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音声音響信号処理の基礎と実践 - フィルタ,ノイズ除去,音響エフェクトの原理 -

次世代信号情報処理シリーズ 2

音声音響信号処理の基礎と実践 - フィルタ,ノイズ除去,音響エフェクトの原理 -

信号処理のうち音声・音響に焦点を絞り,おもにフィルタ,ノイズ除去,音響エフェクトの原理について解説した。特に音響エフェクトの原理について,機械学習による音質変換とは異なり,物理モデルに基づく基本的手法を押さえている。

発行年月日
2021/04/30
定価
3,630(本体3,300円+税)
ISBN
978-4-339-01402-0
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【shinngoushori.com様(ご専門:音楽/音響信号処理)】

掲載日:2021/04/15

音声・音響信号処理を理解するのに必要な内容の説明から入り,徐々に専門的な内容に染まっていきます。ただ読むだけでなく,所々に例題と解答があり,手を動かしながら理解度を確認することができるので,頭がかたくなってきた私にはありがたいです。

本書籍は,信号処理関連の書籍にありがちな難解な数式はほとんどなく,平易に説明してくれています。著者さんの優しさ/ご配慮のおかげで,読みやすさはもちろんのこと,モチベーションの維持,実装のし易さというメリットがあります。

実装といえば,実装に関するヒントも書かれているため,理論よりも実装を重視したい方にもおすすめできます。ある程度のプログラミング経験のある方であれば,MATLABやScilabあるいはPythonなどで,あまり悩まずにコーディングできると思います。

音響信号処理に関する書籍を読んでいると時々,「数学」をやっているのか「音響」をやっているのか分からなくなる時がありますが,豊富な図と分かりやすい数式で「今は音声・音響を勉強している」という気持ちになれる1冊でした。

読者モニターレビュー【あつもり様(ご専門:音・聴覚情報処理)】

掲載日:2021/04/15

この本では,音に特化した信号処理の基礎的な理論が解説がされています。

具体的には信号処理の基本中の基本であるFIR・IIRフィルタや窓関数,STFTといった内容から始まり,線形予測分析・ケプストラム分析といった発声モデル(2章),ノイズ除去(4・5章)のような音響分野における主要な信号処理の理論に展開されていきます。

文系出身の自分には,信号処理の本はまだ敷居が高いなという不安もありましたが,この本に出てくる数式は,簡潔で分かりやすい図や解説のおかげで非常に追いやすく,ワクワクしながら読み進めることができました。

また,適宜挟まれる例題も丁度良い難易度で,理解を深めてくれました。

この本は,音響・音声に特化した内容で信号処理の理論をしっかりと学べる,ありそうであまりなかった一石二鳥の素晴らしい本だと思います。

音の信号処理を扱いたい方には,かなり参考になるのではないでしょうか。