レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

制御理論

制御理論

長年,分野を牽引してきた著者陣の豊富な経験に基づく,制御理論の入門書。制御対象の数式モデルの導出と線形時不変システムの動特性に関する記述に力を入れ,制御系設計法の動機・発想・設計に必要な視点をわかりやすく説明した。

発行年月日
2025/02/20
定価
3,960(本体3,600円+税)
ISBN
978-4-339-03247-5
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 おみにゃ 様(業界・専門分野:制御工学)】

掲載日:2025/02/12

本書は制御工学の初学の方から実際の実務で使っている方まで幅広く読めるように内容が多岐に渡っている。紙面もB5サイズで大きくて読みやすく、それに伴って図などが豊富な点が嬉しい。また、古典制御、現代制御の両方の内容が記載されているのが特徴である。具代的には、フィードバック制御系の設計において、伝達関数及び状態方程式のそれぞれの手法から導かれている。このとき、数式の導出過程が詳細に書かれているので初学の方でも分かりやすい。また例題や演習問題も付いており理解を深めるのに役立っている。是非、制御工学を勉強する人は書店で実際に見ていただきたい。

読者モニターレビュー【 MDG 様(業界・専門分野:制御工学)】

掲載日:2025/02/07

本書は、制御工学の基礎的な知識を学ぶことができる初心者向けの本である。主に古典制御と現代制御について解説されているが、第2章では非線形システムを線形化する過程が詳述されており、現実のシステムを解析するための重要な手法を学ぶことができる。また、第5章ではロバスト安定性に関する議論があり、設計した制御系が不確かさに対してどれだけ安定性を保てるかを学ぶことができる。そのため、中級者にとっても有益な内容となっている。
各章は非常に事細かに解説されており、特に第7章では、初心者が疑問に感じやすいフィードバック制御系の設計手順が順を追って説明されており、理論だけでなく実際のシステムへの適用方法についても理解を深めることができる。さらに、演習問題が豊富に用意されており、それぞれの問題に対する詳しい解説があるため、体系的に学ぶことができ理論と実践の両面から制御工学を身に付けられる。しかし、第8章では実用上重要な最適レギュレータやオブザーバに関する説明が不十分であり、具体的なシミュレーションの例もないため、その点については物足りなさを感じた。
以上をまとめると、本書は初心者から中級者に向けた制御工学の入門書として優れており、理論をしっかり学び、実際のシステムに応用するための土台を築くことができると考える。

読者モニターレビュー【 あま 様(業界・専門分野:制御)】

掲載日:2025/02/07

本書は、古典制御から現代制御まで幅広く学べる一冊です。まえがきにもあるように、一つ一つの事柄が丁寧に説明されており、途中式も豊富に記載されているため、数学が苦手な方でも理解しやすくなっています。特に第2章では、他の書籍で省略されがちなベクトルのラプラス変換について詳しく解説した後、伝達関数へとつなげて説明している点が非常に良いと感じました。また、第5章では、多くの書籍で一括して扱われる「内部安定性」と「入出力安定性」が、それぞれ独立した項目として取り上げられ、既約分解の観点から詳しく解説されている点が印象的です。さらに、図が多用されており、視覚的に理解しやすい構成になっています。ただし、一部の内容は定性的な説明にとどまっており、数式や図による補足があれば、より分かりやすくなったと感じました。
総じて、制御工学の理解を深めたい初心者の方におすすめの一冊です。本書の購入を検討されている方の参考になれば幸いです。

読者モニターレビュー【たかや 様(業界・専門分野:制御工学(産業応用))】

掲載日:2025/02/06

本書では,古典制御から現代制御までの制御工学に関する基礎的な知識を学ぶことができる.特に,フィードバック制御系の設計として,第7章:伝達関数に基づく方法,第8章:状態方程式に基づく方法,とそれぞれで章を割かれており,自身が取り扱う対象に応じて本書を参考にし,それぞれの方法ごとに学ぶことができるのは,非常に分かりやすいと思われる.また,本書内では式の導出が丁寧に実施されていることに加えて,図も豊富に記載されており,視覚的なイメージを持ちながら学ぶことができると感じられた.各章には演習問題が設けられており,その解答も丁寧に書かれているため,内容を振り返りつつ演習問題を解き,解答を参照することで,制御工学の理解をさらに深めることができると思われる.