原子炉物理
将来,原子炉がエネルギー供給源として社会に受け入れられるか否かは,原子炉の安全性の確保が重要な課題である。本書では,原子炉の炉物理的な解析法および設計法について,永年の研究成果をもとにわかりやすく解説した。
- 発行年月日
- 1996/02/15
- 判型
- A5
- ページ数
- 812ページ
- ISBN
- 978-4-339-06583-1
- 内容紹介
- 目次
- レビュー
将来,原子炉がエネルギー供給源として社会に受け入れられるか否かは,原子炉の安全性の確保が重要な課題である。本書では,原子炉の炉物理的な解析法および設計法について,永年の研究成果をもとにわかりやすく解説した。
1. 中性子核反応断面積
1.1 スピンおよび内部構造のない2粒子系
1.1.1 2粒子系のシュレーディンガー方程式
1.1.2 外部領域の解
1.1.3 平面波と球面波の関係
1.1.4 断面積と衝突関数Uの関係
1.1.5 R-関数
1.1.6 井戸形ポテンシャルの場合のR-関数
1.1.7 衝突関数UとR-関数の関係
1.2 スピンをもつ多粒子系
1.2.1 多粒子系のシュレーディンガー方程式
1.2.2 チャンネルスピン波動関数
1.2.3 外部領域の全チャンネル波動関数
1.2.4 チャンネル表面S上の波動関数
1.2.5 内部領域の波動関数
1.2.6 多粒子系のR-行列
1.2.7 衝突行列U
1.2.8 衝突行列UとR-行列の関係
1.2.9 断面積と衝突行列Uの関係
1.2.10 準位行列A
1.2.11 チャンネル消去法
1.3 断面積公式
1.3.1 準位行列Aの近似
1.3.2 カプール・パイエルスの断面積公式
1.3.3 ブライト・ウィグナーの1準位および多準位公式
1.3.4 アドラー・アドラーの断面積公式
1.3.5 ライヒ・ムーアの断面積公式
1.3.6 断面積の測定値の例
1.4 中性子核データについて
2. 熱中性子散乱断面積
2.1 中性子散乱断面積と散乱長
2.1.1 フェルミの仮想ポテンシャル
2.1.2 1次ボルン近似解
2.1.3 スピンをもった核による散乱
2.1.4 化学結合とスピンがあるときの散乱断面積
2.2 散乱断面積の性質
2.2.1 ファン ホーヘの理論
2.2.2 詳細釣合の式
2.2.3 静的近似と弾性散乱
2.3 単純な運動をしている原子による散乱
2.3.1 自由原子による散乱
2.3.2 調和振動子による散乱
2.3.3 回転剛体による散乱
2.4 液体分子の散乱断面積
2.4.1 液体分子に対するχ関数
2.4.2 H2O分子の散乱断面積
3. 輸送方程式
3.1 輸送方程式の導出
3.1.1 中性子密度および中性子束
3.1.2 多次元の輸送方程式
3.1.3 1次元板状体系
3.1.4 1次元球体系
3.1.5 1次元円柱体系
3.1.6 境界条件
3.2 球面調和関数法
3.2.1 PL近似式
3.2.2 球面調和関数法で使われる境界条件
3.2.3 2階偏微分方程式
3.2.4 有限フーリエ変換法による解
3.3 BL近似
3.4 積分型輸送方程式
3.4.1 積分型輸送方程式の導出
3.4.2 球面調和関数展開
3.5 1次元板状無限体系での解析解
3.6 ミルの問題
4. 拡散方程式の解法
4.1 源反復法
4.2 差分法による解法
4.2.1 1次元拡散方程式
4.2.2 x-y座標での差分方程式
4.3 グリーン関数を使う方法
4.3.1 1次元1群の場合の正確な3点階差式
4.3.2 3点階差式の具体的な形
4.3.3 階差式の精度
4.3.4 数値計算例
4.4 グリーンテンソルを使った3点階差式
4.4.1 1次元多群の場合の3点階差式
4.5 有限フーリエ変換法
4.5.1 1次元拡散方程式
4.5.2 2次元拡散方程式
4.5.3 数値計算例
4.6 有限フーリエ変換法による階差式
5. 数値計算法
5.1 行列因数分解法
5.1.1 1次元3点階差式
