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制御系設計論

制御系設計論

本書では,「制御系設計」をメインテーマとして,古典制御と現代制御の制御系設計論に加え,ロバスト制御やディジタル制御の基礎理論を解説する。高専・学部高学年・大学院の学生や制御系技術者向けの教科書である。

発行年月日
2022/01/11
定価
3,520(本体3,200円+税)
ISBN
978-4-339-03237-6
在庫僅少

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amazonレビュー978-4-339-03237-6 制御系設計論

掲載日:2022/08/30

MathWorks「MATLAB/Simulink 関連書籍」制御系設計論

掲載日:2022/04/01

MathWorks様にプロモーション用ページを制作いただきました。

読者モニターレビュー【 けんぴまる 様(業界・専門分野:鉄鋼業界・制御設計)】

掲載日:2022/01/13

本書は制御工学初学者から大学などで一度は学んだことのある者まで幅広く網羅されていると感じました。
というのも本書のまえがき欄に本書の構成について記載があり、
①標準的な学習の流れ②発展的な内容への挑戦
と読者のレベルに応じた2つのフローに沿って学習することができるからです。
これにより初学者は無理なく体系的に学習を進めることができ、
一方で習熟者も発展的な内容の学習を中心に効率的な学習が可能となります。
以上の点から「制御工学の基礎から応用まで学びたい!」という方に手にとっていただきたい一冊となっています。

読者モニターレビュー【北岡 知大 様 トヨタ自動車(ご専門:自動車、制御工学)】

掲載日:2022/01/07

まるで大学時代のノートそのものを見返しているかのような感覚になった.
本書に記載された内容をマスターすれば制御系設計の基礎を十二分に身につけられると感じた.以下に私が感じた本書の良い点・悪い点をまとめた.

よかった点
・制御系設計に必要な知識を網羅
 →この本をマスターすれば制御系設計に必要な知識を一通り身につけることができる.システムの表現兵法からコントローラの設計まで幅広い内容をカバー
・グラフやイラストが豊富で読み進めやすい
 →内容は決して優しくないが,ほぼ全てのページに記載されている豊富なイラストやグラフが理解を助けてくれる.
・サポートページのコンテンツが豊富
 →webのサポートページには,演習問題の解答解説だけでなく,著者らによる解説動画や本書のグラフ作成時のコードが公開されており,自ら手を動かしながら理解を深めたい人をサポートする思いが伝わる.

悪かった点
・初学者にはやや難しい内容かもしれない.
 →制御系設計論という学問の背景や制御工学の基礎的な知識を抑えているものの読者の中には内容が難しいと感じる人もいるかもしれないと感じた.まえがきにも記載されているように,本書だけではなく,必要に応じて他の書籍で知識をサポートしながら読み進める必要がある.ただし,サポートページには丁寧な解説や補足もあるため,自ら積極的に学ぶには,サポート環境も充実した最高の一冊.

読者モニターレビュー【村野 健一 様 村野D&D技術士事務所(ご専門:振動制御、ロボット)】

掲載日:2021/12/29

本書は、対象のシステムとしての、表現(2章 動的システムの表現)、特性(3章 線形システムの特性)、構造(4章 線形システムの構造)を示していき、安定性について解説(5章 安定性)をしたのち、制御系の設計仕様を時間領域と周波数領域での指標と、目標の特性についての一般論を述べている。そして7章から14章にて古典制御(PID)から現代制御理論(状態フィードバック、最適制御、状態推定)、さらにロバスト制御、離散系の考え方を解説をしている。
読者は、初学者でも教科書としてなら問題ないが、場合によって参考文献に挙げられている図書を併用するのが早道かもしれない。付録を入れて224ページの図書であり、ページ数に対しての内容は盛りだくさんの感があるので、現代制御、ロバスト制御などは別途専門解説の図書の助けがあった方が良い。

教科書的な使い方ではなく、「設計論」として考えると、設計者は、制御系は対象システムの特性が明確になって、その表現をどうするのか、あいまいなパラメータがないのか、安定性が補償されるのか、非線形性はどうか などを議論し、それに応じた適切な制御系を設計していくのであるが、対象の特性と制御系の相性といった視点では本書は構成されていない。例えば古典制御と現代制御の得失を示すような解説があっても良かったのではないかと思う。
 
ただ、たぶんそのような観点で踏み込んで考える人や、Z世代の人たちの助けとなるのはサポートページである。python、matlabのコードが、演習問題、例題について公開されている。対象のシステムが表現されていれば、簡単に制御性能を試すことが可能であり、さらに実際に設計する立場や、論文を書く段階になる学生などには重宝すると思われる。もちろん教科書としての使い方で、演習問題を実習させていく際にはサポートページが非常に役に立つことは言うまでもない。