科学技術と共に歩む

1.　意見分析へのニーズと背景
　1.1　意見への関心と意見分析のニーズ
　　1.1.1　意見への社会的関心
　　1.1.2　自然言語処理分野における意見への関心
　　1.1.3　意見なるもの，如何なるもの？
　　1.1.4　意見分析はおもしろい
　1.2　社会における市民参加と意見分析のニーズ
　　1.2.1　市民参加におけるアクションリサーチとしての意見分析
　　1.2.2　道路計画におけるパブリックインボルブメント－行政と市民の対話－
　　1.2.3　科学技術コミュニケーション－科学技術者と市民の対話－
　　1.2.4　裁判員制度－評議における裁判官と市民の対話－

2.　意見収集の方法論
　2.1　意見収集の方法としての社会調査
　　2.1.1　社会学の研究法
　　2.1.2　社会調査によるデータ収集
　2.2　自由回答型アンケート調査
　2.3　フォーカスグループインタビュー
　　2.3.1　フォーカスグループインタビューとは何か
　　2.3.2　フォーカスグループインタビューにおける対話
　　2.3.3　フォーカスグループインタビューで話されるのは意見ではない
　2.4　意見収集の情報源としてのインターネット

3.　意見分析の方法論
　3.1　社会学における意見分析の周辺
　3.2　内容分析
　3.3　会話分析
　3.4　グラウンデッドセオリーアプローチ


4.　意見分析エンジンの要素技術
　4.1　意見分析概論
　　4.1.1　意見情報への関心
　　4.1.2　意見分析と評価分析
　　4.1.3　題材
　　4.1.4　機械学習に基づくアプローチ
　　4.1.5　用語の整理
　4.2　意見を含む文の自動抽出手法
　4.3　評価分析の要素技術
　　4.3.1　意見のなかの評価情報
　　4.3.2　評価表現辞書の構築
　　4.3.3　評価情報を観点とした文書分類
　　4.3.4　評価情報を含む文の分類
　　4.3.5　評価情報の要素組みの抽出と分類
　4.4　評価情報の集約
　4.5　課題
　　4.5.1　中立クラス
　　4.5.2　明示的に表されない評価

5.　社会の関心，意見を分析する実践－構文論と語用論を結ぶ分析および自動分類の試み－
　5.1　対象とした意見のデータ
　5.2　意見には何が書かれているのか－言語内の構造に着目した分析－
　　5.2.1　モダリティの表現への着目
　　5.2.2　多様なモダリティ表現
　　5.2.3　構文論的モダリティ論に基づく分析の問題
　5.3　言語行為論から見た回答者の意図－言語外の状況に着目した分析－
　　5.3.1　被調査者が回答することの意味
　　5.3.2　言語行為論に基づく回答の解釈
　　5.3.3　言語行為論に基づく解釈の問題点
　　5.3.4　聞き手の不在
　　5.3.5　解釈における調査者と被調査者の立場
　5.4　要求にかかわる意図とその表現
　　5.4.1　要求意図の重要性－「提案」との差異－
　　5.4.2　要求の種類－明示的要求と暗黙的要求－
　　5.4.3　意図と表現の対応
　　5.4.4　回答者の意図をめぐる問題の整理
　5.5　仮説としての要求意図判定基準
　5.6　検証のための分析
　　5.6.1　予測的妥当性の検証－基準の適用と結果の分析－
　　5.6.2　再現可能性の検証－複数の作業者による言い換え判定－
　　5.6.3　相関的妥当性の検証－意図判定基準を用いない意図判定－
　5.7　意見の自動分類と検証
　　5.7.1　機械学習による要求意図の自動判定
　　5.7.2　大規模データへの判定基準の適用
　　5.7.3　異なる種類のデータへの判定基準の適用

6.　インターネットから社会の関心，意見を収集・分析する
　6.1　インターネット上の情報監視
　6.2　blogWatcher：ブログページの自動収集と監視に基づくテキストマイニング
　　6.2.1　システムの概要・機能
　　6.2.2　トレンド分析－ホットトピックの自動発見－
　　6.2.3　評判分析
　　6.2.4　ブログの書き手の属性推定
　　6.2.5　その他の機能

7.　おわりに
　7.1　意見分析エンジンの応用の可能性－どのように用いられるか－
　　7.1.1　自由回答アンケートの分析
　　7.1.2　評判分析システム
　7.2　今後の展望－真の意見分析エンジンとなるためには－
　　7.2.1　基礎言語解析技術
　　7.2.2　情報の信頼性
　　7.2.3　著作権
　　7.2.4　意見の理由の分析
　　7.2.5　対話型の意見収集・分析に向けて

引用・参考文献
索引