近代測量の理論と実践

近代測量の理論と実践

測量学の基本から応用までを「測量士補」の国家試験に準じた内容で展開。実技が必要な内容は実習を通じて理解できるよう配慮した。

ジャンル
発行年月日
2018/10/05
判型
B5
ページ数
186ページ
ISBN
978-4-339-05259-6
近代測量の理論と実践
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定価

3,190(本体2,900円+税)

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  • 内容紹介
  • まえがき
  • 目次
  • 著者紹介

本書は,大学ではじめて土木工学を学ぶ学生に向けて,測量学の基本から応用までを「測量士補」の国家試験に準じた内容に即してわかりやすく解説した。また,実技が必要な内容に関しては実習を通じて理解できるように配慮している。

近年,急速に多様化,複雑化する現代社会において,普段何気なく利用している鉄道・道路・空港施設・港湾施設などの交通移動・運搬手段,人間生活に欠かせない電気・ガス・上下水道などのライフラインなど,われわれの日常生活は,基盤インフラの上に成り立っています。先人の言葉にもあるように,単に生活環境の物理的な向上を目指すだけではなく,これらインフラ構築・維持のための計画・計測・施工などの技術者を目指す個々が,環境を強く意識することが求められております。

近年の建設測地技術の進歩はめざましく,測量分野もディジタル化され瞬時に角度・距離・方向を把握することができ,さらには人工衛星データを利用しさらに正確な情報を得られるようになりました。

本書は,大学ではじめて土木工学や建設・環境工学系等の分野を学ぶ学生に向けて,これらの分野における「測量」を学問体系として学び,またそれを実践的な最新測地技術に展開していくプロセスを「理解しやすく」解説してあります。すなわち,測量学の基本から応用までの理論を「測量士補」の国家試験に準じた内容として学び,そこで得られた知識を,最新機器を利用した測量実習を通じて実践的に理解できるように配慮して刊行するものです。

最後に,本書の刊行にあたり日本大学名誉教授 工藤勝輝先生,コロナ社のご担当者様には多大なご協力を賜りました。ここに記して,謝意を表します。

2018年6月 岩下圭之

1. 測量の基礎知識
1.1 測量概論
 1.1.1 測量の定義
 1.1.2 測量の分類
1.2 測量法
 1.2.1 測量法概説
 1.2.2 公共測量
 1.2.3 測量士および測量士補
1.3 地理空間情報活用推進基本法
1.4 測量の基準
 1.4.1 測地系
 1.4.2 日本の測地系の歴史
 1.4.3 平面直角座標系
 1.4.4 標高
 1.4.5 水準原点と水準点
1.5 誤差論
 1.5.1 観測と誤差
 1.5.2 未知量が一つの観測
 1.5.3 未知数が複数の観測
演習問題

2. 多角測量
2.1 基準点測量
2.2 測距・測角
 2.2.1 測距・測角とは
 2.2.2 巻尺による測距
 2.2.3 TSによる測距・測角
2.3 多角測量
 2.3.1 概説
 2.3.2 基準点測量の原理
 2.3.3 トラバース測量に関する計算
2.4 GNSS測量
 2.4.1 GNSS測量の概要
 2.4.2 スタティック法
 2.4.3 短縮スタティック法
 2.4.4 キネマティック法
 2.4.5 RTK-GPS法
 2.4.6 ネットワーク型RTK-GPS法
演習問題

3. 水準測量
3.1 水準測量とは
 3.1.1 水準測量の方法
 3.1.2 水準測量の等級
3.2 水準測量の機器
 3.2.1 気泡管レベル(チルチングレベル)
 3.2.2 自動レベル(オートレベル)
 3.2.3 電子レベル(ディジタルレベル)
 3.2.4 標尺(スタッフ)
3.3 水準測量の観測方法
 3.3.1 観測のための基本用語
 3.3.2 レベルを用いた観測と計算法
3.4 水準測量の野帳
 3.4.1 器高式
 3.4.2 昇降式
3.5 誤差調整
 3.5.1 誤差の調整方法
 3.5.2 最確値
演習問題

4. 地形測量
4.1 地形測量とは
4.2 現地測量
 4.2.1 作業計画
 4.2.2 基準点の設置
 4.2.3 細部測量
 4.2.4 数値編集
 4.2.5 補備測量
 4.2.6 数値地形図データファイルの作成
 4.2.7 品質評価
 4.2.8 成果等の整理
4.3 車載写真レーザー測量
 4.3.1 調整点の設置
 4.3.2 移動取得およびデータ処理
 4.3.3 数値図化
 4.3.4 現地補測
 4.3.5 数値編集
 4.3.6 数値地形図データファイルの作成数値編集
 4.3.7 品質評価
 4.3.8 成果等の整理
演習問題

