2025
12/11
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スワーム制御とは?
スワーム制御とは
多数のロボットが「群れ」として協調する分散型制御の考え方
スワーム制御(Swarm Control)とは、
多数の個体が、中央の司令塔なしに分散的に協調しながら目的を達成する制御方式のことです。
アリやハチ、鳥の群れなどの自然界の「群れ(スワーム)」のふるまいから着想を得た手法で、各個体は簡単なルールで動くだけですが、全体として見ると複雑で賢い動きが現れます。
スワーム制御の基本的な考え方
1. 群れモデル(ボイドモデル)
各個体は次のような簡単なルールで動作します。
- 仲間に近づきすぎたら離れる
- 周囲の仲間に近づくと同じ方向に進む
こうした単純なルールの組み合わせから、群れ全体としての複雑なふるまいが生まれます。
2. ローカル情報を利用
各個体は自分の近くの情報に基づいて行動を決めます。具体的には、次のような情報です。
- 近くにいる仲間の位置や速度
- 近くの障害物や壁の位置
- ターゲット(目的地・観測対象など)までのおおよその方向
全体の地図や全ロボットの情報を常に把握する必要がないため、システムが大規模になっても扱いやすいという特徴があります。
3. 司令塔を持たない「分散制御」
スワーム制御では、全体の行動を決める中央コンピュータ(リーダー)は存在しません。各ロボットが自律的に判断し、その総和として群れ全体のふるまいが決まります。
このように、個々の単純なルールの結果として、全体としての複雑なふるまいが現れる現象を「創発(emergence)」と呼びます。
スワーム制御が使われる主な分野
スワーム制御の考え方は、さまざまな分野で応用が進んでいます。
- ドローン群の制御
災害現場での被災状況の把握、捜索・救助、映像撮影、ドローンショーなど。 - 倉庫ロボットの協調搬送
物流倉庫内で、多数の搬送ロボットがぶつからないように協調しながら商品を運搬。 - 警備・監視ロボット
ビルや施設内を複数ロボットが分担して巡回し、死角を減らす。 - 農業ロボット
田畑や果樹園で、複数のロボットが協力して草刈り、散布、収穫などを行う。 - 海・空・宇宙の観測
多数の小型ロボットや観測機器を使って、広い範囲のデータを同時に集める。
スワーム制御の特徴
- 頑健性(ロバスト性)が高い
一部のロボットが故障しても、他のロボットが補うことでシステム全体としての機能を維持しやすくなります。 - スケーラビリティに優れる
ロボットの台数が増減しても、基本ルールは変わらないため、大規模なシステムでも扱いやすいのが特徴です。 - 分散制御によるリアルタイム性
各ロボットが自分で判断するため、中央サーバの混雑を待たずにその場で素早く反応できます。








