新 測量学 - 基礎から実践まで -

新 測量学 - 基礎から実践まで -

測量を学問体系として学び,それを実践的な技術に展開するプロセスをわかりやすく解説。

ジャンル
発行年月日
2025/10/17
判型
B5
ページ数
182ページ
ISBN
978-4-339-05283-1
新 測量学 - 基礎から実践まで -
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本書では,これから土木・建築分野の専門的な工学体系を学びはじめる人に対して,測量を学問体系として学び,それを実践的な技術に展開していくプロセスをわかりやすく解説した。また,測量士・測量士補の国家試験に対応している。

私たちの身の回りにある道路,鉄道,橋梁,港湾,河川構造物及び空港などの諸施設や,人間生活に欠かせない上下水道,電気及びガスなどのライフラインなど,私たちの日常生活は多くの社会基盤の上に成り立っています。そして,これらの社会基盤の構築・維持は,その各過程において土木・建設分野の専門的な工学技術の体系の上に成り立っています。

社会基盤の建設事業は,まず構想,企画及び計画され,ついで,調査,設計及び施工を経て一般に供用され,さらに施工後の維持,管理が継続します。この各過程において土木・建設工学分野の種々の専門的な技術・知識が用いられますが,測量の技術体系はそのすべての過程・段階において密接に関連しており,事業の進捗に必要不可欠な幅広い技術体系です。

また,国土の形や状態を正確に把握し,地図・地形図などで多様に表現し,国土に関する空間的な情報を整備することが,適切な国土,地域の計画,管理及び保全には必要であり,そのためには測量の技術体系は必要不可欠です。

本書は,大学などの高等教育課程に入学し,これから土木,建設分野の専門的な工学体系を学びはじめる学生に対して,「測量」を学問体系として学び,またそれを実践的な技術に展開していくプロセスを理解しやすく解説してあります。特に,測量の基本的事項の理解から,計画,施工,管理及び維持管理といった建設実務の各段階での測量の応用的事項まで,幅広く解説しています。また,随所に近年取扱いが進む新しい測量手法及び測量技術,並びに空間情報技術の利用・活用領域など,測量に関する新領域の取扱いまでを幅広く含めてあります。これらを通して,測量の基礎から応用,実践までの技術体系を,国家資格である「測量士」「測量士補」
が取り扱う技術事項に準じた内容として学び,実践的に理解,活用できるように配慮して刊行するものです。なお,本書は『近代測量の理論と実践,コロナ(2018)』をもとに,測量学における新しい知見を加え,改良したものです。

最後に,本書の刊行にあたり,コロナ社に多大な協力を賜りました。ここに記して謝意を表します。

2025年8月
羽柴秀樹

1.測量の基礎知識
1.1 概説 
 1.1.1 測量の定義 
 1.1.2 測量の分類 
1.2 測量法 
 1.2.1 測量法概説 
 1.2.2 測量士及び測量士補 
1.3 地理空間情報活用推進基本法 
1.4 測量の基準 
 1.4.1 測地系 
 1.4.2 日本の測地系の歴史 
 1.4.3 平面直角座標系 
 1.4.4 UTM図法 
 1.4.5 標高 
 1.4.6 水準原点の水準点 
1.5 誤差論 
 1.5.1 観測と誤差 
 1.5.2 未知量が一つの観測の場合(条件がない測定) 
 1.5.3 未知量が複数の観測の場合 
演習問題

2.基準点測量
2.1 概説 
2.2 TS等観測 
2.3 GNSS観測 
演習問題

3.水準測量
3.1 概説 
 3.1.1 水準測量の方法 
 3.1.2 水準測量の等級 
3.2 レベルなどによる水準測量 
 3.2.1 気泡管レベル(チルチングレベル) 
 3.2.2 自動レベル(オートレベル) 
 3.2.3 電子レベル(デジタルレベル) 
 3.2.4 標尺 
3.3 レベルなどによる水準測量の観測方法 
 3.3.1 観測のための基本用語 
 3.3.2 レベルなどを用いた観測と計算法 
3.4 レベルなどによる水準測量の野帳 
 3.4.1 器高式 
 3.4.2 昇降式 
3.5 誤差調整 
 3.5.1 誤差の調整方法 
 3.5.2 最確値 
3.6 GNSS測量機による水準測量 
 3.6.1 GNSS測量機による水準測量の機器と検定 
 3.6.2 GNSS水準測量 
 3.6.3 偏心要素の測定及び偏心計算 
 3.6.4 計算(新点の標高) 
 3.6.5 点検計算及び再測 
演習問題

4.地形測量及び写真測量
4.1 概説 
4.2 現地測量 
4.3 UAV写真測量 
4.4 空中写真測量 
4.5 写真地図作成 
4.6 三次元点群測量 
4.7 地上レーザ測量 
4.8 UAV写真点群測量 
4.9 UAVレーザ測量 
4.10 車載写真レーザ測量 
4.11 航空レーザ測量 
4.12 航空レーザ測深測量 
演習問題

