2020
05/22

実データ(csv)で学べるマーケティング書籍

実データで体験する ビッグデータ活用マーケティング・サイエンス- はじめてでもわかる「R」によるデータ分析 -』では,著者が研究を通して集めたマーケティングにかかわるビッグデータ(実データ)を提供しているため,実データをもとに読者自らRを用いて様々な分析手法やその解釈について学ぶことができます。なお,提供の実データは読者の学習しやすさを考えて一部加工されています。

ここでは,本書でどういった実データを扱っているかを紹介します。

実データは書籍ページからダウンロードしてご使用いただけます。


1章 マーケティングにおけるデータ解析の基礎

1章ではマーケティングにおける統計的考え方とRの基本的な使い方を学ぶことを目的として,次の実データを使用した学習を行います。以降,下線部のものがcsvで提供される実データです。

【例,例題】

  • 年収データ:Rの使い方,データの読み込みや変数の抽出,基本統計量の算出
  • 身長と体重のデータ:相関関係
  • 年間売上データ(売上額,店舗面積):基本統計量の算出,比較,Welchの検定


【課 題】

  • 鞄の購入金額データ(鞄の種類,購入金額,購入者の性別):平均や分散などの基本統計量により分類・検討,平均値の差の検定などを行う
  • 年間売上データ(売上額,店舗面積,駐車台数,地域情報(小売業・卸業・飲食業水準,年齢層,競合店,人口密度,世帯当人,昼夜間人口,1~3次構造の比率,一人小売額,乗用車保有率,学校・郵便局・病院・銀行・路線数)):各変数との相関関係を検討,分布の特徴を検討


2章 商圏と売上予測

2章では主成分分析による商圏の分析や重回帰分析による売上予測のため,次の実データを使用した学習を行います。

【例,例題】

  • 成績データ(国語,算数,理科,社会):主成分分析による考察を行う
  • 7月のビール売上データ(日付,気温,人数,売上):重回帰分析により気温状況による売上予測を行う
  • 東京23区のデータ(世帯数,人口,就業所数,昼間人口,平均所得,人口密度,毎月人口):主成分分析により23区の特徴を分析,重回帰分析により飲食店数を予測するモデルの作成を行う


【課 題】

  • 地域の特徴データ(小売業・卸業・飲食業水準,年齢層,競合店,人口密度,世帯当人,昼夜間人口,1~3次産業の比率,一人小売額,乗用車保有率,学校・郵便局・病院・銀行・路線数):主成分分析により地域の特徴を分析する
  • 東京23区のデータ(面積,事業所数(総数),種々の業種の事業所数):データをもとに飲食店数の予測数モデルを構築する


3章 店頭マーケティング(セールスプロモーション)

3章では顧客情報やPOSデータの分析方法を学び,顧客の購買傾向や店舗評価の把握のため,次の実データを使用した学習を行います。

【例,例題】

  • 消費者の購買に関するアンケートデータ:主成分分析により消費者価値観を分析する
  • 既婚女性の結婚に関するアンケートデータ:クラスター分析により結婚観を分類,判別分析による考察
  • 各自動車企業の代表車種に関するイメージ調査データ:対応分析により評価の特徴を分類する
  • レシートデータ(時刻,商品分類,商品名,数量,販売売上):トランザクションデータを用いた同時購入商品の分析,アソシエーション分析
  • レストランを利用した顧客へのアンケートデータ:構造方程式モデリングにより再来店の意思につながる構造を検討
  • 地域情報データ(年齢構成比,人口密度,昼夜間人口比,1~3次産業の比率):地域のクラスター分析を行い,さらに対応分析を行って各クラスターの特徴を分析
  • 顧客へのアンケートデータ:共分散構造分析により顧客満足度と再来店の意思,ポイントサービス,駅の近さなどの関係を検討


【課 題】

  • 東京23区の事業所数一覧データ(事業所数(総数),種々の業種の事業所数):クラスター分析により,23区の特徴を導く
  • 顧客別店舗満足度評価データ(性別,年齢,様々な評価項目):対応分析により,顧客の特徴による評価の違いを検討する
  • 学習塾満足度評価データ(性別,希望達成,様々な評価項目):共分散構造分析により,潜在変数の関係を示すモデルを検討する


4章 マーチャンダイジング

4章では顧客のニーズへ対応するため,市場の細分化やターゲットの絞込み,自社の立ちについての分析(STP分析)に関連したデータ分析のため,次の実データを使用した学習を行います。

【例,例題】

  • 旅行プランのプラン要素と顧客の嗜好調査データ:コンジョイント分析により旅行プランの評価を行う
  • 顧客がよく行くコーヒーショップの選定基準の調査データ:対応分析により店舗を選ぶ基準やブランド意識を検討
  • 顧客が飲食店の選定基準の調査データ:決定木分析により性別の判定に試みる
  • 出店レストランの検討案(価格帯,メニュー,雰囲気,場所)と出店地域の住民のアンケートデータ:コンジョイント分析により出店レストランの検討を行う
  • 国別のブランド製品に対する考え方の調査データ:対応分析により国別のブランドの考え方の特徴を検討する
  • ファッションに関する顧客の嗜好調査データ:決定木分析により顧客の嗜好と性別に関するモデル構築を行う


【課 題】

  • どのような住まい・生活を望んでいるかの調査データ:コンジョイント分析により考察を行う
  • 学生のタイプ(成績や特徴)と卒業後の希望進路データ:学生のタイプと希望進路との関係の特徴を考察する
  • 糖尿病状況と,健康に関して気を付けている事柄についての調査データ:決定木分析により糖尿病患者とそうでない人について,健康に対する生活での取組みの関係を分析する


5章 Webマーケティング

5章ではインターネット上の記事や口コミ,自由記述のアンケート文などのテキストマイニングによる定量的分析のため,次の実データを使用した学習を行います。

【例,例題】

  • ある店舗の来店客の自由記述によるアンケートのコメント文:Rによるテキストマイニングによりコメントからの店舗の評価を分析する
  • あるスーパーの休日のレシートデータ(商品名):テキストマイニング(トピック分析)により商品名から売れ筋商品の特徴を分析する


【課 題】

  • 郊外のレストランでのアンケート中の自由意見のコメント文:トピック分析により好評か不評かなどの分析を行う

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