レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

作って学ぶニューラルネットワーク - 機械学習の基礎から追加学習まで -

作って学ぶニューラルネットワーク - 機械学習の基礎から追加学習まで -

Pythonによるプログラミングを行いつつ人工知能、機械学習の仕組みを学ぶ。新しい技術である「追加学習」のやさしい解説を通して、現在の機械学習が抱える問題点・限界を示し、読者により深い理解をもたらすことを目指す。

発行年月日
2020/10/13
定価
2,090(本体1,900円+税)
ISBN
978-4-339-02911-6
在庫あり

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報

amazonレビュー978-4-339-02911-6 作って学ぶニューラルネットワーク - 機械学習の基礎から追加学習まで -

掲載日:2021/12/29

『電子情報通信学会誌』104巻,8号,2021/8/1,939頁,copyright(c)2021 IEICE

『電子情報通信学会誌』104巻,8号,2021/8/1,939頁,copyright(c)2021 IEICE

掲載日:2021/08/16

読者モニターレビュー【小林将大 様(大学院生,専門:自然言語処理)】

掲載日:2020/10/05

本書は,多層ニューラルネットワークモデルを追加学習させる際に発生しうる問題の1つである『破滅的忘却catastrophic forgetting)』に関して,その対処法を大きく3つ,簡潔に解説しています。

本書の特徴としては,
1. 前半で,人工知能・機械学習・ニューラルネットワークの簡単な説明
2. 後半で,『破滅的忘却』に関して,その簡潔な理論的説明と,Python(とそのライブラリであるPyTorch)を用いた実践学習
の2つが挙げられます。

ニューラルネットの追加学習に関して,全体的な視野を養いたい初学者には良い入門書として機能するのではないでしょうか。

工学書としては比較的ページ数は少なく,全体として150ページほどのボリュームで各トピックが簡潔にまとめられています。また『破滅的忘却』に関する説明では,多くの参考文献が記されているため,より専門的な知識をつけるための足がかりとして,本書を利用することも可能かと思います。

各章(第一章除く)の章末には演習問題も設定されており,簡単な回答も本書の最後に掲載されているため,独学で学習を進める際にも使用しやすいかと思います。

一方で,簡潔性の代償として,特に上記1の詳細な説明はされていませんので,そうしたトピックの専門的学習としての本書の理由は注意が必要かと思います。また,本書のPythonコードの仕様として,類書ではGoogle colaboratoryやJupyter notebook上での動作を前提として書かれているものが多い中,コマンドラインでの動作を前提としています。そうした点は,読者によってはスキルに応じて一考すべきかもしれません。

これらの点をふまえ,本書の対象読者は,大学初年度レベルの微分積分・線形代数・統計確率の知識を持ち,またPythonの基本的な文法知識のある方で,とりわけニューラルネットモデルの追加学習に興味を持っている方になるかと思います。

読者モニターレビュー【高橋亮介(仮名)様(大学院生,専門:数理科学)】

掲載日:2020/09/28

本書では,ニューラルネットの基本と追加学習について簡潔にまとめられています。

前提知識として
・微積分(偏微分),線型代数(行列の演算),確率・統計の初歩(ベイズの定理,尤度)
・Python,Numpyの基本文法
を知っているとスラスラ読むことができます。

章立ては約半分までで機械学習の導入とニューラルネットの説明をし,それ以降は,追加学習を詳細に説明しています。

おすすめポイントを2つ挙げます。
・1つ目
Pythonのコードが豊富に掲載されており,各行のコメントに加え,大局的な説明がありわかりやすいです。また,C言語と比較している箇所があるおかげで,Pythonを使うメリットが理解できました。
・2つ目
追加学習を扱う入門書は珍しく,本書の特色です。破滅的忘却が起きる理由と,その対策手法をコード付きで複数挙げています。根気よくコードを読み込めば,手法を確実に身につけることができるでしょう。