レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

感性情報学 - オノマトペから人工知能まで -

感性情報学 - オノマトペから人工知能まで -

心理学,脳科学,工学など幅広い分野での感性計測方法を紹介するとともに,筆者ならではのオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)やさまざまな自然言語を活用した方法,さらに感性への深層学習適用と応用まで解説する。

発行年月日
2018/07/25
定価
2,860(本体2,600円+税)
ISBN
978-4-339-02886-7
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

はる 様

掲載日:2019/11/27

特に印象的だったのは感性計測方法の章です。「感性」はどのように測ったらよいのかわかりにくい対象なので、このように本で体系的にまとめられているのは価値があると思いました。オノマトペに関しては少し専門性が高く論文的で、本書の他の章とは異なり、理解が難しいと感じました。他の章は入門ではあるものの、感性情報学の概要をつかむのにとても役立った1冊です。

読者モニターレビュー 【ふじわらともこ様(色彩、デザインディレクション、芸術教育(こども))】

掲載日:2018/07/10

 言葉から感性を抽出する技術は,人口知能やロボットとの共存が進むこれからの時代にとって重要性が増すばかり。
 「感性」を重視した製品がヒットし,医療現場でも「感性」は着目されつつあり,その主体である生活者の「感性」は捉えところがなく,数値化することは一般的には難しいとされているが,本書ではその「感性」を計測するオノマトペ(擬音語・擬態語の総称)による計測手法を中心に解説している期待の書である。
 オノマトペのような曖昧で直感的な言葉から「感性」を理解し,解析されることが「技術」の進化に寄与することにつながることは喜ばしいことではないだろうか。
[読後感想]
 感性は理性に較べ,下位概念におかれることが多いのですが,技術に応用できるという側面もあります。
 人工知能,ロボットと共存する時代に生きる私達にとって人間らしい「感性」を持つことが,人間に求められる時代もすぐそこに到来することを予告しているかのように私には感じられました。

読者モニターレビュー 【研究所の花子さん様(研究アシ/音響,音,心理計測実験)】

掲載日:2018/07/09

本書の前半は,「人間の感性情報技術」について,その重要性,感覚器から脳に至る過程での処理,心理・生理学的な計測方法について基本的なことを中心に分かりやすく述べられています。
 中盤以降は,「オノマトペ」を用いたとてもユニークな感性計測手法について述べられています。数量化理論や遺伝的アルゴリズムを用いたオノマトペ生成システム,音の響きが基になっている「オノマトペ」が素材の質感やブランド名の評価に活用される事例など,とても興味深い内容でした。
 「オノマトペ」を分析,数値化することで,どのような「オノマトペ」を用いると感覚の本質を相手に的確に伝えられるのか? 感覚を言語化し,相互理解を進めるために「オノマトペ」が果たす役割は大きく,食味,食感の表現,医療現場における問診支援など利用が期待されています。スポーツのコーチングなどにも応用できるかと思います。今後の研究に期待したいと思います。