基礎 電気回路
「電気回路は直流の“オームの法則”にはじまり，交流の複雑な回路の“オームの法則”に終わる」との著者の考えに基づいて順をおって有機的に組み立てた。
- 発行年月日
- 2015/02/25
- 判型
- A5
- ページ数
- 240ページ
- ISBN
- 978-4-339-00873-9
- 内容紹介
- まえがき
- 目次
本書は，株式会社昭晃堂から発行されていた「基礎電気回路」（ISBN978-4-7856-1075-3）を，コロナ社が継続して発行したものである。
序文
本書“基礎電気回路"は大学低学年電気関連工学科の学生，電気関連工学以外の高学年の学生，高等専門学校の学生を対象として書かれたものである.
“電気回路"はいまや電気系学生のみならず，他の工学科学生の必須科目でもある. それ故現在まで多くの著書が出版され，多くの良書がある. それにもかかわらず本書を書く気になったのは，従来の成書はあまりに多くをもりこんでいて，上記の学生諸君が，何がEssentialであるかつかみにくいのではないであろうかと感じたからである.
著者はこれまでに東京工大の電気以外の学生と高等専門学校の学生に10年余り“基礎電気回路"を講義してきた. その経験を基にして，本書の構想をねりあげた.
電気回路は直流の“オームの法則"にはじまり，交流の複雑な回路の“オームの法則"に終わると著者は考えている. そのような考えに基づき，第0章から第9章まで順をおって有機的に組み立てたつもりである.
本書の内容を完全に理解すれば“電気回路"の基礎は十分に習得しえたといえると信じている. より専門的学科目を学んでゆく上にも不自由は感じないであろう.
“電気回路"の成書の多くは，公式や数式の羅列であると感じられでもいたしかたがない書き方をしているが，本書では電気工学，電気回路学上での歴史的発見，発明に対して，先人の苦労をしのんでエピソード的な説明を加えることで，内容にうるおいをもたらすと共に，読者諸君がますます“電気関連工学"に興味をおぼえるように心がけた.
また演習問題および詳細な解答をつけ加えることによって学習効果が上がるようにもしている.
本書を書くにあたって，著者が勉強した多くの書の著者に感謝の意を表わします.
またこの本の出版にあたってお世話になった昭晃堂の阿井社長，編集部の佐々木さんにお礼を申しのべます.
昭和51年7月
東京，大岡山にて
内藤喜之
本書を発行していた昭晃堂が2014年6月に解散したことに伴い，この度，コロナ社より継続出版することになりました. 昭晃堂にて昭和51年9月の1刷発行から45刷までに至っておりますが引き続き多くの方にご拝読いただき役に立つならば，出版社としてごの上ない喜びです.
2014年12月
コロナ社
0．対象とする波形と回路
0.1 取り扱う時間波形
0.2 取り扱い電気回路
問題
1．直流回路
1.1 直流電源，オームの法則
1.2 抵抗の接続（直列，並列，直並列）
1.3 キルヒホッフの法則
1.4 重ねの理
1.5 直流電力，整合
問題
2．正弦波交流と回路素子
2.1 正弦波交流と複素表示
2.2 回路素子の性質
2.3 簡単な交流回路の複素数による計算
2.4 交流電力
問題
3．正弦波交流回路
3.1 インピーダンスZ，アドミタンスY
3.2 直列共振回路と並列共振回路
3.3 相互誘導回路，理想トランス
3.4 整合回路
3.5 ブリッジ回路
3.6 フィルタ
問題
4．一般回路の定理
4.1 重ねの理
4.2 鳳-テブナンの定理
4.3 ノートンの定理
4.4 補償の定理
4.5 可逆の理
4.6 双対の理
4.7 逆回路
4.8 定抵抗回路
4.9 定電流回路と定電圧回路
4.10 Y-Δ変換
問題
5．周波数（正弦波以外の）の取り扱い
5.1 非正弦波周期波形とフーリエ級数
5.2 電気回路とフーリエ級数
問題
6．過渡現象
6.1 回路と微分方程式
6.2 初期条件
6.3 簡単な回路の過渡現象
問題
7．フーリエ変換とラプラス変換
7.1 フーリエ変換
7.2 フーリエ変換と回路
7.3 ラプラス変換
7.4 ラプラス変換と回路
問題
8．分布定数回路
8.1 分布定数回路の基本式
8.2 基本式の解（波動）
8.3 反射係数，インピーダンス
8.4 定在波分布
8.5 スミスチャート
8.6 インピーダンス
8.7 整合回路
問題
9．回路の表現形式
9.1 はじめに
9.2 4端子回路
9.3 （Z）行列，（Y）行列
9.4 （F）行列
問題
問題解答
あとがき，参考文献
用語の英語
索引
