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書籍詳細

シリーズ 情報科学における確率モデル 5)

  エントロピーの幾何学

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田中勝 福岡大教授 理博 著

発行年月日:2019/05/10 , 判 型: A5,  ページ数:206頁

ISBN:978-4-339-02835-5,  定 価:3,240円 (本体3,000円+税)

測度論的確率論,十分統計量の説明に加え,本書では,測度空間に特別な平行移動を導入することでアファイン空間を構成し,そのうえで幾何学を展開することにより,指数型分布族と非指数型分布族を同時に取り扱える枠組みを提供した。

【目次】

★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 本書の構成

2. 測度と確率
★発行前情報のため若干変更されることがございます。ご了承ください。★

1. 本書の構成

2. 測度と確率
2.1 可測空間と測度空間
2.2 用語の一般的な定義
2.3 Rieszの表現定理
2.4 Radon-Nikodýmの定理
 2.4.1 Lebesgueの分解定理の証明
 2.4.2 Radon-Nikodýmの定理の証明
2.5 確率測度
2.6 Dirac測度と離散確率

3. τ-アファイン空間
3.1 τ-関数
3.2 τ-アファイン構造
 3.2.1 アファイン空間
 3.2.2 平行移動
 3.2.3 測度空間
 3.2.4 十分統計量
3.3 アファイン座標系とτ-アファイン共役
 3.3.1 τ-対数尤度
 3.3.2 スコア関数
 3.3.3 τ-アファイン共役

4. 経路順序確率

5. 縮約と計量
5.1 縮約
5.2 計量
5.3 Koszul接続と双対接続
5.4 接空間TpRΩの直交分解
5.5 Cramér-Raoの不等式

6. くり込みとエントロピー
6.1 素朴なエントロピー(発散)
6.2 くり込み
6.3 エントロピー(有限)
6.4 縮約と期待値
6.5 Havrda-CharvátエントロピーとRényiエントロピー
6.6 ダイバージェンス

7. τ-情報幾何学におけるq-正規分布
7.1 q-正規分布
7.2 q-正規分布のBayes表現

8. τ-アファイン構造の多重性
8.1 τ-変換
8.2 q-正規分布のτ-変換

9. 非加法的エントロピー
9.1 恒等式と非加法性
9.2 べき型分布と相互情報量

10. 加法的エントロピーへの変換
10.1 加法性の回復
10.2 スケール座標の役割

11. ホログラフィー原理
11.1 計量とホログラフィー原理
11.2 加法・非加法変換

12. τ-平均

引用・参考文献
索引



『シリーズ 情報科学における確率モデル』ラインナップ
  1. 統計的パターン認識と判別分析
  2. 栗田多喜夫・日高章理 共著 発売中!!
  3. ボルツマンマシン
  4. 恐神貴行 著 発売中!!
  5. 捜索理論における確率モデル
  6. 宝崎隆祐・飯田耕司 共著 発売中!!
  7. マルコフ決定過程-理論とアルゴリズム-
  8. 中出康一 著 2019年3月上旬刊
  9. エントロピーの幾何学
  10. 田中 勝 著 2019年4月上旬刊

以下続刊
  • 確率システムにおける制御理論
  • 向谷博明 著
    システム信頼性の数理
    大鑄史男 著
  • マルコフ連鎖と計算アルゴリズム
  • 岡村寛之 著
  • 確率モデルによる性能評価
  • 笠原正治 著
  • ソフトウェア信頼性のための統計モデリング
  • 土肥 正・岡村寛之 共著
  • ファジィ確率モデル
  • 片桐英樹 著
  • 高次元データの科学
  • 酒井智弥 著
  • リーマン後の金融工学
  • 木島正明 著
刊行のことば

 われわれを取り巻く環境は,多くの場合,確定的というよりもむしろ不確実性にさらされており,自然科学,人文・社会科学,工学のあらゆる領域において不確実な現象を定量的に取り扱う必然性が生じる。「確率モデル」とは不確実な現象を数理的に記述する手段であり,古くから多くの領域において独自のモデルが考案されてきた経緯がある。情報化社会の成熟期である現在,幅広い裾野をもつ情報科学における多様な分野においてさえも,不確実性下での現象を数理的に記述し,データに基づいた定量的分析を行う必要性が増している。

 一言で「確率モデル」といっても,その本質的な意味や粒度は各個別領域ごとに異なっている。統計物理学や数理生物学で現れる確率モデルでは,物理的な現象や実験的観測結果を数理的に記述する過程において不確実性を考慮し,さまざまな現象を説明するための描写をより精緻化することを目指している。一方,統計学やデータサイエンスの文脈で出現する確率モデルは,データ分析技術における数理的な仮定や確率分布関数そのものを表すことが多い。社会科学や工学の領域では,あらかじめモデルの抽象度を規定したうえで,人工物としてのシステムやそれによって派生する複雑な現象をモデルによって表現し,モデルの制御や評価を通じて現実に役立つ知見を導くことが目的となる。

 昨今注目を集めている,ビッグデータ解析や人工知能開発の核となる機械学習の分野においても,確率モデルの重要性は十分に認識されていることは周知の通りである。一見して,機械学習技術は,深層学習,強化学習,サポートベクターマシンといったアルゴリズムの違いに基づいた縦串の分類と,自然言語処理,音声・画像認識,ロボット制御などの応用領域の違いによる横串の分類によって特徴づけられる。しかしながら,現実の問題を「モデリング」するためには経験とセンスが必要であるため,既存の手法やアルゴリズムをそのまま適用するだけでは不十分であることが多い。

 本シリーズでは,情報科学分野で必要とされる確率・統計技法に焦点を当て,個別分野ごとに発展してきた確率モデルに関する理論的成果をオムニバス形式で俯瞰することを目指す。各分野固有の理論的な背景を深く理解しながらも,理論展開の主役はあくまでモデリングとアルゴリズムであり,確率論,統計学,最適化理論,学習理論がコア技術に相当する。このように「確率モデル」にスポットライトを当てながら,情報科学の広範な領域を深く概観するシリーズは多く見当たらず,データサイエンス,情報工学,オペレーションズ・リサーチなどの各領域に点在していた成果をモデリングの観点からあらためて整理した内容となっている。

 本シリーズを構成する各書目は,おのおのの分野の第一線で活躍する研究者に執筆をお願いしており,初学者を対象とした教科書というよりも,各分野の体系を網羅的に著した専門書の色彩が強い。よって,基本的な数理的技法をマスターしたうえで,各分野における研究の最先端に上り詰めようとする意欲のある研究者や大学院生を読者として想定している。本シリーズの中に,読者の皆さんのアイデアやイマジネーションを掻き立てるような座右の書が含まれていたならば,編者にとっては存外の喜びである。

2018年11月

編集委員長 土肥 正

在庫は時期によりまして変動することがございますので、ご了承ください。