生成モデルを実装、これらの具体的なコードの内容や解説を行っている書籍が出てくるのを楽しみにしています。
細かい点としては、せっかく表やグラフがあるので、カラー印刷の方が読みやすいかなと思いました。
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読者モニターレビュー【 鈴木 ラファエル麦 様(業界・専門分野:Bioinformatics)】
掲載日:2026/04/30
本書を通して、ケモインフォマティクスやデータ駆動型の創薬・材料設計に関する幅広いトピックを俯瞰することができた。扱われている範囲は広いが、単なる技術紹介にとどまらず、それぞれの手法がどのような場面で有効なのか、どのように研究へ応用できるのかを考えながら読める構成になっていた点が印象的だった。自分の研究に直接関係する内容も多く、読みながら「これは自分の解析にも使えそうだ」「この論文は後で読んでみたい」と思う箇所が何度もあった。特に、構造生成器とオミクス解析の章では最近の様々な研究について重要な研究の論文が紹介されており、ケモインフォに入門するうえで、どの論文から読めばよいかの見通しを得られた。また、各章において、SHAP値や適用範囲(Applicability Domain)など、曲者な用語の説明が丁寧だったり、ベイズ最適化を適用する場面や最初に行うべき実験条件は何かといった、痒いところにてが届くような解説が非常に参考になった。全体として、分野の全体像を掴みながら、自分の研究に活かせる具体的な視点も得られる、実用性の高い一冊だと感じた。








