化学系学生のための Excel2016/VBA入門 PowerPoint増補版

化学系学生のための Excel2016/VBA入門 - PowerPoint増補版 -

化学分野で必要な計算を例題にして基本操作,データ加工,グラフの体裁,VBAを用いたプログラミングを解説した。

ジャンル
発行年月日
2017/10/06
判型
B5
ページ数
208ページ
ISBN
978-4-339-06641-8
  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

化学分野で必要な計算を例題にして基本操作,データ加工,グラフの体裁,VBAを用いたプログラミングを解説する。また,論文発表会でのプレゼンテーションにおけるスライド作成などの基礎的なスキルも学べるようにした。

本書では主として化学系あるいは化学工学系の学生が,実験を行い,データを整理し,研究を行い,成果を報告書や論文としてまとめ,発表会でプレゼンテーションを行うまでの間に利用する機会の多いExcel,VBA,WordおよびPowerPointの有用な利用法を紹介する。

ExcelをはじめとするMicrosoft Officeに関する入門書やテキストは多数出版されているが,事務職や経理職ユーザーのために書かれたものが圧倒的に多く,科学者あるいは理工系ユーザー向けは少なく,化学系となるとほとんど見当たらない。しかしながら化学系の学習・研究現場ではユーザーとしてITに接することが多い。

化学系研究室や企業の生産現場では分子設計,機器分析,データ解析,化学装置設計およびプロセス制御など,コンピュータとそれを動作させるソフトは広く用いられている。化学は実験による検証が非常に多い学問であり,化学系の学生あるいは研究者や技術者は日夜データを取得し,整理し,解析してまとめる作業に追われている。分析機器やデータ処理機器の発達に伴って処理速度の高速化あるいは処理精度の高度化が実現しているが,出力結果の理解のために理論計算を行い,さらに高度な処理を行うためにソフト開発が要求されることもある。また,最終的に報告書や論文にまとめる作業はたいへん重要である。得られた貴重なデータは著者だけでなく第三者にも確実に伝達されることが重要であり,そのためには見やすくまた論文として統一された報告書として提出されることが大切である。さらに学生が審査を受ける卒業論文発表会や多くの研究者が情報を交換する学会発表では的確なプレゼンテーションスキルが重要である。しかしながら,こうしたスキルの多くを総括的に学べる機会は少ない。主として先輩や教員からの個人的な伝授によるか,あるいは添削や指導を受けて上達するケースが一般的である。

そこで,本書では現在広く普及しており,容易に入手できる表計算ソフトExcel2016を利用して,化学系学生あるいは化学者が報告書や論文に掲載できる品質の図表作成に必要な技術を紹介する。品質とは内容と体裁の両方を指し,体裁については読者の所属分野によって相違点があると思われるが,それらについては逐次読み替えていただければ幸いである。

Excel2016は図表作成以外にも多種多様な機能をもっている。その中で化学計算に有用な関数やツールをいくつか紹介し,化学分野の問題解決への適用例を示す。取り上げた機能以外にも有用と思われるものも多々あるが,本書では最小限にとどめた。他の書籍あるいはヘルプを参照していただきたい。

さらに,Excelに付随していることから容易に利用できるソフト開発言語VBAによる基本的なプログラミング法を紹介する。本書では初心者向けに,プログラミングの文法を知らなくてもプログラミングが可能なマクロ作成から入門し,自動作成されたプログラムの内容を理解することで,プログラミングの基礎を学ぶ。さらにソフトウェア開発に興味をもった学生にはより制限の少ない高級プログラム言語の習得を勧める。

最後にWord2016およびPowerPoint2016を利用した卒論発表会や学会発表などでの研究成果公開方法について学ぶ。

本書の特徴として,化学分野で必要な計算を例題として使用していることが挙げられる。なるべく現実的なデータや便覧の値を使用しているが,実測による確認が不十分な値も混在しているので注意が必要である。

