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Pythonで学ぶ暗号理論

Pythonで学ぶ暗号理論

暗号理論の解説に加え,差分解読法・線形解読法,ハッシュ関数の解析,RSA 暗号に対する攻撃等を体験できる Python プログラムを提供。理論だけでは実感が湧きにくい暗号の仕組みを,プログラムを動かしながら学ぶ。

発行年月日
2024/10/15
定価
3,850(本体3,500円+税)
ISBN
978-4-339-02946-8
在庫あり

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読者モニターレビュー【 miya 様(業界・専門分野:情報系)】

掲載日:2024/10/31

暗号技術は現代のネット社会を支える根幹技術のうちのひとつである。
情報処理技術者試験でも、ここで取り上げられる
・共通鍵暗号方式
・公開鍵暗号方式
・ハッシュ関数
などが出題される。しかし、具体的な仕組み(特に数学的なバックボーン)については学ぶことなく、表面的な知識やライブラリとして提供されているものを実装して「わかった気分」になっていることが多い(情報処理試験でも出題者がそこまで理解してないのではないかと思われるケースが連続している)。

数学的な部分に関しては、基本になる素数に対する知識からモジュラー算術、楕円曲線など素養がないとハードルが高いと感じる部分はある。
しかし、個人情報を守るために使われる暗号技術がランサムウェアとして悪用されること、ランサムウェアを調査して暗号化されたファイルを復元する技術が必要とされることを鑑みても、具体的なPythonのソースコードからどのように実装されているかが見られることは、とても勉強になる部分である。
プログラマ視線で見ても、数式をどのようにソースコードに落とし込むかはプログラマの技量を問われる部分であるので、サンプルコードがあることはとても大きな財産である。

最後に、本書の内容がランサムウェアとして使われるのではなくランサムウェア攻略の糸口になる方向で役立ててもらえることを期待したい。

読者モニターレビュー【 東野 利貴 様 一般社団法人学生自主研究 推進機構(業界・専門分野:脳情報・心理物理)】

掲載日:2024/10/16

昨今では情報社会では必要不可欠になった暗号技術について体系的に学ぶことのできる1冊である。暗号とはどのようなものかを基礎から学ぶことができ、どのように暗号化されるのかを図や文章で説明しているだけはなく、数学的な計算にも基づいて説明している。また、その数学的な計算に基づいて、Pythonのサンプルコードも示されており、実際に手を動かしながら暗号技術の挙動を確認できる構成となっている。暗号技術について基礎的な知識、理論、数学に基づいた解説、それらを実際にPythonで挙動を確認できる体系的な1冊となっている書籍である。