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トランスクリプトーム解析

バイオインフォマティクスシリーズ 6

トランスクリプトーム解析

トランスクリプトーム解析の原理を体系的にまとめ,基盤となる基礎的なアルゴリズムや理論を,本質を押さえながら可能な限り簡略化して説明した。また,確率モデルの式変形などを,途中経過も含め丁寧な説明を心がけた。

発行年月日
2025/04/25
定価
3,960(本体3,600円+税)
ISBN
978-4-339-02736-5
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 moonbow 様(業界・専門分野:バイオインフォマティクス、統計学)】

掲載日:2025/04/21

本書は、バイオインフォマティクスに取り組みたい初学者や、バイオ系の研究者と共同研究を行いたい情報系の方におすすめの一冊です。内容が非常に体系的に整理されており、理解しやすい構成になっています。
第1章では分子生物学の基礎について概略を把握でき、第2章以降ではトランスクリプトーム解析における計測・推定に関するトピックが展開されます。
特に興味深かったのは、第4章の発現量の定義、第7章の次元圧縮、第8章のクラスタリングです。第7章と第8章は私の専門分野に近いため特に印象に残りましたが、第4章も非常に示唆に富んでいます。第4章では、mRNAから得られるリードに確率分布を仮定して遺伝子発現量を定量化するアプローチが解説されており、生命科学における統計学の応用事例としても大変参考になります。
また、本書で言及されている「ゲノム配列情報解析」や「生物ネットワーク解析」など、同シリーズの他の書籍とあわせて読むことで、より深い理解が得られそうです。

読者モニターレビュー【 き 様(業界・専門分野:農学、分子生物学 )】

掲載日:2025/04/21

本書はゲノムやRNA-seqなどの基本的な分子生物学の知識から、空間トランスクリプトームやゲノム編集を応用した近代的な技術まで、幅広く記述されていた。トランスクリプトーム解析全般に関して、基礎から学ぶことができ、難解な部分は何章か前に戻って学習できた。
最先端の実験手法や解析は直近の論文を参照し、本書で全体像を掴むという学習法が適切だと思った。バイオインフォマティクス分野は、まだ和書が少ないため貴重な学習機会を得ることができた。参考文献は章ごとにまとめられていると、その論文にヒットしやすく速やかに知識を補えると感じた。