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書籍詳細

シリーズ 情報科学における確率モデル 6)

  確率システムにおける制御理論

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向谷博明 広島大教授 博士(工学) 著

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発行年月日:2019/07/03 , 判 型: A5,  ページ数:270頁

ISBN:978-4-339-02836-2,  定 価:4,212円 (本体3,900円+税)

本書は,数学を基盤としたシステム理論の中でも,伊藤の確率微分方程式によって支配される確率システムを基盤とした電気・機械・プロセスシステムにおけるシステム理論および動的ゲームへの応用について詳細に解説している。

【目次】

★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 数学的準備
1.1 ベクトル・行列の性質
1.2 二次形式と微分
★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 数学的準備
1.1 ベクトル・行列の性質
1.2 二次形式と微分
1.3 行列の微分
1.4 最適化
 1.4.1 ラグランジュの未定乗数法
 1.4.2 カルーシュ・クーン・タッカー(KKT)条件
 1.4.3 ニュートン法
 1.4.4 勾配法
1.5 リアプノフ安定論
1.6 最適レギュレータ
 1.6.1 最大原理による導出
 1.6.2 動的計画法による導出
1.7 リアプノフ代数方程式
1.8 H∞制御
 1.8.1 H∞ノルム
 1.8.2 H∞制御問題の一般解
1.9 線形行列不等式(LMI)
1.10 まとめ

2. 確率過程論
2.1 確率過程
 2.1.1 ウィナー過程
 2.1.2 ブラウン運動の性質
 2.1.3 確率微分方程式
 2.1.4 確率微分方程式によるモデル表現
 2.1.5 伊藤の公式
 2.1.6 例題
2.2 確率システムの安定性
2.3 シミュレーション技法
 2.3.1 ブラウン運動のシミュレーション
 2.3.2 オイラー・丸山近似
2.4 まとめ

3. 連続・離散時間線形確率システム
3.1 連続時間確率システム
 3.1.1 連続時間確率リアプノフ代数方程式
 3.1.2 連続時間確率システムの最適レギュレータ問題
3.2 離散時間確率システム
 3.2.1 離散時間確率リアプノフ代数方程式
 3.2.2 安定化
3.3 離散時間確率システムの最適レギュレータ問題
3.4 まとめ

4. 数値計算アルゴリズム
4.1 リカッチ代数方程式
4.2 確率リカッチ代数方程式
 4.2.1 ニュートン法による数値計算アルゴリズム
 4.2.2 LMIによる数値計算アルゴリズム
 4.2.3 数値例
4.3 連立型確率リカッチ代数方程式
 4.3.1 ニュートン法による数値計算アルゴリズム
 4.3.2 リアプノフ代数方程式による数値計算アルゴリズム
 4.3.3 座標降下法による数値計算アルゴリズム
4.4 離散型マルコフジャンプ確率システムに関する数値計算アルゴリズム
4.5 まとめ

5. マルコフジャンプ確率システム
5.1 連続時間マルコフジャンプ確率システムの安定化
 5.1.1 事前結果ならびに準備
 5.1.2 主要結果
 5.1.3 モード非依存型制御
5.2 連続時間マルコフジャンプ確率システムの最適レギュレータ問題
 5.2.1 事前結果ならびに準備
 5.2.2 主要結果
5.3 離散時間マルコフジャンプ確率システムの安定化
 5.3.1 事前結果ならびに準備
 5.3.2 主要結果
5.4 離散時間マルコフジャンプ確率システムの最適レギュレータ問題
 5.4.1 事前結果ならびに準備
 5.4.2 主要結果
5.5 まとめ

6. 非線形確率システム
6.1 安定性
6.2 最適レギュレータ
 6.2.1 有限時間の場合
 6.2.2 無限時間の場合
6.3 H∞制御
 6.3.1 非線形確率有界実補題
 6.3.2 非線形確率システムにおけるH∞制御
6.4 数値解法
 6.4.1 逐次近似法
 6.4.2 ガラーキン・スペクトル
 6.4.3 チェビシェフ多項式の導入
6.5 まとめ

7. 動的ゲーム理論への応用
7.1 パレート戦略
 7.1.1 確率パレート戦略
 7.1.2 確率パレート戦略の解
7.2 ナッシュ均衡戦略
 7.2.1 混合H2/H∞制御問題
 7.2.2 確率ナッシュ均衡戦略
 7.2.3 マルコフジャンプ確率システムにおけるナッシュ均衡戦略
 7.2.4 ナッシュ戦略対が存在するための必要十分条件
 7.2.5 ニュートン法
 7.2.6 非線形確率ナッシュ均衡戦略
7.3 スタッケルベルグ戦略
 7.3.1 スタッケルベルグ均衡戦略問題
 7.3.2 主要結果
 7.3.3 数値計算アルゴリズム
 7.3.4 数値例
7.4 min-max戦略:サドルポイント均衡
 7.4.1 弱拘束確率ナッシュ均衡戦略問題
 7.4.2 主要結果
7.5まとめ

