レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

説明可能AI入門 - 人とAIが共存する未来に向けて -

説明可能AI入門 - 人とAIが共存する未来に向けて -

本書は,「AI技術者のための参考書」であった従来の書籍とは異なり,「利用者の立場になってAIを考える」をコンセプトにしたAIの入門書である。AIと共存する未来のために必要な技術「説明可能AI」について解説している。

発行年月日
2026/02/16
定価
4,180(本体3,800円+税)
ISBN
978-4-339-02954-3
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 いたち 様(業界・専門分野:評価装置メーカー)】

掲載日:2026/02/16

本書籍は、非常に分かりやすく丁寧に書かれておりました。
私個人のおすすめとしては、AIをこれから仕事に使う方への導入本として非常に最適だと思います。
本書籍は多彩なイラストで、分かりやすく記載されています。内容も浅くなく実用的な考え方が記載されており、「AIにはどういうものがあって、それぞれどう作られており、どういったものが得意で課題を持ち合わせているか」という内容がしっかり書かれていると思います。
私自身なんとなくAIが分かるレベルでしたが、本書籍で単語や考え方を学ばせて頂き、非常に有意義な書籍だと思います。

読者モニターレビュー【 たか 様(業界・専門分野:制御工学(産業応用))】

掲載日:2026/02/16

AIをツールとして用いる学生や,特に社会人にとっては,深層回路などの学習器がどのような処理をしたのか,を知ることは非常に重要であろう.本書では,AIの判断根拠などを示す手法である説明可能AI(XAI)や人とAIを共に進化させる共進化AI(CAI)について述べられており,これらの内容に関して知見を広めたいと考えている人たちに是非推薦したい一冊である.また,まえがきに記述のある通り,AIの説明性を理解すると同時に,AIの入門書としても適している書籍である.数式よりも,図などを用いた説明に重点が置かれており,内容も理解しやすいと思われる.XAIについて知りたい人のみならず,AIに関して知りたいと思う人にもお勧めしたい一冊である.

本書の大きな特徴は次の二点である.一つ目の特徴は,理解を深めやすい章構成である.まず第一章では,人工知能の概要から説明が始まる.複雑な数式を用いることなく,パーセプトロンから近年のトレンドとなっている手法までのアプローチの変遷や,AIの課題などが述べられる.その後,従来の機械学習手法やAIに関する説明を経てXAIなどの内容が始まるため,理解を深めることができる.本書を通して読むことで,AIなど機械学習の内容から,XAIの考え方,実用面や今後の展望まで広い知見を得られるであろう.二点目は,生成AIや大規模言語モデルなど,近年のトレンドとなっている内容にまで触れられている点である.生成AIなどは現在開発途上であるが,本書では説明性の観点から,それら手法の注意点が述べられている.他にも,アクティブラーニングなど様々な手法に関して触れられている.これらの内容を取り扱う第四部を読むことで,最近のトレンドである内容に関する知見を深めつつ,説明性という重要な要素を把握できると考えられる.

読者モニターレビュー【 山口 直彦 様 東京国際工科専門職大学(業界・専門分野:情報工学)】

掲載日:2026/02/09

世の中の多くの人は、「銀行のATMがどのようなしくみで動いているのか」を理解しなくても、引き出したい金額(入力)と出てきた現金(出力)が合っていれば特に困りません。しかし銀行員の立場で考えると話が変わってきます。銀行員にとってはお金の出入りが1円でもずれてしまったら大問題ですから、ATMが「どのような処理をしているのか」「正当な手続きを経て処理が行われているのか」が明確に確認できないと困ってしまいます。

これと同じような図式が、人工知能の世界でも起こっています。世の中の多くの人は「与えた入力に対して、それらしい出力が得られれば良い」と思うかもしれませんが、「なぜその出力に至ったのか」がわからないと困ってしまう人がいるという事です(例えば人工知能がレントゲン写真を見て「ここが悪いから切除すべき」と診断したとしても、なぜその診断に至ったのかという根拠がわからなければ、医師は手術をためらうでしょう)。

本書は、判断過程が人間に理解できる人工知能(説明可能AI)を構築するためのノウハウが集められた本です。現在流行しているディープニューラルネットワーク(DNN)は強力な性能で目覚ましい成果を挙げている反面、原理上どうしても内部の挙動がブラックボックスになりがちです。そのためこの本はまず、DNNだけではない様々な人工知能アルゴリズムについて概要を解説した後「(DNNではない)中身の分かりやすい人工知能アルゴリズムが使えないか検討する」「性能を保ったままできるだけ構造のシンプルなアルゴリズムを構築する」「どうしてもDNNが必要な時に、ブラックボックスを紐解くためのツールを使う」という流れで説明可能AIを構築する手法を解説してくれます。説明可能AIに関心がある人だけでなく、人工知能をチューンアップして軽量高速にしたい人にも役立つ内容がたくさん含まれている本です。

また大きな特徴として、それぞれのアルゴリズムを説明する図が素晴らしく良くできています。言葉だけではわかりにくい処理のイメージを、的確な図でわかりやすくしめしてくれています。

注意点として、本書は様々なノウハウを網羅的に紹介している分、各アルゴリズムの詳細については深入りしていません。ある種のカタログとして本書で概要をいったんつかみ、さらに詳しい内容が必要な時は参考文献を追って学んでいくという使い方が良いでしょう。