分子細胞工学

分子細胞工学

基礎編では分子細胞生物学の最新の知見と考え方を解説し,応用編では従来の領域である「細胞機能の生産的利用法」に新たに「新しい細胞機能の解析法」と「自然を育む方法論」を加えて,細胞機能の多方面にわたる利用方法を解説した。

ジャンル
発行年月日
2000/02/10
判型
A5
ページ数
200ページ
ISBN
978-4-339-06731-6
分子細胞工学
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定価

2,750(本体2,500円+税)

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基礎編では分子細胞生物学の最新の知見と考え方を解説し,応用編では従来の領域である「細胞機能の生産的利用法」に新たに「新しい細胞機能の解析法」と「自然を育む方法論」を加えて,細胞機能の多方面にわたる利用方法を解説した。

目次
Ⅰ編 細胞工学の基礎
1. 細胞工学:「領域とルール」
1.1 細胞工学の目標 3
1.2 自然界に見られる細胞工学的現象 4
1.3 「生命を理解する方法」としての細胞工学 5
1.4 「細胞機能の利用法」としての細胞工学 5
1.5 「生命を育む方法」としての細胞工学 6
1.6 細胞工学の対象 8
2. 細胞工学の基本的なルール:相補性
2.1 小さな分子レベルでの相補性 10
2.2 大きな分子同士の間に見られる相補性 12
2.3 遺伝子レベルでの相補性 14
2.4 細胞レベルでの相補性 16
2.5 生活史に見られる相補的な過程 17
Ⅱ編 細胞工学のための細胞生物学
3. 生命の基本的形式
3.1 生きていることの指標 20
3.1.1 斉一性 20
3.1.2 多くの生命現象はプログラム化されている 21
3.1.3 生長する 21
3.1.4 生殖能力がある 23
3.1.5 進化する 23
3.2 遺伝情報と細胞機能の発現 24
3.2.1 核酸の発見 24
3.2.2 核酸の基本構造 25
3.2.3 遺伝現象とDNAの構造 26
3.2.4 DNAの複製 27
3.2.5 タンパク質の構造解析 28
3.2.6 遺伝現象の鍵:DNAとタンパク質の関係 29
3.2.7 転写:DNAからRNAへ 29
3.2.8 翻訳:塩基配列からアミノ酸配列へ 30
3.2.9 tRNA:コドンとアミノ酸を結びつけるアダプター 32
3.2.10 リボソーム:遺伝情報の翻訳マシーン 33
3.2.11 真核生物のmRNA:イントロンとエキソン 34
3.2.12 イントロン制の導入:多様性の創造 35
3.2.13 リボザイム:触媒作用を持つRNA 36
3.2.14 プリオン:構造の自己複製タンパク分子 37
3.2.15 セントラルドグマの拡張 38
3.2.16 タンパク分子の立体構造 39
3.2.17 自己集合による超分子構造の構築 40
3.2.18 自己集合できない超分子構造体 41
3.2.19 コード化された遺伝情報 42
3.2.20 遺伝子発現と細胞分化 43
4. 細胞の基本構造
4.1 細胞の分類 45
4.2 原核細胞の特徴 47
4.2.1 真正細菌 47
4.2.2 古細菌 50
4.3 真核細胞の特徴 50
4.3.1 細胞内膜系 51
4.3.2 細胞骨格系 52
4.3.3 細胞小器官 53
4.4 細胞構築の原理 55
4.4.1 2系統性 55
4.4.2 統一性 57
4.4.3 互換性 58
4.4.4 独立性 58
4.5 細胞のゲノム構造 61
4.5.1 ゲノムの定義 61
4.5.2 ゲノムを理解する意義 62
4.5.3 ゲノムの全体像 64
4.5.4 遺伝子ファミリー 65
4.5.5 生物界の分類 66
4.5.6 真核細胞の成立に関する謎 66
Ⅲ編 生命を理解する方法としての細胞工学
5. 顕微操作法