引用・参考文献
索引



『シリーズ 情報科学における確率モデル』ラインナップ
  1. 統計的パターン認識と判別分析
  2. 栗田多喜夫・日高章理 共著 発売中!!
  3. ボルツマンマシン
  4. 恐神貴行 著 発売中!!
  5. 捜索理論における確率モデル
  6. 宝崎隆祐・飯田耕司 共著 発売中!!
  7. マルコフ決定過程-理論とアルゴリズム-
  8. 中出康一 著 発売中!!
  9. エントロピーの幾何学
  10. 田中 勝 著 発売中!!
  11. 確率システムにおける制御理論
  12. 向谷博明 著 2019年6月上旬刊

以下続刊
  • システム信頼性の数理
  • 大鑄史男 著
  • マルコフ連鎖と計算アルゴリズム
  • 岡村寛之 著
  • 確率モデルによる性能評価
  • 笠原正治 著
  • ソフトウェア信頼性のための統計モデリング
  • 土肥 正・岡村寛之 共著
  • ファジィ確率モデル
  • 片桐英樹 著
  • 高次元データの科学
  • 酒井智弥 著
  • リーマン後の金融工学
  • 木島正明 著
刊行のことば

 われわれを取り巻く環境は,多くの場合,確定的というよりもむしろ不確実性にさらされており,自然科学,人文・社会科学,工学のあらゆる領域において不確実な現象を定量的に取り扱う必然性が生じる。「確率モデル」とは不確実な現象を数理的に記述する手段であり,古くから多くの領域において独自のモデルが考案されてきた経緯がある。情報化社会の成熟期である現在,幅広い裾野をもつ情報科学における多様な分野においてさえも,不確実性下での現象を数理的に記述し,データに基づいた定量的分析を行う必要性が増している。

 一言で「確率モデル」といっても,その本質的な意味や粒度は各個別領域ごとに異なっている。統計物理学や数理生物学で現れる確率モデルでは,物理的な現象や実験的観測結果を数理的に記述する過程において不確実性を考慮し,さまざまな現象を説明するための描写をより精緻化することを目指している。一方,統計学やデータサイエンスの文脈で出現する確率モデルは,データ分析技術における数理的な仮定や確率分布関数そのものを表すことが多い。社会科学や工学の領域では,あらかじめモデルの抽象度を規定したうえで,人工物としてのシステムやそれによって派生する複雑な現象をモデルによって表現し,モデルの制御や評価を通じて現実に役立つ知見を導くことが目的となる。

 昨今注目を集めている,ビッグデータ解析や人工知能開発の核となる機械学習の分野においても,確率モデルの重要性は十分に認識されていることは周知の通りである。一見して,機械学習技術は,深層学習,強化学習,サポートベクターマシンといったアルゴリズムの違いに基づいた縦串の分類と,自然言語処理,音声・画像認識,ロボット制御などの応用領域の違いによる横串の分類によって特徴づけられる。しかしながら,現実の問題を「モデリング」するためには経験とセンスが必要であるため,既存の手法やアルゴリズムをそのまま適用するだけでは不十分であることが多い。

 本シリーズでは,情報科学分野で必要とされる確率・統計技法に焦点を当て,個別分野ごとに発展してきた確率モデルに関する理論的成果をオムニバス形式で俯瞰することを目指す。各分野固有の理論的な背景を深く理解しながらも,理論展開の主役はあくまでモデリングとアルゴリズムであり,確率論,統計学,最適化理論,学習理論がコア技術に相当する。このように「確率モデル」にスポットライトを当てながら,情報科学の広範な領域を深く概観するシリーズは多く見当たらず,データサイエンス,情報工学,オペレーションズ・リサーチなどの各領域に点在していた成果をモデリングの観点からあらためて整理した内容となっている。

 本シリーズを構成する各書目は,おのおのの分野の第一線で活躍する研究者に執筆をお願いしており,初学者を対象とした教科書というよりも,各分野の体系を網羅的に著した専門書の色彩が強い。よって,基本的な数理的技法をマスターしたうえで,各分野における研究の最先端に上り詰めようとする意欲のある研究者や大学院生を読者として想定している。本シリーズの中に,読者の皆さんのアイデアやイマジネーションを掻き立てるような座右の書が含まれていたならば,編者にとっては存外の喜びである。

2018年11月

編集委員長 土肥 正

在庫は時期によりまして変動することがございますので、ご了承ください。