レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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電磁界の性質やアンテナの基礎知識,およびメタマテリアルの構造や特性を理解し,初心者でもメタマテリアルアンテナの設計ができる内容となっている。また,メタサーフェスについては別途章を設け,その特徴と応用例を紹介。
- 発行年月日
- 2021/09/27
- 定価
- 4,840円(本体4,400円+税)
- ISBN
- 978-4-339-00948-4
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読者モニターレビュー【 N/M 様(ご専門:総合情報学(情報科学))】
掲載日:2021/09/27
本書は,電磁気学を学習した学生や若手技術者を対象とした,メタマテリアルアンテナに関する書籍である.
この書籍のレビューを選んだ理由としては,本書のWebページにて,5Gというキーワードが付与されていたからという安易な動機で応募したが,全くの基礎知識のない私が読むには,かなり困難を極めたのが正直な感想である.おそらく,義務教育レベルの電気系の分野における,電流とは何か?ということや,磁力とは何か?という根本的な部分及び,オームの法則あたりの知識から再学習の必要性を感じた.正直なところ,電磁気学,もしくは物理学に関する知識(もっと言うなら数学(数式)に明るく)のない方にとっては,理解が難しいだろうと本書をパラパラとめくった時に感じてしまった.
第1章〜第3章では,メタマテリアルベースアンテナの設計に必要な知識を数式ベースに順を追って解説がなされている.第4章では,メタマテリアルベースアンテナの設計について,各種アンテナについて数多くの図を用いて,イメージがしやすいように工夫しながら解説がなされている.第5章では,メタサーフェスに関する解説がなされている.
他にも,「付録A 物理定数と物質の電気定数」では,よく見かけるであろうと思われる数学・物理定数の名称・記号・具体的な数値の対応関係を表形式でまとめてあり,リファレンスとしても活用できるだろう.また,「付録B,C」に関しては,本書をさらに深く学びたい方に向けて発展的な記述がなされている.「付録D,E」では,ベクトル公式の基礎,微分・積分公式,数値積分といった,数値解析の分野についても簡単にではあるが,取り上げられている.
最後に,各章末にその章の簡単なまとめや確認(正誤)問題のような,知識の定着を確認できるものがあれば,理解が曖昧な部分を洗い出せ,より理解が深まるのではないかと思った.