5.1 顕微操作法の特徴 70
5.2 マイクロインジェクションによる細胞機能の解析 71
5.3 イマチュリン:性的能力の若返り因子 74
5.3.1 存在の証明:若返りの細胞質因子 74
5.3.2 若返りの実体の解明:イマチュリンの発見 79
5.3.3 若返りの概念の拡張:老化した細胞機能の若返り 81
5.4 興奮性を制御する遺伝子:突然変異体の相補性テスト 84
5.4.1 興奮性を失った突然変異体での相補性テスト 84
5.4.2 異種間(かけ合せ実験ができない組合せ)での相補性テスト 91
5.4.3 遺伝子産物の生化学的性質 94
5.5 性転換を制御する遺伝情報 101
5.5.1 性転換と生存戦略 101
5.5.2 突然変異体:遺伝子の存在の証明 104
5.5.3 マイクロインジェクションによる接合型転換誘導物質の探索 105
5.6 核移植と核融合:細胞複製の履歴の記録 108
5.6.1 複製する四つのシステム 108
5.6.2 核移植実験による複製履歴の解析 109
5.7 体細胞分裂から減数分裂への細胞周期の転換 113
5.7.1 2種類の細胞分裂 113
5.7.2 Caイオンの役割 115
6. 細胞融合
6.1 センダイウイルスを用いた細胞融合 119
6.1.1 細胞融合の特徴 119
6.1.2 細胞融合のメカニズム 119
6.2 センダイウイルス以外の細胞融合 122
6.3 遺伝的相補性テスト 123
6.4 モノクローナル抗体の産生 124
6.5 赤血球ゴースト法による細胞内導入 127
7. 遺伝子クローニングと遺伝子導入
7.1 遺伝子クローニングの基本的戦略 129
7.2 標的遺伝子の調製 129
7.3 標的遺伝子の増幅 129
7.3.1 大腸菌を用いた遺伝子増幅 131
7.3.2 ポリメラーゼ連鎖反応 131
7.4 宿主細胞への導入 132
7.5 形質転換細胞の選別 132
7.6 遺伝子クローニング法の役割 133
7.7 遺伝子導入 133
7.7.1 リン酸カルシウム法 134
7.7.2 DEAE・デキストラン法 135
7.7.3 リポフェクション法 136
7.7.4 電気穿孔法 136
7.7.5 マイクロインジェクション法 137
7.7.6 プロトプラスト融合法 138
7.7.7 ウイルス法 138
7.8 効率的な遺伝子導入の条件 139
Ⅳ編 細胞機能を役立てる方法としての細胞工学
8. 発酵
8.1 一次代謝反応を利用する発酵生産 143
8.2 アミノ酸の生産 144
8.3 ヌクレオチドの生産 145
9. 抗生物質・酵素・ワクチンの生産
9.1 インスリン 149
9.1.1 インスリン発見の物語 149
9.1.2 インスリンの生産 150
9.2 酵素:培養細胞を用いた逆転写酵素の大量生産 154
9.3 B型肝炎ワクチン 155
9.3.1 酵母を用いた組換えDNA法によるワクチン生産 156
9.3.2 動物細胞を用いた組換えDNA法によるワクチン生産 156
9.4 抗生物質 157
Ⅴ編 生命を育む方法としての細胞工学
10. 種苗産業と胚珠培養
10.1 種苗産業 159
10.2 胚珠培養 160
10.3 鉄欠乏土壌で育つトランスジェーニック植物の作成 160
10.4 自然の浄化作用の理解 163
10.5 遺伝子組換え植物の有害な影響 165
11. 科学と科学の方法
11.1 古代ギリシャ人からのメッセージ 168
11.1.1 ヒポクラテス:「調べれば,わからないことはない」 168
11.1.2 ユークリッド:「人間の知ることには,限界がある」 169
11.2 科学の領域とルール 170
11.2.1 人間と自然 170
11.2.2 科学とは何か 171
11.2.3 科学の方法 173
11.2.4 論証と推論 176
11.3 知識と概念 178
参 考 文 献 182
索     引 184

芳賀 信幸(ハガ ノブユキ)