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演習問題で学ぶ 材料の力学

演習問題で学ぶ 材料の力学

前著「演習問題で学ぶ釣合いの力学」の考え方を,機械のエンジニアにとって重要な材料力学に応用。切断法→自由体線図→力の釣合いのアプローチで多くの問題を解くことを通して,計算機に頼りすぎずに自ら設計できる力を養う。

発行年月日
2022/04/25
定価
2,640(本体2,400円+税)
ISBN
978-4-339-04678-6
在庫あり

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読者モニターレビュー【 こいずみりく 様(ご専門:機械工学、振動、音響)】

掲載日:2022/04/08

実際の機械製品の開発においては、材料強度に関する検討が大きなウェイトを占める。その検討には今では汎用ソフトウェアによる数値解析が多用されるが、その解析結果の妥当性の検証は設計者自身が手計算で当たらなくてはならない。また、図面に起こす前の初期検討においては、ざっくりとした図示と計算を繰り返す。したがって材料力学において本書で繰り返される「紙と鉛筆」での作業の重要性は今も昔も変わらない。

本書「演習問題で学ぶ材料の力学」は、本文中の演習問題95問、章末問題24問からなる。材料力学の初歩である応力とひずみ、引張と圧縮、ねじりから、弾性力学の基礎、座屈問題まで、ひととおりの知識を実践的な演習問題を通じて学ぶことができる。従来の教科書で多く用いられる、用語などの解説のあとに確認用の例題が付される形式とは異なり、本書では演習問題がまず提示され、その解説の中で必要な用語や公式が導入される。珍しい形式だが、材料力学の肝を理解するには手を動かすことが大事であり、効果的な配置であると思う。

機械系学生や新人技術者の基礎学習、機械工学に興味のある他分野の技術者などに本書をお薦めする。