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バイオインフォマティクスのための生命科学入門

バイオインフォマティクスシリーズ 1

バイオインフォマティクスのための生命科学入門

数理情報学分野の学生・技術者・研究者を対象に,バイオインフォマティクスを行うために必要な生命科学の基礎について数式は一切用いずに解説した教科書。生命科学データ解析において特に頻出する事項に絞って解説してある。

発行年月日
2022/08/03
定価
3,410(本体3,100円+税)
ISBN
978-4-339-02731-0
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 ちゃみ 様(ご専門:農学 )】

掲載日:2022/08/16

高速シーケンサーを用いたアンプリコンリシーケンスをやってデータが得られたのはいいものの、この大量のfastaファイルをどう扱えばいいのか困り果てWeb検索を繰り返していたが体系的にまとめられた情報にたどり着けなかった。バイオインフォマティクスの教科書的な書籍も散見されたものの、出版日がかなり前で、改訂されているのかもわからなかったので、購入することはなかった。何度か検索を繰り返すうちに本書に出会った。

生物学の基礎的な話題から始まり、後半はバイオインフォマティクスに関する体系的かつ具体的な内容となる。バイオインフォマティクスの中でも進化遺伝学と微生物学を取り上げているのがうれしい。大学の講義を聴いているような、また、大学の先生に直接質問をしてその答えをきいているような、そんな一冊だった。バイオインフォマティクス初心者である私が欲しかった情報がこの一冊にまとまっている。

読者モニターレビュー【 Tom 様(ご専門:生命医科学 )】

掲載日:2022/07/19

当書は数理情報学分野の研究者や学生がバイオインフォマティクスを学ぶにあたって、生命科学の基礎を解説した教科書と位置付けているが、全くの初学者向けではなく、本内容を理解するためには大学教養程度の生物学の知識を有することが必要である。一般の生命科学系の教科書は分量が多い故に分野間のつながりを把握しにくいが、当書はバイオインフォマティクスに関連したキーワードや要点を絞りつつ、最新の研究成果や論文を引用しているため、ストーリー性を持って内容を理解し読み進めることができる。以下、当書の特徴を列記する。

・おおよそ見開き1ページに1つの図表を用いており、読者の理解を助けている。
・さまざまなエピソードが脚注してあり、読み物として読者を飽きさせない工夫がされている。
・ヒトゲノム全長配列を決定したT2Tコンソーシアムや、Nanopore/Pacbioに代表される第3世代シークエンス法などのトピックを簡潔に取り上げており、また顕性/潜性のなど用語改定を反映しており、2022年時点での本分野の最新情報を把握することができる。
・生命科学分野の書籍にしては図説が少なく、文章による解説に重点を置いている。

日本バイオインフォマティクス学会ホームページ

掲載日:2022/06/16