5.リモートセンシング
5.1 概説 
 5.1.1 リモートセンシングの観測対象と空間スケール 
 5.1.2 リモートセンシングの構成要素とセンサが観測するまで 
 5.1.3 リモートセンシングの分類 
5.2 光学リモートセンシングの概要 
 5.2.1 電磁波と対象物の相互作用 
 5.2.2 使用する電磁波の波長 
 5.2.3 表面の被覆と分光反射特性 
 5.2.4 温度と分光放射特性 
 5.2.5 衛星データによるデジタル3D地図 
5.3 合成開口レーダの概要 
 5.3.1 合成開口レーダの観測原理 
 5.3.2 合成開口レーダの画像の特徴 
 5.3.3 差分干渉SARによる地盤変位量の推定 
演習問題

6.地図編集及びGIS
6.1 概説 
6.2 地図編集 
 6.2.1 地図の定義 
 6.2.2 地図の縮尺 
 6.2.3 図式 
6.3 地図投影法 
 6.3.1 方位図法 
 6.3.2 円錐図法 
 6.3.3 円筒図法 
6.4 地形図の読図 
 6.4.1 地形図の縮尺と整備 
 6.4.2 地図記号 
 6.4.3 等高線 
 6.4.4 読図 
6.5 基盤地図情報の作成 
 6.5.1 項目 
 6.5.2 精度 
6.6 地理情報システム(GIS) 
 6.6.1 地理空間情報の構成要素 
 6.6.2 GISの利用分野 
 6.6.3 GISを用いた空間解析 
 6.6.4 地理情報標準 
演習問題

7.応用測量
7.1 概説 
7.2 路線測量 
7.3 河川測量 
7.4 用地測量 
7.5 そのほかの応用測量 
演習問題

8.工事測量
8.1 概説 
8.2 建設工事に関わる測量 
演習問題

9.測量業務の積算
9.1 概説 
9.2 測量業務積算基準 
 9.2.1 測量業務費の構成 
 9.2.2 直接測量費 
 9.2.3 諸経費 
9.3 測量業務費の積算 
9.4 変化率の計算 
9.5 直接測量費の計算 
 9.5.1 人件費等 
 9.5.2 各費用 
 9.5.3 一位代価 
演習問題

10.基本的な測量機器の取扱い
10.1 概説 
10.2 レベルの操作方法 
10.3 TSの操作方法 
 10.3.1 測量実習の例(三角形の面積計算) 
 10.3.2 測量実習の例(単路線方式の基準点測量) 
10.4 UAVの操作方法 
演習問題

付録 測量に関連する数学
引用・参考文献
演習問題解答
索引

読者モニターレビュー【 ZOOK 様 (業界・専門分野:建設コンサルタント)】

この新 測量学は前著「近代測量の理論と実践」の改訂、改題したものであるが、大学等向けのテキストや測量士補等の資格試験の参考書として書かれたものである。
特に長年建設コンサルタントとして公共工事の現場技術業務を仕事にしている私でさえ、測量の基本の原点へ戻してくれる一冊となっている。
初めて測量士補の試験を受験する方々にとっては、試験内容の全体像が掴める事ができると思う。
最近でのGNSS測量に関する記載や地図編集に関する項目があるので読んでみても興味がそそられる。
我々の業務では特に第7章の応用測量、第8章の工事測量の範囲が業務のメインとなっているが、第8章・工事測量にて丁張りの説明がとても新鮮だった。
他の測量に関する書籍では、お目見えする項目が無いのだが、きちんと図示による丁張りの説明が分かりやすい。
さらに第9章では測量業務における積算や第10章では測量機器の取扱いの解説があるのがありがたい。
ぜひ、初学者や工学系の学生にお薦めしたい一冊である。

読者モニターレビュー【 尺取り虫 様 (業界・専門分野:哲学)】

本書は測量に対する教科書的に書かれた書物であるが、「測量を学問体系として学び、それを実践的な技術に展開してゆくプロセス」を学ぶと謳うように、徹底して原理から応用の理解へと進む記述で一貫しており、単なる暗記的な学習以上の学びをもたらすようになっている。また、UAV写真測量等最新のトピックも幅広く扱いながら、第9章測量業務の積算では費用の算出といった経理に至るまで、測量にまつわる広範な内容が、コンパクトにまとめられている。リモートセンシングには一章を割くなど、測量のみならず多様なジャンルへの興味を惹起し、測量の世界の奥深さを知り、次の学びへと誘う良質な入門書と言えよう。

読者モニターレビュー【 あっき〜 様 (業界・専門分野:品質管理)】

測量士試験を念頭に読み進めたが、初学者でも測量の全容をつかめる構成になっており、入門書として有用だった。各項目は数ページ程度で簡潔にまとめられ観測方程式等の数式紹介も簡潔で自習を促すスタンス。測量業務積算や測量機器の紹介など実務的な内容もあり測量全体の俯瞰に役立つと思う。初学者にとって測量を体系的に学ぶためのマイルストンとして位置づけられる一冊だと感じた。

レビュー,書籍紹介・書評掲載情報一覧

羽柴 秀樹(ハシバ ヒデキ)

野中 崇志(ノナカ タカシ)

朝香 智仁(アサカ トモヒト)

園部 雅史(ソノベ マサシ)

掲載日:2025/10/01

土木学会誌2025年10月号

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