レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
-
-
本書はリレーショナルデータベースを実践的に使用できることを意図し,わかりやすい解説と豊富な実行例を掲載した教科書であり,技術書である。今回の改訂では初学者にわかりづらい副問合せと,整合性制約について加筆・修正した。
- 発行年月日
- 2020/10/15
- 定価
- 2,750円(本体2,500円+税)
- ISBN
- 978-4-339-02914-7
レビュー,書籍紹介・書評掲載情報
-
【書評】駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 グローバル・メディア学科 服部 哲 教授
掲載日:2020/11/02
大学教育での経験豊かな著者が、その経験から得た知見を踏まえて大幅に改訂した本書は、リレーショナルデータベースの基礎から応用まで丁寧かつ豊富な記述例に基づいて解説している。本書は全体を通して、対象読者に馴染みのある例を用いている。
第1章は、データベースの導入となっており、必要性と基本用語が丁寧に解説されている
第2章は、リレーショナルデータベースの基礎となっており、基本的な概念が導入される。リレーショナル代数については、非常に詳細の解説されている。データベース初学者にとっては敷居が高い高度な内容と思われるが、対象読者を考えれば、その理解は実践的にデータベースを用いたアプリケーションの開発に有益であろう。前見返しに本書で用いる例題データベースが記載されているため、参照しやすい。
第3章は、リレーショナルデータベースの設計として、2つのアプローチが解説されている。どちらも論理設計のアプローチである。テーブルの正規化は、データベースの善し悪し左右し、それはアプリケーションの使い勝手に影響する。この正規化のポイントを丁寧な説明文に加え、図解によって示しており、視覚的に表現している。
第4章は、本書で最もページ数を割いており、問合せ機能を中心に、リレーショナルデータベース言語SQLが解説されている。SQLのすべての説明において、記述例と実行例が示されているため、データベース初学者は実際にSQLを実行し、確認しながら理解を深められる内容になっている。商演算など難易度の高いものについては必要に応じて使ってみるなど、本章はそれぞれの読者レベルに応じた利用方法が可能であろう。
読者には、実際にアプリケーション作成を試みることによって、本書のタイトル「実践的基礎」に込められた意図を感じ取ってもらいたい。
-
旧版時:「シミュレーション」(日本シミュレーション学会) 2014年3月号
掲載日:2014/03/15
上記学会誌に筑波大学・佐藤哲司先生による書評が掲載されました。