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観測に基づく量子計算

観測に基づく量子計算

量子計算に関して新しい見方をもたらした測定型量子計算を理解する上で必要な知識について,トピックごとに解説し,測定型量子計算モデルの登場によって明らかになった量子計算の諸性質についても解説した。

発行年月日
2017/03/10
定価
3,080(本体2,800円+税)
ISBN
978-4-339-02870-6
在庫僅少

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amazonレビュー 978-4-339-02870-6 観測に基づく量子計算

掲載日:2019/10/01

読者モニターレビュー 【濵村一航(博士課程学生,専門:量子情報理論)】

掲載日:2018/09/21

本書はタイトルの通り観測に基づく量子計算,いわゆる測定型量子計算を題材としている本です。
測定型量子計算はゲート型量子計算や断熱量子計算とならぶ量子計算のモデルの1つで,その特徴はリソース状態と呼ばれる”量子的”な状態を準備するプロセスと,測定というプロセスの二種類に分けていることで,理論的に非常に扱いやすいというメリットがあります。それだけではなく,実験的にも測定型量子計算に向いている物理系があるため,測定型量子計算は理論・実験の両面から重要なモデルだと言えます。
測定型量子計算は物性物理・誤り耐性量子計算・古典統計物理学・セキュアクラウド量子計算・計算量理論と様々な分野と関係があり本書の話題は多岐にわたります。さらに本書の後半では日本の量子計算理論を代表する著者ら自身の結果にも触れていて,この著者らにしか書けない本です。
量子計算理論に関心がある人は必読だと思います。

「日本物理学会誌」7月号 新著紹介欄

掲載日:2018/07/25

読者モニターレビュー 【gyu-don様( ITエンジニア)】

掲載日:2018/06/25

 本書は,従来の量子回路モデルとは異なる,測定型量子計算モデルについて紹介しています。測定型量子計算モデルは計算力の観点から,同モデルが回路モデルと等価で,また,量子状態を作るフェーズと,観測と古典計算を繰り返すフェーズに明確に分けることができるため,これまでとは異なる視点を提供してくれるとされています。
 観測により,まだ観測していない量子ビットの状態を変えながら計算を実現していく過程は,数式を追えば理解はできるものの,不思議で興味深いです。また,量子計算は,一体何を考えながら組み立てればいいのか非常に難しいので,回路モデルとは違う視点で考えることは有用かもしれません。
 本書では,量子誤り訂正符号の一種で,非常に注目されている,トポロジカル誤り訂正符号についても詳しく述べられています。

 興味深いながらも,特に日本語の文献がほとんどない測定型量子計算について網羅的に書かれた,非常に内容の濃い本でした。
 参考文献のリストは各章ごとに丁寧にまとめられているため,深く理解するためにも,それらを読んでみようと思います。