5. 写真測量
5.1 写真測量とは
5.2 空中写真測量
 5.2.1 作業計画
 5.2.2 標定点の設置
 5.2.3 対空標識の設置
 5.2.4 撮影
 5.2.5 同時調整
 5.2.6 現地調査
 5.2.7 数値図化
 5.2.8 数値編集
 5.2.9 補測編集
 5.2.10 数値地形図データファイルの作成
 5.2.11 品質評価
 5.2.12 成果等の整理
 5.2.13 写真地図作成
5.3 航空レーザー測量
 5.3.1 作業計画
 5.3.2 固定局の設置
 5.3.3 航空レーザー計測
 5.3.4 調整用基準点の設置
 5.3.5 三次元計測データの作成
 5.3.6 オリジナルデータの作成
 5.3.7 グラウンドデータの作成
 5.3.8 グリッドデータの作成
 5.3.9 等高線データの作成
 5.3.10 数値地形図データファイル作成
 5.3.11 品質評価
 5.3.12 成果等の整理
演習問題

6. リモートセンシング
6.1 リモートセンシングとは
 6.1.1 リモートセンシングの特徴
 6.1.2 リモートセンシングの構成要素
 6.1.3 リモートセンシングの分類
 6.1.4 発展過程
6.2 可視波長帯から赤外波長帯を利用したリモートセンシング
 6.2.1 分光特性
 6.2.2 大気の影響
 6.2.3 利用事例
6.3 マイクロ波を利用したリモートセンシング
 6.3.1 合成開口レーダーの概要
 6.3.2 画像の特徴
 6.3.3 利用事例
演習問題

7. 地図編集
7.1 地図編集とは
 7.1.1 地図の定義
 7.1.2 地図製作に必要な技術
7.2 地図投影法
 7.2.1 方位図法
 7.2.2 円錐図法
 7.2.3 円筒図法
7.3 縮尺と図式
 7.3.1 地図の縮尺
 7.3.2 図式
7.4 地理情報システム(GIS)
 7.4.1 GISの構成要素
 7.4.2 GISの利用分野
 7.4.3 GISの発展過程
演習問題

8. 応用測量
8.1 応用測量とは
8.2 路線測量
 8.2.1 作業計画
 8.2.2 線形決定
 8.2.3 中心線測量
 8.2.4 仮BM設置測量
 8.2.5 縦断測量
 8.2.6 横断測量
 8.2.7 詳細測量
 8.2.8 用地幅杭設置測量
8.3 河川測量
 8.3.1 距離標設置測量
 8.3.2 水準基標測量
 8.3.3 定期縦断測量
 8.3.4 定期横断測量
 8.3.5 深浅測量
 8.3.6 法線測量
 8.3.7 海浜測量および汀線測量
8.4 用地測量
 8.4.1 資料調査
 8.4.2 復元測量
 8.4.3 境界確認
 8.4.4 境界測量
 8.4.5 境界点間測量
 8.4.6 面積計算
 8.4.7 用地実測図データファイルの作成積計算
 8.4.8 用地平面図データファイルの作成積計算
8.5 その他の応用測量
演習問題

9. 工事測量
9.1 建設工事測量
 9.1.1 引照点の設置
 9.1.2 丁張(やり形)の設置
 9.1.3 型枠の設置
9.2 ICT施工技術に活用される測量技術
演習問題

10. 測量業務の積算
10.1 測量業務費の構成
 10.1.1 直接測量費
 10.1.2 諸経費
 10.1.3 測量調査費
 10.1.4 消費税相当額
10.2 測量業務費の積算
10.3 変化率の積算
 10.3.1 地物による分類
 10.3.2 地形による分類
10.4 直接測量費の積算
 10.4.1 人件費等
 10.4.2 材料費
 10.4.3 機械経費
 10.4.4 旅費交通費
 10.4.5 安全費
 10.4.6 その他
 10.4.7 精度管理費
 10.4.8 成果検定費
演習問題

11. 基本的な測量機器の取扱い
11.1 TSの操作方法
 11.1.1 据付け
 11.1.2 測距
 11.1.3 測角
11.2 レベルの操作方法
 11.2.1 据付け
 11.2.2 測定
11.3 測量機器の取扱い方,野帳の書き方
 11.3.1 測量機器の取扱い方
 11.3.2 野帳の書き方
演習問題

付録A:測量に関する数学
付録B:測量機器級別性能分類表

引用・参考文献
演習問題解答

岩下 圭之(イワシタ ケイシ)

杉村 俊郎(スギムラ トシロウ)

青山 定敬(アオヤマ サダヨシ)

野中 崇志(ノナカ タカシ)

朝香 智仁(アサカ トモヒト)

内田 裕貴(ウチダ ユウキ)

関連資料(一般)

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