一方,本書では数多くの機能を網羅するよりも,重要な機能を取り上げて詳細に解説することを心がけた。

本書の例題および練習問題に用いるファイルはすべてWebサイトにアップロードされている。学生が演習問題を解く際の出発ファイルとなるデータは学生用フォルダ内に,例題や練習問題の完成形あるいは解答は教員用フォルダ内に記録されているので,適宜効果的な学習に利用していただきたい。

本書はExcel2007ユーザー向けに2009年にコロナ社より発行された「化学系学生のためのExcel/VBA入門~Office2007対応~」をOffice2016対応版として改訂したうえで,さらにWordによる論文要旨作成の基礎およびPowerPointによる研究発表会プレゼンテーションの基礎を増補した。

以上,本書の至らない点は著者の力量不足によるところであるが,本書によって化学系学生が価値の高い論文や報告書を提出し,魅力的なプレゼンテーションスキルを培う一助となることを願う。本書の刊行にあたってコロナ社にたいへんお世話になった。ここに記して謝意を表する次第である。

2017年8月 寺坂 宏一

0. Windowsの設定とExcelの予備知識
0.1 ファイル名の完全表示
0.2 既定フォントの変更
0.3 Excel画面の名称
0.4 セルの参照形式
0.5 セル範囲の表記法
0.6 数値の表記法
0.7 単位の表記法
0.8 典型的な図表作成手順

1. セル操作の基本
1.1 セル参照
1.2 相対参照と絶対参照
1.3 演算と関数
1.4 オートフィルによるコピー

2. 入力支援ツール
2.1 オートフィルによる数列入力
2.2 オートフィルタ
2.3 テキストファイルウィザード
2.4 分析ツール(ヒストグラム)

3. グラフ作成の基本
3.1 データ系列の作成
3.2 グラフの種類の選択
3.3 グラフツール
3.4 グラフの配置
3.5 報告書用グラフとしての体裁修正

4. グラフ作成の応用
4.1 複数のデータ系列をもつグラフの作成
4.2 データ系列の追加
4.3 テンプレートの作成と適用

5. グラフ作成の応用
5.1 2つの軸をもつグラフの作成
5.2 誤差範囲をもつグラフの作成
5.3 近似曲線を追加したグラフの作成

6. 計算ツールの利用
6.1 逆行列を用いた連立方程式の解法
6.2 ソルバー
6.3 ゴールシーク

7. マクロ
7.1 セキュリティレベルの変更
7.2 マクロ記録とボタンへの登録
7.3 マクロ記録されたVBAプログラムの閲覧と保存
7.4 マクロを含むExcelファイルの保存
7.5 マクロ記録されたVBAプログラムの理解
7.6 マクロ記録されたVBAプログラムコードの印刷

8. VBAによるプログラミング
8.1 ユーザー定義関数
8.2 プログラミングの手順
8.3 セル操作
8.4 変数および定数の宣言
8.5 代入文
8.6 演算
8.7 プロシージャをボタンに登録
8.8 判断と分岐
8.9 論理演算を用いた条件式

9. 繰り返し処理
9.1 セル操作
9.2 繰り返しループ(For~Next)
9.3 繰り返しループ(Do~Loop)

10. 配列
10.1 1次元配列の宣言
10.2 コードの簡略化
10.3 プログラム実行中の値のモニタ
10.4 多次元配列

11. 配列の応用
11.1 コンボボックス
11.2 平均値の計算
11.3 ソーティング

12. Wordによる報告書・論文要旨作成
12.1 報告書読者の想定
12.2 報告書の趣旨や用途の理解
12.3 報告書の構成
12.4 倫理と剽窃
12.5 Wordによる報告書の作成
12.6 Word文書への図表の挿入

13. PowerPointによる研究発表会用スライド作成
13.1 スライド作成の基本
13.2 テンプレート
13.3 プレゼンテーション用スライドの作成

14. プレゼンテーション
14.1 プレゼンテーション事前準備
14.2 プレゼンテーションの実施
14.3 質疑応答と聴講
14.4 ポスター発表

参考文献
索引

寺坂 宏一(テラサカ コウイチ)

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