新 測量学 - 基礎から実践まで -

新 測量学 - 基礎から実践まで -

測量を学問体系として学び,それを実践的な技術に展開するプロセスをわかりやすく解説。

ジャンル
発行予定日
2025/09/中旬
判型
B5
予定ページ数
182ページ
ISBN
978-4-339-05283-1
新 測量学 - 基礎から実践まで -
近刊

予定価格

3,300

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

本書では,これから土木・建築分野の専門的な工学体系を学びはじめる人に対して,測量を学問体系として学び,それを実践的な技術に展開していくプロセスをわかりやすく解説した。また,測量士・測量士補の国家試験に対応している。

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

私たちの身の回りにある道路,鉄道,橋梁,港湾,河川構造物,空港などの諸施設や,人間生活に欠かせない上下水道,電気,ガスなどのライフラインなど,われわれの日常生活は多くの社会基盤の上に成り立っています。これらの社会基盤の構築・維持は,その各過程において土木・建設分野の専門的な工学技術の体系の上に成り立っています。

社会基盤の建設事業は,まず構想,企画,計画され,ついで,調査,設計,施工を経て一般に供用され,さらに施工後の維持,管理が継続します。この各過程において土木・建設工学分野の種々の専門的な技術・知識が用いられますが,測量の技術体系はそのすべての過程・段階において密接に関連しており,事業の進捗に必要不可欠な幅広い技術体系です。

また,国土の形や状態を正確に把握し,地図・地形図などで多様に表現し,国土に関する空間的な情報を整備することが,適切な国土,地域の計画,管理,保全には必要であり,そのためには測量の技術体系は必要不可欠です。

本書は,大学などの高等教育課程に入学し,これから土木,建設分野の専門的な工学体系を学びはじめる学生に対して,「測量」を学問体系として学び,またそれを実践的な技術に展開していくプロセスを理解しやすく解説してあります。特に,測量の基本的事項の理解から,計画や施工,管理,維持管理といった建設実務の各段階での測量の応用的事項まで,幅広く解説しています。また,随所に近年取扱いが進む新しい測量手法や測量技術,空間情報技術の利用・活用領域など,測量に関する新領域の取扱いまでを幅広く含めてあります。これらを通して,測量の基礎から応用,実践までの技術体系を,国家資格である「測量士」「測量士補」が取り扱う技術事項に準じた内容として学び,実践的に理解,活用できるように配慮して刊行するものです。

最後に,本書の刊行にあたり,コロナ社のご担当者様に多大な協力を賜りました。ここに記して謝意を表します。

2025年8月
羽柴秀樹

☆発行前情報のため,一部変更となる場合がございます

1.測量の基礎知識
1.1 概説
 1.1.1 測量の定義
 1.1.2 測量の分類
1.2 測量法
 1.2.1 測量法概説
 1.2.2 測量士および測量士補
1.3 地理空間情報活用推進基本法
1.4 測量の基準
 1.4.1 測地系
 1.4.2 日本の測地系の歴史
 1.4.3 平面直角座標系
 1.4.4 UTM図法
 1.4.5 標高
 1.4.6 水準原点の水準点
1.5 誤差論
 1.5.1 観測と誤差
 1.5.2 未知量が一つの観測の場合(条件がない測定)
 1.5.3 未知量が複数の観測の場合
演習問題

2.基準点測量
2.1 概説
2.2 TS等観測
2.3 GNSS観測
演習問題

3.水準測量
3.1 概説
 3.1.1 水準測量の方法
 3.1.2 水準測量の等級
3.2 レベルなどによる水準測量
 3.2.1 気泡管レベル(チルチングレベル)
 3.2.2 自動レベル(オートレベル)
 3.2.3 電子レベル(デジタルレベル)
 3.2.4 標尺
3.3 レベルなどによる水準測量の観測方法
 3.3.1 観測のための基本用語
 3.3.2 レベルなどを用いた観測と計算法
3.4 レベルなどによる水準測量の野帳
 3.4.1 器高式
 3.4.2 昇降式
3.5 誤差調整
 3.5.1 誤差の調整方法
 3.5.2 最確値
3.6 GNSS測量機による水準測量
 3.6.1 GNSS測量機による水準測量の機器と検定
 3.6.2 GNSS水準測量
 3.6.3 偏心要素の測定および偏心計算
 3.6.4 計算(新点の標高)
 3.6.5 点検計算および再測
演習問題

4.地形測量及び写真測量
4.1 概説
4.2 現地測量
4.3 UAV写真測量
4.4 空中写真測量
4.5 写真地図作成
4.6 三次元点群測量
4.7 地上レーザ測量
4.8 UAV写真点群測量
4.9 UAVレーザ測量
4.10 車載写真レーザ測量
4.11 航空レーザ測量
4.12 航空レーザ測深測量
演習問題

5.リモートセンシング
5.1 概説
 5.1.1 リモートセンシングの観測対象と空間スケール
 5.1.2 リモートセンシングの構成要素とセンサが観測するまで
 5.1.3 リモートセンシングの分類
5.2 光学リモートセンシングの観測原理
 5.2.1 電磁波と対象物の相互作用
 5.2.2 使用する電磁波の波長
 5.2.3 表面の被覆と分光反射特性
 5.2.4 温度と分光放射特性
 5.2.5 衛星データによるデジタル3D地図
5.3 合成開口レーダによる観測の概要
 5.3.1 合成開口レーダの観測原理
 5.3.2 合成開口レーダの画像の特徴
 5.3.3 差分干渉SARによる地盤変位量の推定
演習問題

6.地図編集およびGIS
6.1 概説
6.2 地図編集
 6.2.1 地図の定義
 6.2.2 地図の縮尺
 6.2.3 図式
6.3 地図投影法
 6.3.1 方位図法
 6.3.2 円錐図法
 6.3.3 円筒図法
6.4 地形図の読図
 6.4.1 地形図の縮尺と整備
 6.4.2 地図記号
 6.4.3 等高線
 6.4.4 読図
6.5 基盤地図情報の作成
 6.5.1 項目
 6.5.2 精度
6.6 地理情報システム(GIS)
 6.6.1 地理空間情報の構成要素
 6.6.2 GISの利用分野
 6.6.3 GISを用いた空間解析
 6.6.4 地理情報標準
演習問題

7.応用測量
7.1 概説
7.2 路線測量
7.3 河川測量
7.4 用地測量
7.5 そのほかの応用測量
演習問題

8.工事測量
8.1 概説
8.2 建設工事に関わる測量
 8.2.1 インフラ分野のDX
演習問題

9.測量業務の積算
9.1 概説
9.2 測量業務積算基準
 9.2.1 測量業務費の構成
 9.2.2 直接測量費
 9.2.3 諸経費
9.3 測量業務費の積算
9.4 変化率の計算
9.5 直接測量費の計算
 9.5.1 人件費等
 9.5.2 各費用
 9.5.3 一位代価
演習問題

10.基本的な測量機器の取扱い
10.1 概説
10.2 レベルの操作方法
10.3 TSの操作方法
 10.3.1 測量実習の例(三角形の面積計算)
 10.3.2 測量実習の例(単路線方式の基準点測量)
10.4 UAVの操作方法
演習問題

付録A 測量に関連する数学
引用・参考文献
演習問題解答

羽柴 秀樹(ハシバ ヒデキ)

野中 崇志(ノナカ タカシ)

朝香 智仁(アサカ トモヒト)

園部 雅史(ソノベ マサシ)