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書籍詳細

音響テクノロジーシリーズ 17)

  オーディオトランスデューサ工学
- マイクロホン,スピーカ,イヤホンの基本と現代技術 -

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大賀寿郎 芝浦工大名誉教授 工博 著

発行年月日:2013/03/18 , 判 型: A5,  ページ数:294頁

ISBN:978-4-339-01118-0,  定 価:4,752円 (本体4,400円+税)

ジャンル:

マイクロホン,スピーカ,イヤホンなどのオーディオトランスデューサ技術の基本を,設計者とユーザを対象に説明する。トランスデューサを選定した例と評価を述べ,トランスデューサをサブシステムとする現代音響システムに言及する。

【目次】

1. オーディオトランスデューサの基礎知識
1.1 物理現象としての音とその定量化
1.2 人の耳に聞こえる音
1.3 トランスデューサで対象とする音
1.4 測定,分析の周波数
1. オーディオトランスデューサの基礎知識
1.1 物理現象としての音とその定量化
1.2 人の耳に聞こえる音
1.3 トランスデューサで対象とする音
1.4 測定,分析の周波数
1.5 オーディオトランスデューサの種類と機能
引用・参考文献
 
2. 種々のオーディオトランスデューサ
2.1 磁界を用いるトランスデューサ
2.1.1 動電変換器
2.1.2 電磁変換器
2.2 電界を用いるトランスデューサ
2.2.1 コンデンサ変換器
2.2.2 圧電変換器
2.3 電気抵抗の変化を用いるマイクロホン
引用・参考文献

3. トランスデューサの機械音響振動系と回路
3.1 1 自由度の機械振動系
3.2 振動系の制御方式
3.3 1 自由度の音響振動系
3.4 機械インピーダンスと音響インピーダンス
3.4.1 機械インピーダンス
3.4.2 3 種の音響インピーダンス
3.4.3 断面積の異なる管の接続
3.4.4 機械音響回路と電気回路とのアナロジー
3.5 機械音響回路の実例
引用・参考文献
 
4. 電気音響変換器の理論と定量化
4.1 磁界を用いる変換器
4.1.1 基本方程式
4.1.2 モーショナルインピーダンス
4.1.3 実例:ダイナミックスピーカの電気特性
4.2 電界を用いる変換器
4.2.1 基本方程式
4.2.2 モーショナルアドミタンス
4.2.3 実例:セラミック圧電トランスデューサ
4.3 基本方程式のまとめ
引用・参考文献

5. 感度と周波数特性
5.1 感度の定義
5.1.1 マイクロホンの感度
5.1.2 スピーカ,イヤホン,ヘッドホンの感度
5.2 磁界を用いるトランスデューサの感度の解析
5.2.1 直接放射形動電スピーカ
5.2.2 動電および電磁イヤホン
5.2.3 動電および電磁マイクロホン
5.3 電界を用いるトランスデューサの感度の解析
5.3.1 コンデンサマイクロホン
5.3.2 圧電イヤホンと圧電スピーカ
5.4 電気抵抗変化マイクロホンの感度の解析
5.5 トランスデューサの振動系の制御方式と共振周波数 ─ その 1
引用・参考文献
 
6. トランスデューサの音場と音響放射
6.1 自由音場
6.1.1 平面波
6.1.2 球面波
6.2 呼吸球と点音源
6.3 無限大バフル上の音源
6.4 室内音場と拡散音場
6.4.1 音波の反射と吸収
6.4.2 波動音響学的な解析と残響時間
6.4.3 幾何音響学的な解析
6.4.4 定常状態
引用・参考文献

7. 音波の伝送
7.1 一様断面の管の中の音場
7.1.1 振動板による駆動
7.1.2 空気中の音圧による駆動
7.2 特別な条件の管
7.2.1 波長より短い音響管
7.2.2 波長に比べ太い管
7.3 ホーン
引用・参考文献
 
8. 音波の反射と回折
8.1 球形のエンクロージャ
8.2 円筒の端面
8.3 直方体の箱
引用・参考文献
 
9. 多点送受音と指向性の制御
9.1 二つのマイクロホンの出力電圧の加減算
9.2 音圧傾度マイクロホン
9.3 指向性マイクロホンの構成
9.4 騒音抑圧マイクロホン
引用・参考文献

10. オーディオトランスデューサの設計技術
10.1 指向性マイクロホンの周波数特性の制御
10.2 音楽用ヘッドホンのバラエティ
10.3 トランスデューサの振動系の制御方式と共振周波数 ─ その 2
10.3.1 選択すべき制御方式のまとめ
10.3.2 使いやすい制御方式は何か
10.4 実例 1:コーンスピーカとそのエンクロージャ
10.5 実例 2:電電公社の電子化電話機用トランスデューサ
引用・参考文献
 
