3次元CAD実践活用法

3次元CAD実践活用法

3次元CADはモノづくりにおいて設計ツールとしてだけでなく,製造情報システムの中核として重要な位置を占めてきている。本書は3次元CADを実務で活用し企業活動に寄与するという観点から書かれた3次元CAD導入の手引書である。

ジャンル
発行年月日
2006/08/28
判型
A5
ページ数
266ページ
ISBN
978-4-339-04579-6
3次元CAD実践活用法
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定価

3,960(本体3,600円+税)

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3次元CADはモノづくりにおいて設計ツールとしてだけでなく,製造情報システムの中核として重要な位置を占めてきている。本書は3次元CADを実務で活用し企業活動に寄与するという観点から書かれた3次元CAD導入の手引書である。

1. 3次元CADの概要
1.1 3次元CADへの歩み
 1.1.1 CADの歩み
 1.1.2 CADとAD
 1.1.3 CADにおける処理プロセス
 1.1.4 3次元CADの利用法
1.2 3次元CADの普及
 1.2.1 設計業務と3次元CAD
 1.2.2 3次元CADを中核とした生産システム
 1.2.3 3次元CADを製品データベースとしたコンカレントシステム
1.3 3次元CAD技術の概要
 1.3.1 3次元形状モデルの種類
 1.3.2 3次元CAD選択上の留意点
1.4 3次元CADの活用状況
 1.4.1 3次元CADの活用分野
 1.4.2 自動車産業における活用
 1.4.3 家電産業における活用
 1.4.4 金型産業における活用
 1.4.5 CAMへの活用
 1.4.6 CAEへの活用
 1.4.7 3次元CAD活用のメリットと課題
1.5 3次元CADへの期待
 1.5.1 製造業の危機とその再生
 1.5.2 デジタルプロセス・イノベーションの推進
 1.5.3 現在のIT戦略の問題点
 1.5.4 3次元CADの支援システム
 1.5.5 全体最適とプロセス連繋
 1.5.6 デジタルエンタープライズに向けて
引用・参考文献

2. 3次元CADによるモデリング
2.1 モデリング手法
 2.1.1 アセンブリモデリング
 2.1.2 干渉計算・マスプロパティ
 2.1.3 フィーチャベースソリッドモデリング
 2.1.4 サーフェスとソリッドモデル
 2.1.5 リバースエンジニアリングによるモデリング
2.2 サーフェスの数学的な表現
 2.2.1 自由曲線・曲面
 2.2.2 パラメトリック表現式
 2.2.3 Be´zier曲線・曲面
 2.2.4 スプライン曲線・曲面
 2.2.5 曲面演算
2.3 オブジェクト指向に基づいた形状モデリング
 2.3.1 CADシステムの利用形態
 2.3.2 設計意図と形状モデリング
 2.3.3 オブジェクト指向によるシステムの構築
 2.3.4 システムの動作例
 2.3.5 オブジェクト指向に基づいた形状モデリングの利点
2.4 データ交換とデータ品質
 2.4.1 データ交換の現状
 2.4.2 データ交換方法の種類と比較
 2.4.3 データ交換ソフトの処理
 2.4.4 データ交換における課題
 2.4.5 PDQガイドライン
 2.4.6 PDQの課題
引用・参考文献

3. 3次元モデルの検証・評価の効率化
3.1 CAEの概論
 3.1.1 CAEの必要性
 3.1.2 CAEの位置づけ
 3.1.3 数値計算法の種類
 3.1.4 FEMの概念
 3.1.5 ばね系の剛性方程式
 3.1.6 構造物への展開
 3.1.7 CAEの課題と展望
3.2 CAEモデリングテクニック
 3.2.1 CAE活用上の留意点
 3.2.2 CAEの二つの用法
 3.2.3 CAEのためのモデリングテクニック
3.3 CAE評価とレポート
 3.3.1 プログラム実行としての正常終了
 3.3.2 変形図の読み方
 3.3.3 反力値の確認
 3.3.4 応力図の読み方
 3.3.5 ひずみ図の読み方
 3.3.6 解析結果表示上の注意点
 3.3.7 解析結果のとらえ方
 3.3.8 効果的解析レポートの作成方法
3.4 機能・性能評価への活用
 3.4.1 構造解析と機構解析
 3.4.2 熱・流体解析と音・振動解析
3.5 モノづくりにおけるCAEの活用
 3.5.1 製造業におけるモノづくりの活動
 3.5.2 開発におけるCAE活用
 3.5.3 モノづくりにおけるCAE活用の留意点
3.6 CAEの社内での導入・活用・教育
 3.6.1 CAEの教育
 3.6.2 CAEを導入・活用する際の留意点
引用・参考文献