5.1.2 2次元5点階差式の場合
5.2 同時置換,逐次置換法および過緩和法
5.2.1 反復計算法
5.2.2 非均質体系
5.2.3 行列のヤングの性質A
5.2.4 最大固有値の推定
5.3 多項式を使う反復法
5.3.1 一般論
5.3.2 チェビシェフの多項式を使う反復法
5.4 交互方向陰的反復法
5.5 パーデ近似を利用する方法
5.6 有限フーリエ変換法で導かれた階差式に対する反復法
5.6.1 流れを消去した式
5.6.2 非均質体系の場合
6. 離散座標方程式
6.1 1次元板状体系
6.2 ウィック・チャンドラセカー方程式
6.3 1次元球体系
6.4 2次元x-y座標
6.5 射線効果
6.6 半離散座標方程式
7. 衝突確率法
7.1 衝突確率
7.2 境界からの入射確率
7.3 孤立系での衝突確率
7.4 多領域系の衝突確率
7.4.1 平板多領域系
7.4.2 円柱多領域系
7.4.3 任意形状の2次元柱状体系
7.5 格子系の衝突確率
7.5.1 格子系の脱出確率
7.5.2 円柱化セル近似
7.5.3 セル外側境界での等方反射近似
7.5.4 等方入射近似
7.5.5 SRACコード
7.5.6 サーモスコード
7.6 弦法
7.7 ダンコフ補正
7.8 脱出確率およびダンコフ係数の近似式
7.9 衝突確率の有理近似の改善
7.9.1 孤立系の衝突確率の有利近似
7.9.2 格子系での有理近似
8. 中性子の減速
8.1 弾性散乱による減速
8.2 積分型の減速の式
8.3 微分型の減速の式
8.4 群定数の縮約
8.4.1 1点炉の場合
8.4.2 空間依存の場合
9. 共鳴吸収
9.1 共鳴断面積のドップラー効果
9.2 水素と無限大の質量の吸収物質
9.3 NRおよびWR近似
9.3.1 NR近似
9.3.2 WR近似
9.3.3 共鳴を逃れる確率の温度依存性
9.3.4 共鳴断面積の長方形近似
9.3.5 自己遮蔽因子
9.4 中間共鳴近似
9.4.1 減速材原子に対するNR近似
9.4.2 吸収材原子に対するIR近似
9.5 干渉散乱と減速材へのIR近似
9.5.1 温度を無視した場合
9.5.2 温度を考慮した場合
9.6 非均質系のIR近似
9.7 非均質系の共鳴吸収の数値的な取り扱い
9.8 多領域系の共鳴吸収
9.9 多領域系の共鳴吸収,東稔の方法
10. 摂動論,変分法および重要度関数
10.1 摂動論
10.1.1 拡散方程式による反応度
10.1.2 輸送理論による反応度
10.1.3 核分裂スペクトルの核種依存性などの補正
10.1.4 臨界係数の空間メッシュ効果の補正
10.1.5 制御棒の最適配置
10.2 最小臨界質量
10.3 変分法
10.3.1 一般論
10.3.2 積分量の空間メッシュ効果の補正
10.4 感度解析
10.5 結合炉
10.5.1 定常状態の場合
10.5.2 時間依存の場合
10.6 中性子寿命および中性子生成時間
10.6.1 動特性方程式のパラメータl
10.6.2 簡単な例
11. モンテカルロ法
11.1 乱数
11.2 確率密度関数および累積確率分布関数
11.3 期待値および分散
11.4 衝突回数,中性子束および流れ
11.4.1 平均中性子束
11.4.2 分散低減法
11.5 積分型衝突密度方程式
11.6 散乱がある場合の期待値および分散
11.6.1 全事象評価
11.6.2 期待値〈J〉を求めるための積分方程式
11.6.3 二乗期待値〈J2〉を求めるための積分方程式
11.6.4 最終事象評価
11.7 散乱がある場合の分散低減法
11.7.1 期待値〈J〉を求めるための積分方程式
11.7.2 二乗期待値〈J2〉を求めるための積分方程式
11.7.3 衝突密度偏倚法
11.7.4 簡単な体系の例
11.7.5 数値計算例
A クレプシュ・ゴルドン係数
B フーリエ変換
C 解析的延長について
D パーデ近似
E 第9章の4および5節で使われる定積分