レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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水素エネルギーの科学と技術 - カーボンニュートラル実現のキーテクノロジー -
水素の構造から,金属材料中の水素の存在状態,エネルギーとしての水素,水素を含む物質の性能にも触れつつ,水素利用技術や水素製造技術も紹介した。また,水素を原料とする化学物質にも焦点を当て,その経済性の考え方にも触れた。
- 発行年月日
- 2026/01/08
- 定価
- 4,620円(本体4,200円+税)
- ISBN
- 978-4-339-06676-0
レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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読者モニターレビュー【 あちくる 様(業界・専門分野:鉄鋼)】
掲載日:2026/03/03
本書は水素エネルギーについて元素としての基礎から製造・貯蔵・利用、さらには経済性までを横断的にまとめた一冊である。各章では理工系の基礎知識を前提に原理へ踏み込んだ説明がなされており、初学者にはやや難しく感じられる部分もある。一方で、章構成を俯瞰しながら通読するだけでも水素エネルギーの全体像をつかむことができる。また、各章が比較的独立しており、関心の高い部分を重点的に読むといった使い方にも適している。
モニターを担当する私は鉄鋼メーカーに所属する技術者であり、水素に直接関わる研究や技術に携わっているわけではない。しかし近年は、鉄鋼分野でも水素還元製鉄や水素脆化など水素関連の話題に触れる機会が多く、基礎的な理解を深めたいという思いで本書を手に取った。特に「1. 水素の基礎」で示される水素脆性の評価方法や理論の整理、「6. 水素の利用技術」での水素燃焼技術の解説は、日頃目にする議論の背景を理解し、今後の水素活用の展望を想像するうえで有用だった。「7. 水素利用の経済性」も、技術だけでなく社会実装の視点を得る助けとなり、全体として高い満足感を得られた。深い専門内容の良し悪しを論じる立場にはないものの、水素について学び始める読者にとって有益な入門書であると感じた。
一点だけ要望を挙げるとすれば、今後各分野で期待される水素技術について、より網羅的に展望を示す章があると理解がさらに深まったように思う。たとえば水素還元製鉄のように、エネルギー利用とはやや異なるが社会的に注目度の高いテーマも含めて触れられていると、読者が自分の専門領域の外側まで視野を広げやすくなったかもしれない。
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読者モニターレビュー【 かねまる 様(業界・専門分野:化学・製造技術)】
掲載日:2026/02/16
水素そのものの特性に始まり、製造・分離プロセス、貯蔵・輸送方式、利用技術と一連の流れがつながって理解できます。各技術に対してエネルギーを軸とした定量的な議論がなされており、設計や評価の観点で「どこを見るべきか」が参考になりました。他の書籍と比べて引用・参考文献が多く、記載事項の詳細調査がしやすいのも特徴です。個人的に水素を取り巻く話題は多い一方で、情報が分散していて全体像をつかみにくい印象を受けていました。そんな中、約250ページの中に網羅的にまとめられており、専門外の方の入門にも、専門家の整理にも役立つ書籍です。








