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高効率薄膜太陽電池の物理と化学 - ペロブスカイトと有機半導体 -

高効率薄膜太陽電池の物理と化学 - ペロブスカイトと有機半導体 -

塗布型・軽量・フレキシブルな次世代太陽電池として注目されるペロブスカイト太陽電池と有機薄膜太陽電池について,第一線で活躍の研究者が,基礎物理や材料化学から研究動向まで体系的に解説。分野横断的な理解を可能にした1冊。

発行年月日
2025/10/10
定価
5,500(本体5,000円+税)
ISBN
978-4-339-06675-3
在庫あり

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読者モニターレビュー【 もちすけ 様 (業界・専門分野:光半導体通信)】

掲載日:2025/10/10

太陽電池とくると半導体のエネルギーバンドから始まってPN接合が来て…という順番で半導体デバイスの教科書に光デバイスの一部として入っていることが多いですが、その扱い方ゆえに深いところへの説明をした書物は探すのに苦労しました。本書は第1章・第2章でそのかゆいところに手が届く説明がされており、もうここだけでも太陽電池について必要な知識が得られます。本書の特徴であるペロブスカイト・有機半導体太陽電池は私が太陽電池の教科書輪講を学生時代に行っていた頃はまだ扱っている書物もなく、この分野の進歩のすさまじさを実感しました。その一方で例えばペロブスカイトの説明では結晶格子の説明をきちんと含めていたり、有機半導体の方ではエネルギーバンド図をふんだんに用いて説明していたりと、電気化学や電子工学の基礎があれば十分に読み進められるのが素晴らしい点だと思いました。私は物理側から化学側の内容に触れて新たな発見がありましたが、逆も然りだと思います。巻末の比較的新しい論文も含めた参考文献リストもあるので、この分野にチャレンジする研究者・技術者の必携の一冊となるでしょう。