コンクリート構造学

土木・環境系コアテキストシリーズ B-3

コンクリート構造学

鉄筋コンクリート構造について,設計の考え方の体得を目的に,許容応力度設計法,終局強度設計法に加え,限界状態設計法も解説

ジャンル
発行年月日
2012/04/25
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-05613-6
コンクリート構造学
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鉄筋コンクリート構造について,設計の基本的考え方が身に付くことを目的に,許容応力度設計法,終局強度設計法に加え,今後,設計思想の合理性,経済設計への志向から主流になると考えられる限界状態設計法についても解説した。

1章 コンクリート構造の基本
1.1 コンクリート構造の種類
1.1.1 コンクリート構造の分類
1.1.2 コンクリートと鋼材の役割  
1.2 コンクリート構造の特徴  
1.2.1 コンクリート構造の成立条件  
1.2.2 コンクリート構造の長所および短所  
1.2.3 設計法の変遷  
演習問題  

2章 材料の性質
2.1 コンクリート  
2.1.1 強度の特性値  
2.1.2 強度の設計用値(設計強度)  
2.1.3 応力-ひずみ関係  
2.1.4 コンクリートの諸性質  
2.2 鋼材  
2.2.1 鉄筋  
2.2.2 PC鋼材  
演習問題

3章 限界状態設計法
3.1 設計の原則  
3.2 設計耐用期間 
3.3 特性値および修正係数 
3.4 材料強度と荷重の設計値
3.5 安全係数  
3.6 安全性の照査  
演習問題

4章 曲げを受ける部材の耐力
4.1 曲げ部材の変形挙動 
4.2 曲げ破壊機構
4.3 耐力算定における設計上の仮定
4.4 曲げ耐力の算定
4.4.1 等価応力ブロック
4.4.2 単鉄筋長方形断面
4.4.3 複鉄筋長方形断面
4.4.4 T形断面
4.5 安全性の照査  
演習問題

5章 軸圧縮力を受ける部材の耐力
5.1 軸圧縮力のみを受ける柱部材  
5.1.1 横補強筋の種類と効果  
5.1.2 中心軸圧縮力を受ける柱部材の耐力  
5.2 偏心軸圧縮力を受ける部材  
5.2.1 偏心軸圧縮力を受ける部材の耐力  
5.2.2 軸圧縮耐力と曲げ耐力の相互作用図  
5.2.3 曲げと軸圧縮力を受ける部材の安全性照査  
演習問題

6章 せん断力を受ける部材の耐力
6.1 はり部材に生じる応力と耐荷機構  
6.1.1 せん断応力  
6.1.2 はり部材の破壊形式  
6.2 棒部材のせん断補強
6.2.1 せん断補強鉄筋がある場合の耐荷機構  
6.2.2 棒部材の設計せん断耐力  
6.2.3 せん断補強鉄筋の配置に関する設計規定  
6.3 面部材の押抜きせん断  
6.3.1 押抜きせん断破壊機構  
6.3.2 押抜きせん断耐力の算定  
演習問題

7章 ねじりを受ける部材の耐力
7.1 ねじりひび割れ  
7.1.1 ねじりせん断応力  
7.1.2 ねじりを受ける鉄筋コンクリートはり部材の挙動  
7.2 ねじりに対する設計の基本事項  
7.3 純ねじりに対する耐力算定式  
7.3.1 ねじり補強鉄筋のない部材  
7.3.2 ねじり補強鉄筋のある部材  
演習問題  

8章 使用性の検討
8.1 環境条件の区分およびひび割れ幅の限界値 
8.2 応力の算定  
8.2.1 曲げ応力の算定  
8.2.2 せん断応力の算定  
8.2.3 付着応力の算定  
8.3 ひび割れ幅の検討
8.3.1 曲げモーメントによるひび割れの検討 
8.3.2 せん断ひび割れの検討
8.3.3 水密性と許容ひび割れ幅
8.4 変位・変形の検討
演習問題

9章 繰返し荷重を受ける部材の検討
9.1 繰返し荷重
9.1.1 荷重の種類
9.1.2 疲労破壊に対する照査
9.1.3 変動応力
9.2 疲労破壊
9.2.1 疲労限界  
9.2.2 グッドマン図
9.3 設計疲労強度
9.3.1 コンクリートの設計疲労強度
9.3.2 鉄筋の設計疲労強度
9.4 疲労破壊の検討方法
9.4.1 マイナー則  
9.4.2 等価繰返し回数
演習問題

