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書籍詳細

次世代信号情報処理シリーズ 1)

  信号・データ処理のための行列とベクトル
- 複素数,線形代数,統計学の基礎 -

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田中聡久 東京農工大教授 博士(工学) 著

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発行予定日:2019/07/上旬 , 判 型: A5,  予定ページ数:224頁

ISBN:978-4-339-01401-3,  予定価格:3,200円

現在,信号は数ある「データ」の一種となり,これを処理・解析するには数学の知識が重要である。数学書と技術専門書の間を埋めることを目的とし,機械学習や最適化と密接につながる現代の信号処理の理解に必要な基礎数学を網羅した。

【目次】

★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 複素数
1.1 実数,虚数,複素数
1.2 複素数の演算
★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 複素数
1.1 実数,虚数,複素数
1.2 複素数の演算
 1.2.1 共役
 1.2.2 複素数の加算
 1.2.3 複素数の乗算
 1.2.4 複素数の有理化と除算
1.3 複素数平面と極座標表示
 1.3.1 複素数平面
 1.3.2 極座標
 1.3.3 複素数演算の複素数平面における意味
1.4 フーリエ級数
 1.4.1 複素正弦波
 1.4.2 フーリエ級数
1.5 むすび
章末問題

2. ベクトル
2.1 ベクトルとは
2.2 ベクトルの基本演算
2.3 ベクトルの幾何的解釈
 2.3.1 和算
 2.3.2 スカラ積
 2.3.3 減算
 2.3.4 ベクトルの長さ
2.4 ベクトル空間
2.5 むすび
章末問題

3. 行列
3.1 行列の基本
 3.1.1 行列の考え方
 3.1.2 行列の定義
 3.1.3 行列の線形写像性
3.2 行列の基本演算
 3.2.1 行列の和
 3.2.2 行列の転置
 3.2.3 行列の積
 3.2.4 特別な行列
3.3 連立1次方程式と行列
 3.3.1 連立方程式の行列記法
 3.3.2 ガウスの消去法と階数
3.4 逆行列
 3.4.1 逆行列の定義
 3.4.2 2×2行列の逆行列
 3.4.3 逆行列の性質
 3.4.4 連立方程式の求解による逆行列の求め方
 3.4.5 ユニタリ行列
3.5 行列式
 3.5.1 行列式の定義
 3.5.2 行列式の性質
 3.5.3 逆行列と行列式
3.6 むすび
章末問題

4. 基底と部分空間
4.1 一次独立性と基底
 4.1.1 ベクトルの一次独立性
 4.1.2 基底
 4.1.3 基底の交換と展開係数
4.2 部分空間
 4.2.1 部分空間の定義
 4.2.2 部分空間どうしの関係
 4.2.3 行列により決まる部分空間
4.3 むすび
章末問題

5. 内積と直交性
5.1 内積とノルム
 5.1.1 ユークリッド空間
 5.1.2 正定値行列
 5.1.3 内積の公理
 5.1.4 ノルム
 5.1.5 内積とノルムの性質
 5.1.6 コサイン類似度
 5.1.7 さまざまな内積空間
5.2 正規直交基底とその応用
 5.2.1 正規直交展開
 5.2.2 ユニタリ行列
 5.2.3 正射影
 5.2.4 グラム・シュミットの正規直交化
 5.2.5 部分空間の直交性と直交補空間
5.3 ユークリッド空間への変換
5.4 むすび
章末問題

6. 固有値分解
6.1 固有値問題
 6.1.1 固有方程式,固有空間
 6.1.2 固有値・固有ベクトルの図形的意味
 6.1.3 固有値分解と対角化
6.2 エルミート行列の固有値問題
 6.2.1 固有値の実数性
 6.2.2 固有ベクトルの直交性と対角化
 6.2.3 固有値分解
 6.2.4 正定値行列と固有値
 6.2.5 行列平方根
6.3 一般化固有値問題
 6.3.1 一般化固有値分解
 6.3.2 エルミート行列の同時対角化
6.4 むすび
章末問題

7. 特異値分解,一般逆行列
7.1 特異値分解
 7.1.1 特異値と特異ベクトル
 7.1.2 特異値分解の導出
 7.1.3 特異値と特異ベクトルによる表現
 7.1.4 特異値分解は値域の正規直交基底を与える
7.2 一般逆行列
 7.2.1 ムーア・ペンローズ一般逆行列
 7.2.2 特異値分解による表現
 7.2.3 逆行列を介した表現
 7.2.4 一般逆行列による正射影の表現
 7.2.5 連立1次方程式の解
7.3 むすび
章末問題

