レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

詳解 流れの数値計算 - 有限要素法による非圧縮性流体解析の基礎 -

詳解 流れの数値計算 - 有限要素法による非圧縮性流体解析の基礎 -

本書は,流れの問題に適用される差分法と有限要素法を,式の導出過程も丁寧に示しながら解説したものである。基礎的・基本的な内容でありながら,他書には見られない深い考察や,著者が考案した有用な手法も掲載した意欲的な書。

発行年月日
2022/01/21
定価
3,960(本体3,600円+税)
ISBN
978-4-339-04676-2
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

H.A 様(学部4年生)

掲載日:2024/07/23

本書は、丁寧で分かりやすい文章と図式で、有限要素法を初めて学ぶ人でも読みやすいと感じました。1章では差分法を用いて、数値解の精度や安定性の比較など、流れの数値計算の基礎を学ぶことができます。2章からは、有限要素法における補間の考え方や行列の計算過程が、順を追って詳細に示されており、一つ一つを確実に身につけながら読み進めることができます。例題や付録では、計算手法が様々な見方で考察されているため、数式の意味を理解して、数値解を評価する力が鍛えられます。本書は流れの問題を用いて、有限要素法を基礎からしっかりと学びたい方におすすめです。

K.K 様(大学院生)

掲載日:2024/07/23

本書は、流れの数値計算を行う差分法と有限要素法の基礎を解説しており、特に有限要素法の解説に比重をおいています。本書には式の変形や操作といった途中式が丁寧に記述されているため、それぞれの数式が何を意味し、どのようにして導出されたのかが非常にわかりやすいといった特徴があります。また、本文で導出した数式、関数を使った例題や、本文で解説しきれなかった数式や関数の導出を付録で行っており、理解を深めるのに非常に役立ちます。さらに、本書は他の数学書に比べて図を用いた解説も多く、特に1章、2章にある区分1次補間と区分2次補間によって補間された物理量などの空間分布の図や、基底関数と形状関数の対応付けの図から、有限要素法が何を目的としており、どのような利点があるのかを理解するのに非常に役立ちます。このような理由から、本書では式の導出などを曖昧に理解したまま次に進むことがなく、理解を深めながら進めることができます。そのため、初学者にとって有益な参考書となっています。

「計算工学 (Vol.28 No.1 2023)」 一般社団法人 日本計算工学会

「計算工学 (Vol.28 No.1 2023)」 一般社団法人 日本計算工学会

掲載日:2023/04/05

書評掲載いただきました。ありがとうございます。

一般社団法人 日本機械学会 流体工学部門HP 「2021年度 新刊案内」

掲載日:2022/02/24

本書を掲載いただきました。ありがとうございます。

読者モニターレビュー【S.I 様(ご専門:水処理設計)】

掲載日:2022/01/11

本書は、数学が苦手な人に特に薦めたいと感じた。自分も数学が苦手だが、本書に従って式を書きながら追いかけていくことで、数式が持つ意味について理解が深まった。

その理由として、まず途中式が詳しく紹介されていることが挙げられる。本文中で式とそれに対する操作が詳しく解説されていることに加え、付録では使用される関数の導出などが紹介されている。使用する関数の導出から追うことで、なぜその関数を使いたいのか、関数を使う意味などの理解が深まったと思う。

また、式をより深く理解するための例題も用意されている。式の意味を考察したり解析の結果を比較したりする例題を解くことで考察のポイントが分かり、式がもつ特性やその意味について考えることができた。

自分が数学を苦手に思っているのは、式がどのように物理現象を表しているのか想像がつきにくいからである。それに対して本書は、詳細な途中式と考察のポイントを示した例題を用いて橋渡しをしてくれる。数学が苦手な人におすすめしたい一冊である。

読者モニターレビュー【黒田 英夫 様 算生会(ご専門:技術計算)】

掲載日:2022/01/07

差分法から有限要素法までの数式展開を詳しく丁寧に解説されていて、流れ解析の知識や技術を習得するのに役立ちます。特に数式をきちんと理解し身に付けたい人には最適です。他方、数式が苦手な人には少し難解かもしれませんが、挑戦してみる価値はありそうです。差分法は1次元のみで、それを1次元の有限要素法に発展させ、さらに、2次元の有限要素法まで詳述されています。プログラムは、有限要素法の1次元流れ解析のFortranソースがダウンロード提供されています。非圧縮性流体解析に関しては、HSMAC法に速度・圧力の同時緩和法を工夫した独自手法が、検証データと共に説明されています。本分野で読者自身がプログラムを開発していく手助けになると思います。