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Pythonと実例で学ぶ微分方程式 - はりの方程式から感染症の数理モデルまで -

Pythonと実例で学ぶ微分方程式 - はりの方程式から感染症の数理モデルまで -

本書は,豊富な例題や章末問題(100問)から,微分方程式の標準的な解法や,微分方程式が現実問題にどのように応用されるかを理解するとともに,Python を活用して現実問題を解けるようになることを目的としている。

発行年月日
2021/10/22
定価
3,520(本体3,200円+税)
ISBN
978-4-339-06123-9
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

「電子情報通信学会誌」105巻,8号,2022/8/1,785頁,copyright(c)2021 IEICE

「電子情報通信学会誌」105巻,8号,2022/8/1,785頁,copyright(c)2021 IEICE

掲載日:2022/09/05

amazonレビュー978-4-339-06123-9 Pythonと実例で学ぶ微分方程式 - はりの方程式から感染症の数理モデルまで -

掲載日:2022/01/20

読者モニターレビュー【 小林 将大 様(ご専門:統計的機械学習 )】

掲載日:2021/11/04

本書の優れている点として,理論的な説明・現実への適用事例・Pythonでのハンズオンの3つのバランスがあげられると思います.まず理論的な説明を行い,実際の現象の例を用いてその理論の感覚的な理解を促し,最後にその理論の適用可能な問題を計算機で解く,という流れが非常に鮮やかです.理論解説における数式展開もかなり細かく行われており,「数式展開が分からなくてつまづく」という数学書の独学でよく遭遇する問題にも適切に対処されていると思います.理論的な説明が理解しきれなくとも,コードを書いたりその出力結果を可視化するなど,実際に手を動かすことで理解が進む,という多面的な学習も 可能であると感じました.そのため,私のような微分方程式の初学者であっても.難なく本書を読み進めることが可能です.
加えて本書は,理論解説の後に設置される例題や章末問題が非常に豊富であり,実践的な問題集でもあると感じました.そのため,独学で微分方程式を学ばれる方でも問題演習を通して理解度を確認することができる優れた書籍だと思います.

読者モニターレビュー【 もろ 様(ご専門:情報系•電気電子系)】

掲載日:2021/10/08

「Pythonと実例で学ぶ微分方程式 -はりの方程式から感染症の数理モデルまで-」は微分方程式が我々の生活とどのようにかかわっているか知りたい学生やエンジニアに向けて書かれています。微分方程式の基礎や実用例を学ぶとともに、Pythonを用いた微分方程式の解法の書き方も学ぶことができます。

この本の注目すべき点は常微分方程式の実用例が充実していることです。私はこれまで様々な微分方程式の本や資料を読んできましたがここまで具体例が多い本は他に見たことがありません。雨水の落下速度や糸の張りといった日常的に目にするものから、せん断形構造物やトランジスタといった専門的なものまで幅広く取り上げています。加えて、それぞれに詳しく解説されたソースコードと結果が掲載されているため現象が把握しやすくなっています。また、ところどころ注釈が設けられておりその現象の補足がついているので読者の理解を助けたり、興味を引いてくれます。

逆に、この本の残念な点はPythonの基礎について説明されていないという点です。本文中に「ライブラリ」や「引数」といった言葉が出てきたり、ソースコード中では「関数」が出てきますがこれらの説明は一切ないので、あらかじめPythonの基礎知識を別の本で身に着けてから読む必要があります。

以上を踏まえると、この本は良書と言えるでしょう。私は読んでよかったと思います。