レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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スマリヤンのパズルなど親しみやすい日常的推論の例を多数掲載。論理の構文論的側面と意味論的側面の違いおよびその関係性への理解を深めることで,物事の本質をつかみ記号化する力,論理的に証明する力を身につけることを目指す。
- 発行年月日
- 2022/03/25
- 定価
- 2,860円(本体2,600円+税)
- ISBN
- 978-4-339-02923-9
レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
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読者モニターレビュー【 やまけー 様(ご専門:数学)】
掲載日:2022/03/24
本書はタイトルにあるように数理パズルを題材に論理学を学習するための書籍である。
準備としては、大学低学年で扱う集合と写像の知識があればよく、意欲的な高校生であれば高校で集合を勉強していると第1章でからしっかり読み込むことで対応可能である。
論理学という性質上、数式も多く記載されているが行間が少なく筆者の説明も丁寧に感じた。
全体的に数理パズルを題材にしているため全体的に楽しく読めるかなと感じた。
また、自分も含め論理学を苦手としている方が多いが最初の1冊として読むのには適していると感じた。
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読者モニターレビュー【あめ色玉ねぎ 様(ご専門:システム工学)】
掲載日:2022/03/14
本書は、大学に入学したての理系学生や、日常で数学を使うことの少ない文系学生をはじめとした、初学者でも読みやすい入門書である。
導入は簡潔な用語の定義から始まり、読み進める途中で用語がわからなくなっても、すぐに読み返して確認できるようになっているのが大変ありがたい。序盤は高校数学の知識があれば理解できるような簡単な数理パズルを用いて記号化に慣れ親しむところから始まり、徐々に複雑な内容へと移行していくため段階的に理解することができる。全編を通して、数式ばかりでなく言葉での解説も丁寧であるため、数学に馴染みがなくとも読みやすい。また、図や表による補足の説明も随所にあるため、視覚的に理解が深まる。
論理学の考え方は慣れるのに苦労することが多く、学び始めに良き入門書と出会うことがその後の理解のスピードを左右すると言っても過言でない。かく言う自分自身も、大学入学してすぐの春に論理学の授業で頭を悩ませていた。本書は、そんな当時の自分に送りたいと思える一冊であった。