8. 確率ベクトル
8.1 確率
 8.1.1 標本空間と事象
 8.1.2 確率の公理
 8.1.3 多変量の確率
8.2 確率密度関数と正規分布
 8.2.1 累積分布関数
 8.2.2 確率密度関数
 8.2.3 多変量の確率密度関数
 8.2.4 正規分布
8.3 平均と分散
 8.3.1 平均と期待値
 8.3.2 分散と共分散
 8.3.3 白色化
8.4 むすび
章末問題

9. パラメータの推定
9.1 最尤推定
 9.1.1 確率分布のパラメータ
 9.1.2 尤度関数
 9.1.3 正規分布の最尤推定
9.2 回帰モデルの最尤推定
 9.2.1 回帰分析
 9.2.2 最尤推定と最小2乗法
9.3 線形回帰の最小2乗法
 9.3.1 単回帰の2乗誤差関数
 9.3.2 重回帰の2乗誤差関数
 9.3.3 射影定理
 9.3.4 正規方程式と最小2乗解
9.4 主成分分析と次元削減
9.5 むすび
章末問題

付録:ベクトル・行列関数の微分
A.1 実数パラメータによる微分と最急降下法
 A.1.1 評価関数の微分
 A.1.2 最急降下法
A.2 全微分による勾配の求め方
 A.2.1 全微分
 A.2.2 トレース
 A.2.3 全微分を用いた微分計算例
A.3 複素数パラメータによる微分
A.4 むすび
章末問題

引用・参考文献
章末問題解答
索引

『次世代信号情報処理シリーズ』ラインナップ
  1. 信号・データ処理のための行列とベクトル- 複素数,線形代数,統計学の基礎 -
  2. 田中聡久 著 

刊行のことば

 信号処理は,音声,音響,画像,電波など,連続する数値や連続波形が意味を持つデータを加工する技術です。現代のICT社会・スマート社会は信号処理なしには成り立ちません。スマートフォンやタブレットなどの情報端末はコンピュータ技術と信号処理技術が見事に融合した例ですが,私たちがその存在を意識することがないほど,身の回りに浸透しています。さらには,応用数学や最適化,また統計学を基礎とする機械学習などのさまざまな分野と融合しながらさらに発展しつつあります。

 もともと信号処理は回路理論から派生した電気電子工学の一分野でした。抵抗,コンデンサ,コイルを組み合わせると,特定の周波数成分を抑制できるアナログフィルタを構成できます。アナログフィルタ技術は電子回路と融合することで能動フィルタを生み出しました。そしてディジタル回路の発明とともに,フィルタもディジタル化されました。一度サンプリングすれば,任意のフィルタをソフトウェアで構成できるようになったのです。ここに「ディジタル信号処理」が誕生しました。そして,高速フーリエ変換の発明によって,ディジタル信号処理は加速度的に発展・普及することになったのです。

 ディジタル技術によって,信号処理は単なる電気電子工学の一分野ではなく,さまざまな工学・科学と融合する境界分野に成長し始めました。フィルタのソフトウェア化は,環境やデータに柔軟に適応できる適応フィルタを生み出しました。信号はバッファリングできるようになり,画像信号はバッチ処理が可能になりました。そして,線形代数学や統計学を柔軟に応用することで,テレビやカメラに革命をもたらしました。もともと周波数解析を基とする音声処理技術は,ビッグデータをいち早く取り込み,人工知能の基盤技術となっています。電波伝送の一分野だった通信工学は,通信のディジタル化によって信号処理技術なしには成り立たないうえ,現代のスマート社会を支えるインフラとなっています。このように,枚挙に暇がないほど,信号処理技術は社会における各方面での基盤となっているだけでなく,さまざまな周辺技術と柔軟に融合し新たなテクノロジーを生み出しつつあります。

 また,現代テクノロジーのコアたる信号処理は,電気・情報系における大学カリキュラムでは必要不可欠な科目となっています。しかしながら,大学における信号処理教育はディジタルフィルタの設計に留まり,高度に深化した現代信号処理からはほど遠い内容となっています。一方で,最新の信号処理技術,またその周辺技術を知るには,論文を読んだり,洋書にあたったりする必要があります。さらに,高度に抽象化した現代信号処理は,ときに高等数学をバックグラウンドにしており,技術者は難解な数学を学ぶ必要があります。以上のことが本分野へ参入する壁を高くしているといえましょう。

 これがまさに,次世代信号情報処理シリーズ“Next SIP”を刊行するに至ったきっかけです。本シリーズは,従来の伝統的な信号処理の専門書と,先端技術に必要な専門知識の間のギャップを埋めることを目的とし,信号処理分野で先端を走る若手・中堅研究者を執筆陣に揃えています。本シリーズによって,より多くの学生・技術者に信号処理の面白みが伝わり,さらには日本から世界を変えるイノベーションが生まれる助けになれば存外の喜びです。

2019年6月

次世代信号情報処理シリーズ監修 田中聡久

在庫は時期によりまして変動することがございますので、ご了承ください。