論理回路講義ノート

論理回路講義ノート

アナログ信号からディジタル信号への変換に関する記述を最小限にとどめ,グレイ符号などの符号に関する記述を充実。

ジャンル
発行年月日
2018/09/20
判型
B5
ページ数
140ページ
ISBN
978-4-339-00913-2
論理回路講義ノート
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定価

2,530(本体2,300円+税)

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アナログ電子回路を学んでいない学生にも読み進められるよう,アナログ信号からディジタル信号への変換に関する記述を最小限にとどめ,グレイ符号などの符号に関する記述を充実。本文中の空欄を埋めることで,知識の定着をはかれる。

情報通信技術と訳されるICTという用語が普及し,携帯電話やタブレット端末などは身近なものとなった。情報通信技術者の活躍の場は広がり,論理回路はそのような技術者を目指す学生にとって基礎的な教養科目となっている。著者はこれまで,10年近くにわたり地方の私立大学の工学部において,論理回路を教えている。

大学入試の方法が多様化するとともに,18歳人口の減少もあり,大学入学者の学力も多様化してきている。なかにはノートをとる習慣が身についていない学生もいる。論理回路に関する書籍は多数あり,カラー刷りの書や,平易な表現の書もあるものの,自ら進んで学習する習慣が身についていない学生にとって,そのような書籍を1人で読みこなすのは容易ではない。

本書は工学部系の大学学部学生を対象として,前述のように多様な学生に対しても学習効果が得られるような教科書を目指している。本書の特徴は以下の3点である。
 ① 本文の記述中に空欄を設け,講義を聞きながら,その空欄を自ら埋めていく作業を読者に課している。手を動かすことにより知識の定着をはかるだけではなく,読者が本書に積極的に書き込みを入れることにより,読者にとってオリジナルなノートとなることを目指している。
 ② 論理回路を実際に実現するための回路素子などのアナログ電子回路に関する記述は思い切って省き,アナログ信号からディジタル信号への変換に関する最小限の記述にとどめた。こうしてアナログ電子回路をまだ学んでいない学生にもストレスなく読み進められるようにし,初学者にもわかりやすいように例題や演習問題の解答も丁寧な記述を心がけている。
 ③ ( ICT 技術者を目指す大学生をおもな対象としているので,)情報通信システムに実際に利用されている重要なグレイ符号,誤り制御用符号などの符号に関する記述を充実させている。
ICTシステムの利活用が進み,e-ラーニングや,e-ラーニングを事前学習に利用する反転授業が注目されてきている。事前学習として空欄を埋める作業を課して,反転授業の際に問題演習を行うことにより,本書はこのような学習システムに対しても,学習効果を上げることができるような教科書となることを目指している。

著者はもともと理学部の出身であり,実は論理回路の講義を受けたこともない。大学を卒業し,社会人になってからはおもに移動無線通信の研究開発に携わってきた。著者は現在も移動無線通信とその応用技術に関連する研究をテーマにしている。授業では,教えている学生が将来著者の研究室に配属されたときに,このようなことは知っていてほしいと思っていることを積極的に取り入れて教えるように心がけている。 論理回路を専門としてご活躍されている先生方からみれば門外漢の著者が書いた書籍であるので,厳密性に欠ける記述もあるかもしれないが,ご批判,ご指摘いただければ大変ありがたい。

なお,本書空欄ならびに【例題3.5】,【例題3.6】の解答は,コロナ社の本書書籍詳細ページ(http://www.coronasha.co.jp/np/isbn/9784339009132/)に掲載している。詳細は,p.25を参照いただきたい。
本書が将来の情報通信技術者の学習の一助になれば幸いである。

2018年7月 工藤栄亮

1. ディジタル信号と2進数
1.1 アナログ信号とディジタル信号
1.2 2進数
 1.2.1 数系の相互変換
 1.2.2 2進数の演算
 1.2.3 補数
演習問題

2. 符号
2.1 BCD符号
2.2 グレイ符号
2.3 誤り制御用符号
 2.3.1 パリティ検査符号
 2.3.2 水平垂直パリティ検査符号
 2.3.3 ハミング符号
演習問題

3. 論理関数
3.1 ブール代数の基本論理
3.2 ブール代数の演算公式
3.3 双対の原理
3.4 標準形
 3.4.1 主加法標準形
 3.4.2 主乗法標準形
 3.4.3 標準形を求める方法
演習問題

4. 論理回路の設計
4.1 論理回路記号
4.2 論理式の合成
4.3 論理式の簡単化
 4.3.1 カルノー図を用いる方法
 4.3.2 クワイン・マクラスキの方法
 4.3.3 乗法形の論理式の簡単化
演習問題

5. 組合せ論理回路
5.1 加算回路
5.2 減算回路
5.3 エンコーダとデコーダ
 5.3.1 10進-BCDエンコーダとBCD-10進デコーダ
 5.3.2 (7,4)ハミング符号のエンコーダとデコーダ
5.4 マルチプレクサとデマルチプレクサ
演習問題

6. フリップフロップ
6.1 RSフリップフロップ
6.2 JKフリップフロップ
6.3 Tフリップフロップ
6.4 Dフリップフロップ
演習問題

7. 順序論理回路
7.1 順序論理回路動作の表現法
7.2 順序論理回路の設計
7.3 さまざまな順序論理回路
 7.3.1 リプルカウンタ
 7.3.2 並列型カウンタ
 7.3.3 レジスタ
演習問題

参考文献
演習問題解答
索引

工藤 栄亮(クドウ エイスケ)