レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

機械学習のための数学

機械学習のための数学

機械学習を理解するためには「数学」が必要である。本書では,理工系の大学2年生程度の知識をもつ人を想定し,機械学習関連の論文を読み解くために必要となる数学を学ぶことができる構成となっている。

発行年月日
2024/08/26
定価
3,520(本体3,200円+税)
ISBN
978-4-339-06132-1
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

読者モニターレビュー【 momiji_fullmoon 様(業界・専門分野:AI,コンピュータビジョン,3次元データ)】

掲載日:2024/11/01

本書は、ICMLやNeurIPSなどの機械学習の理論系の論文を読み解くために不可欠な数学的知識が体系的にまとめられており、特に線形代数、解析幾何、確率論、最適化といった幅広い基礎知識が丁寧に解説されている点に感銘を受けました。
また、連続最適化を理解するために集合論理から丁寧に積み上げていくアプローチは貴重であり、他書では得られない深い理解が促されます。数学の基礎から理論的な知見を積み重ねていくことで、実際の機械学習への応用における数学的な裏付けを体系的に学べる一冊だと感じました。

読者モニターレビュー【 くりぽん 様(業界・専門分野:情報)】

掲載日:2024/10/17

この本では、最終章の「機械学習と最適化」を理解するための数学的道具が第1章から書かれています。各章において、最初に定義が書かれ、その後に命題や定理が書かれるような数学書のスタイルとなっています。それゆえ、コンパクトながらも厳密な理解の助けになる一方で、そのことが数学的議論に慣れていない人にとって読みづらさに繋がるため、独学をする場合には別の本で補う必要があるかもしれません。

私はこの本で初めて機械学習を学びました。まずニューラルネットワークが何なのかが述べられ、その後に経験損失関数の最小化問題を解くための勾配降下法が書かれ、その問題点から改善案として確率的勾配降下法という流れでした。証明を必死に追いながらでしたが、機械学習周辺の分野が何をしてるのかなんとなく掴めた感じがしました。今後のために愛読させていただきたいと思います。

読者モニターレビュー【 通りすがりのおばけ 様(業界・専門分野:深層学習,数学)】

掲載日:2024/08/27

本書は、人工知能の中でも特に深層学習に焦点を当て、それに関連する大学1、2年生レベルの数学が丁寧に解説されていました。最後に機械学習の章があり、読者が数学的な基盤をしっかりと身につけた上で、深層学習の概念を理解できるよう配慮されています。個人的に、機械学習の章で紹介されている定理や命題に触れることで、深層学習を新たな視点から学ぶ機会を得ることができたと感じます。一般的な深層学習の書籍は、アーキテクチャーを図示し、簡略化された数式で概念を説明することが多いですが、本書では必要な前提を数学的に掘り下げ、その基礎からしっかりと理解を促すアプローチが取られているため、曖昧さを感じることなく読み進めることができました。一方で、数式ベースでの解説は非常に丁寧である反面、その大変さや証明の難しさを感じました。なので、数学に興味があり、かつ深層学習の本質を理解したいと考える方にとって、本書は非常に価値のある一冊と言えると思います!興味のある方は、ぜひ手に取ってみてください。