4. 3次元のモノづくりへの活用
4.1 CAMの基礎知識
 4.1.1 NCの歩み
 4.1.2 業務から見たCAMの位置づけ
 4.1.3 CAD/CAMの処理手順
4.2 切削加工における活用
 4.2.1 CAMの代表的な機能
 4.2.2 CAMによる切削加工の考え方と方法
 4.2.3 CAMによる切削加工事例と課題
4.3 板金・プレス加工における活用
 4.3.1 板金・プレス加工におけるCAD/CAMの役割
 4.3.2 板金・プレス加工CAD/CAMの基本機能
 4.3.3 板金・プレス加工におけるCAD/CAMの課題と解決策
 4.3.4 板金・プレス加工におけるCAD/CAM活用事例
4.4 積層造形法への活用
 4.4.1 積層造形法の概要
 4.4.2 光造形法
 4.4.3 シート積層造形法
 4.4.4 熱溶解積層造形法
 4.4.5 粉末焼結積層造形法
4.5 CATとの連携活用
 4.5.1 品質管理部門の現状
 4.5.2 CATに求められる機能
 4.5.3 3次元非接触測定とCAT
 4.5.4 ラインレーザ3次元非接触測定システムの現状
 4.5.5 CAT活用の今後
4.6 生産シミュレーションの活用
 4.6.1 生産シミュレーションとCAD/CAM
 4.6.2 CADシミュレーションの教育への適用事例
 4.6.3 生産工程シミュレーション
 4.6.4 シミュレーション技術のVMへの展開
引用・参考文献

5. 3次元CADを中核とした統合的システムの構築
5.1 支援ツールによる3次元CADのカスタマイズ
 5.1.1 カスタマイズの必要性
 5.1.2 カスタマイズの方法
 5.1.3 マクロプログラムによる自動設計
5.2 製品データの管理
 5.2.1 製品設計の目的と設計情報の重要性
 5.2.2 設計データの共有化と可視化
 5.2.3 2次元設計における設計データの伝達
 5.2.4 3次元設計における設計データの伝達の現状
 5.2.5 図面作成のタイミング
 5.2.6 幾何形状の定義・表現法の標準化
 5.2.7 3次元設計における設計データの管理
 5.2.8 設計データ管理システム機能
 5.2.9 製品データ管理システムの意義と設計改革
5.3 生産情報の管理
 5.3.1 CADデータを含む生産情報の管理のねらい
 5.3.2 各工程への展開
 5.3.3 開発・生産体制の構築
5.4 製品開発における協調作業
 5.4.1 コラボレーションの種類と課題
 5.4.2 PLMによる協調開発
 5.4.3 開発における協調作業の要件
 5.4.4 導入に際して
 5.4.5 コラボレーションの必要性
引用・参考文献

索引

朝比奈 奎一(アサヒナ ケイイチ)

大高 敏男(オオタカ トシオ)

香取 英男(カトリ ヒデオ)

望月 達也(モチヅキ タツヤ)

日本大学 大学院理工学研究科 博士後期課程 航空宇宙工学専攻修了 工学博士。

1977年4月に静岡県工業試験場(現 静岡県工業技術研究所)の技師(研究職)になりました。機械研究室に配属になり,機械設計,解析,精密測定,NCなどについて,静岡県内の企業への指導や,試験,研究開発に携わってきました。1984年に通産省工業技術院機械研究所で3か月の研修を受けることになり,そのとき,3D-CADの開発の手伝いをいたしました。3D-CADとの付き合いは36年になります。研修終了後,職場で製図システムや3D-CADで設計に役立つアプリケーションを開発していました。その中の一つが,精密工学会の論文賞を受賞いたしました。

1993年4月に,東京都立工業高等専門学校に助教授として赴任いたしました。当時,都立高専では生産システム工学を新設するためにCAD/CAM,生産システムの専門家が集まりました。校舎の建て替えと同時に3D-CADとCAEを導入し,高専の3年生と4年生に3D-CADによる設計教育を実施いたしました。そのときの教育内容を社会人教育用にアレンジしたものが,型技術協会の奨励賞を受賞いたしました。また,3DCAD利用技術者試験の立ち上げにも参加させていただき,資格試験のあり方や試験問題のレベル,採点方法など,教育現場で築き上げたノウハウが役に立ちました。

2000年4月に,出身地である静岡県が浜松市に公設民営の静岡文化芸術大学を新規に設立いたしました。デザイン学部の助教授として赴任いたしました。大学での研究教育と同時に,大学内で「デジタルモノづくり塾」を開講し,地元企業の技術者への社会人教育を行いました。静岡大学工学部様,静岡理工科大学様にもお世話になりました。

静岡県立浜松工業高等学校が国のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)に採択されたときには,副委員長としてサポートさせていただきました。若い技術者の育成です。2020年3月 定年退職となり,現在,大学の名誉教授になりました。

このように40年以上,モノづくりや教育研究に従事してきました。その間,多くの先生や企業の皆様にお世話になりました。長い間,現場を重視した教育を実践してきましたので,その経験をもとにCAD/CAMの教科書を執筆いたしました。

長坂 保美(ナガサカ ヤスミ)

岩壁 清行(イワカベ キヨユキ)

秋山 雅弘(アキヤマ マサヒロ)

東 正毅(アズマ マサタケ)

結城 宏信(ユウキ ヒロノブ)

小寺 敏正(オデラ トシマサ)

佐橋 直樹(サハシ ナオキ)

南 克哉(カツヤ ミナミ)

熊沢 健志(クマザワ タケシ)

清野 武寿(キヨノ タケヒサ)

黒田 和之(クロダ カズユキ)

金澤 勇一(カナザワ ユウイチ)

横山 匡(ヨコヤマ タダシ)

高澤 昌樹(タカサワ マサキ)

乾 英二(イヌイ エイジ)

佐久田 博司(サクタ ヒロシ)

掲載日:2023/07/05

日本設計工学会誌「設計工学」2023年7月号