10章 一般構造細目
10.1 かぶり
10.1.1 かぶりの最小値
10.1.2 かぶりに関する補足
10.2 鉄筋のあき
10.3 鉄筋の配置
10.3.1 軸方向鉄筋の配置
10.3.2 横方向鉄筋の配置
10.4 鉄筋の曲げ形状
10.5 鉄筋の定着
10.5.1 軸方向鉄筋の定着
10.5.2 横方向鉄筋の定着
10.6 鉄筋の継手
10.7 はりまたは柱の配筋
10.7.1 はりの配筋
10.7.2 帯鉄筋柱の配筋
演習問題

11章 プレストレストコンクリート
11.1 プレストレストコンクリートの分類
11.2 材料
11.3 定着方法
11.4 プレストレス力の算定
11.4.1 導入直後のプレストレス力
11.4.2 設計荷重作用時の有効プレストレス力
11.5 安全性に関する照査
11.5.1 曲げに対する検討
11.5.2 せん断に対する検討
11.6 使用性に関する照査
11.6.1 曲げに対する検討
11.6.2 せん断に対する検討
演習問題

12章 許容応力度設計法
12.1 許容応力度
12.1.1 コンクリート
12.1.2 鉄筋  
12.1.3 許容応力度の割増  
12.2 曲げ部材の設計  
12.2.1 計算上の基本仮定  
12.2.2 長方形断面  
12.2.3 T形断面  
12.3 せん断応力の検討  
12.3.1 せん断応力の計算  
12.3.2 斜め引張鉄筋の計算  
演習問題  

13章 耐震設計法
13.1 コンクリート構造物の地震時挙動
13.2 骨格曲線
13.3 復元力特性  
13.4 設計地震動と耐震性能 
13.4.1 地震動の種類  
13.4.2 応答スペクトル 
13.4.3 耐震性能の照査
13.5 耐震設計法  
13.5.1 震度法と修正震度法  
13.5.2 地震時保有水平耐力法
13.5.3 構造モデル
演習問題

付録
引用・参考文献  
演習問題解答  
索引  

掲載日:2023/09/29

土木学会誌2023年10月号広告

掲載日:2022/11/01

「土木学会誌」2022年11月号

掲載日:2021/11/01

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掲載日:2020/10/30

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掲載日:2019/11/15

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★宇治先生からのメッセージ★

コンクリート構造は、社会インフラの建設に欠かすことができません。建設コンサルタントの設計者、建設会社の設計部門・施工部門の技術者はもとより、発注元となる行政機関や道路・鉄道等施設の管理運営会社の技術者であっても、コンクリート構造物の設計上の仮定や力学的原理を理解していなければ、安全に、かつ長期間、コンクリート構造物を供用していくことは不可能です。世の中、分業による効率化が進み、工程ごとに作業は分担して行われていますが、それぞれの技術者が、それぞれの立場・段階で、適切な設計がなされていることを確認しなければなりません。例えば、発注者であっても設計ができる(理解できる)能力を有していなければ最終段階でのチェック機能が働きません。そこで本書は、発注者、受注者、すべてに読んで貰うことを意識し、設計手法として広く社会に普及している、許容応力度設計法と限界状態設計法の2つを取り上げています。昭和初期に基本的な設計法が確立してから現在まで広く用いられている許容応力度設計法は、材料の弾性域を前提にして計算するので、計算が比較的容易で、これまでの歴史もあります。一方、限界状態設計法は、1986年に土木学会のコンクリート標準示方書に取り込まれてから30年ほど経ちますが、より合理的・経済的設計が可能となる反面、細分化した安全係数の考え方や性能照査の導入などが煩雑であると思われがちで、なかなか許容応力度設計法に取って代わるまでには至っていません。それでも、変化は着実に進んでいます。将来的に限界状態設計法が主流になることを想定しつつ、これら2つの設計法の特徴を若手技術者にはしっかり理解しておいて貰わないといけません。本書では、両設計法を比較しながらそれぞれの特徴を理解して貰う部分(章)と、それぞれの設計法を一連の流れで理解して貰う部分とに分けて説明しています。コンクリート構造物の曲げやせん断が作用する時の設計手法、ならびにそれらの破壊を防止し安全性を確保するための方法を、例題とともに学ぶ内容となっています。限界状態設計法を勉強すると聞くと、一歩引いてしまいがちですが、許容応力度設計法の延長線上に限界状態設計法はあります。構造力学や材料力学で学んだ知識に、設計上の仮定や設計のルールを合体させ、独創的なコンクリート構造物をも設計できる技術者が多く育ってくれれば嬉しいです。