11. オーディオトランスデューサの測定
11.1 測定のための音響環境
11.1.1 自由音場を得るための無響室 
11.1.2 拡散音場を得る方法
11.2 測定のためのデバイス
11.2.1 マイクロホンと人工耳  
11.2.2 スピーカの音響負荷と人工口
11.2.3 ヘッドアンドトルソシミュレータ 
11.3 感度と周波数レスポンスの古典的な測定
11.3.1 スピーカの測定システム 
11.3.2 マイクロホンの測定システム 
11.3.3 ヘッドホン,イヤホンの測定システム  
11.4 周波数レスポンス測定のための信号
11.4.1 正弦波の周波数掃引 
11.4.2 ランダムノイズ信号   
11.4.3 ランダムノイズの周波数補正測定
11.5 伝達関数またはインパルスレスポンスの測定
11.5.1 正弦波のゆっくりした周波数掃引 
11.5.2 インパルス信号の繰り返し 
11.5.3 ランダムノイズ信号 
11.5.4 TSP 信号(スウェプトサイン信号)  
11.6 コーンスピーカの振動部の定数の測定
11.7 可逆変換器の相互校正
引用・参考文献

12.オーディオトランスデューサを用いる音響システム
12.1 オーディオ再生システム
12.2 アナログ電話機
12.3 ノイズキャンセルヘッドホン
12.4 労働集約産業から設備産業へ
12.4.1 マイクロホン産業の変容:一つの例 
12.4.2 産業界と研究の世界との乖離 
引用・参考文献
 
付録
 A.1 弦の振動
 A.2 膜の振動
 A.3 まっすぐな棒のたわみ振動
 A.4 円形の板のたわみ振動
 A.5 中心に剛体部をもつ環状円形板の対称たわみ振動
 A.6 薄く浅い球殻のたわみ振動の最低共振周波数
 引用・参考文献

索引

【まえがき】より
 
 マイクロホンやイヤホンの歴史は電話機の発明された19 世紀末から始まる。スピーカはやや新しいが,やはり100 年の歴史をもつといってよい。しかし,こうしたオーディオトランスデューサを構成するための実用技術はここ40 年ほどの間に激変した。現在広く供給されている製品は,以前の汎用品とは大幅に異なる技術,産業の産物となっている。
 マイクロホンは1970 年代のエレクトレットコンデンサマイクロホンの爆発的な普及により従来のマイクロホンとは別の分野の,むしろ電子部品に近い工業製品となった。さらに21 世紀初頭に商品化されたシリコン単結晶上にIC 技術で創成するMEMS マイクロホンは携帯電話機用として世に受け入れられ,マイクロホンの技術をさらに変革している。
 やはり1970 年代,民生用イヤホンでは従来の密閉構造から脱却した開放形ヘッドホン(実際には完全開放ではなく,IEC 規格ではControlled leakage と呼んでいる)の導入で基本的な技術が変化した。さらに1980 年代に電話機へのIC 導入とともに実用化されたセラミック圧電イヤホンが新風を吹き込んだ。
 21 世紀になって普及の始まったマイクロホン内蔵のノイズキャンセルヘッドホンも産業界で大きなシェアを占める趨勢である。スピーカでは20 世紀半ばにLP レコード,Hi-fi オーディオシステムの普及に応じた改良があり,その後20 世紀最終期の携帯電話機の普及に対応した超小形化のための設計思想の拡張により新しい世界が開けた。これを可能にしたのは高性能のネオジム磁石の導入だった。
 こうした変遷を見ると,製品の技術としては改良というより断絶に近い激変が見られる。しかし,トランスデューサに用いられている物理的な基本原理,いわゆる電気音響変換現象には,真空管から半導体素子への交代などとは異なり大きな変化がない。実際,競争に勝って生き残っているのは,古典的な基本原理に則って合理的に設計された製品であり,物理現象に由来する原理的な設計条件を遵守していないものは,実用品として生き残ることができないのである。

 本書ではこうしたオーディオトランスデューサのハードウェアの技術に着目して,下記のような事項を記述する。
・ 基本事項を略記した1 章に続いて,実際に設計,製作されている現代の種々のオーディオトランスデューサの構成を2 章で解説する。
・ 次に,製品技術の基盤となる物理現象とそれにより課せられる原理的な設計条件を3 章~ 5 章で明らかにする。
・ 続いて,トランスデューサに密接に関連する音場,音響現象,およびこれを利用した実際のトランスデューサについて6 章~ 9 章で解説する。
・ 次に製品設計法の実例を10 章で,また特性の測定技術を11 章で概観する。最後に12 章で数種の応用システムとその産業に言及する。
・ 付録では実験データの解釈の手段として,トランスデューサの振動系の種々のモデルの共振周波数を概説する。

 本書の記述はトランスデューサの設計者への的確な情報提供のみならず,ユーザとなるオーディオシステム技術者や放送,録音分野の現場技術者にも数ある製品から的確な選択を行うための知識を提供できるものと考える。

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