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音の科学と擬似科学 - 音の不思議と怪しい話 CD-ROM付 -

音の科学と擬似科学 - 音の不思議と怪しい話 CD-ROM付 -

音に関する不思議な現象や面白い話など,知っているといつか役立つかも?しれない雑学情報を紹介している。音に興味をいだくと同時に,科学の世界がいかに不思議な驚きに満ちているのかということについて記している。

発行年月日
2012/02/16
定価
2,970(本体2,700円+税)
ISBN
978-4-339-00829-6
品切・重版未定

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

ブサカル変集者 ハマザキカク 様

掲載日:2012/02/20

『ほったいもいじるな』という日本語の諺や慣用句を、同じ響きに聞こえる英語に置き換えた本を編集した経緯から、この新刊が気になった。「不思議な音の科学」の章では音波やヘリウム音声の仕組み、マイクの指向性、マガーク効果、トンネルドン、ドップラ効果等のメカニズムについて専門的に解説されている。「音の都市伝説」では、数々の音に関する世間で広まっている言説に根拠が無い事を明かしており、目から鱗が落ちる。自殺の聖歌と呼ばれる"Sombre dimanche"や、デパートのBGMには店員だけが分かる意味が込められている事、客室乗務員が離着陸30秒間沈黙を義務づけられているSTS(Silent Thirty Seconds)等、音にまつわるトリビア話が紹介されており興味深い。またヘビーメタル史上最悪の訴訟沙汰と言われる、ジューダス・プリースト裁判で争われた逆回転で"Do it!"と聞こえるとされたサブリミナル効果について記述されている。末尾では科学者の矜持としてカール・ポパーの反証可能性に基づき、論文を査読されながら研究を続けていく重要性について述べている。
(ブサカル変集者 ハマザキカク)
※投稿者名につきましては、ご本人様の希望でこのような表記となっております。