沙漠を森に - 温暖化への処方箋 -

沙漠を森に - 温暖化への処方箋 -

なぜ「沙漠を森に」すると温暖化が防げるのか,なぜ沙漠・乾燥地であるべきかから始まり,必要な技術とその展開について解説。豪州における植林プロジェクトの研究成果を中心に,中国・インドなど他地域の植林技術についても提案。

  • 口絵
ジャンル
発行年月日
2011/03/30
判型
A5
ページ数
234ページ
ISBN
978-4-339-06620-3
沙漠を森に - 温暖化への処方箋 -
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定価

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なぜ「沙漠を森に」すると温暖化が防げるのか,なぜ沙漠・乾燥地であるべきかから始まり,必要な技術とその展開について解説。豪州における植林プロジェクトの研究成果を中心に,中国・インドなど他地域の植林技術についても提案。

1. 序章
1.1 全球的気候変動
1.2 京都議定書
1.3 地球の炭素循環と植林
1.4 乾燥地・半乾燥地を選択する理由
1.5 植林とバイオマス生産と太陽電池
1.6 再度,植林とバイオマス燃料
1.7 食料生産と水循環とバイオマス生産
1.8 ストラテジー
引用・参考文献

2. 乾燥地に木を植えるには――目的と評価――
2.1 乾燥地植林において検討すべき課題
2.1.1 植林に伴う水の流れ
2.1.2 植物中の水――樹種の選択――
2.1.3 土壌水――蒸発から蒸散へ――
2.1.4 地表水――雨水の有効利用と潅がい――
2.1.5 水の不足以外の要因――塩の蓄積――
2.2 乾燥地植林の評価
2.2.1 CO2の全固定量の評価
2.2.2 植林に伴うCO2発生量の評価(CO2の純固定量の評価)
2.2.3 植林事業のコストの評価
2.2.4 植林プロジェクトの期間と評価
2.2.5 乾燥地植林によるバイオマス生産の評価
引用・参考文献

3. 植林地の概要
3.1 西オーストラリア州の概要
3.2 レオノラ地区の概要と調査内容
3.3 半乾燥地小麦地帯の概要と既存の植林方法
3.3.1 半乾燥地小麦地帯における自然環境と土地利用の変遷
3.3.2 小麦地帯における塩害・湛水害の発生原因とその現状
3.3.3 塩害・湛水害対策としての植林
引用・参考文献

4. 乾燥地の植物生理とモデル化
4.1 植物の生理と耐乾性
4.1.1 耐乾性植物
4.1.2 高等植物細胞の吸水機構
4.1.3 蒸散防止機構
4.1.4 C4植物とCAM植物
4.1.5 乾燥地に植栽する植物の選択
4.2 乾燥地造林における植物生理モデルの必要性
4.3 乾燥地に生育する樹木の光合成とその特徴
4.4 植物の生理特性から造林技術への展開
4.5 植林プロジェクトにおけるE.camaldulensisの生理
引用・参考文献

5. 植林プロジェクトの考え方と計画
5.1 適した樹種を選択するために
5.1.1 乾燥地・半乾燥地の特性
5.1.2 乾燥地植林の意義と目的
5.1.3 植林を始めるまえに
5.1.4 樹種選択
5.2 植林場所の選定
5.2.1 植林地域の選定手法
5.2.2 植林区画の選定手法――乾燥地――
5.2.3 植林区画の選定手法――Wheat belt――
5.3 プロジェクトの準備と計画
5.3.1 現地の協力
5.3.2 環境条件の把握
5.3.3 苗畑について
5.4 植林の補助工法
5.4.1 ウォーターハーベスティング
5.4.2 潅がい設備
5.4.3 雑草・潅木・岩石などの除去
5.4.4 道路の整備
5.4.5 柵・フェンス
5.5 造成された森林の管理
5.5.1 毎木調査
5.5.2 天候のモニタリング
5.5.3 枯死木と植え替え
5.5.4 潅水
5.5.5 植林木の伐採
引用・参考文献

6. 環境改善技術の導入
6.1 塩類集積土壌について
6.1.1 世界における塩類集積土壌の分布
6.1.2 塩類集積土壌の生成と性質
6.1.3 塩類集積土壌の改良について
6.2 アルカリ塩類集積土壌の改良と管理
6.2.1 土壌改良剤の選択
6.2.2 耕作方法
6.2.3 作付方法
6.3 ハードパン破砕技術
6.4 集水技術
6.5 小麦地帯でのアグロフォレストリーのための土壌改善技術
6.6 保水材
6.6.1 保水材の種類
6.6.2 有機合成高分子系の高吸水性ポリマー
引用・参考文献

7. 発芽育苗技術
7.1 はじめに
7.2 種子と発芽
7.2.1 種子の入手
7.2.2 種子の休眠および発芽特性
7.3 育苗
7.3.1 苗木の種類
7.3.2 苗木の育成
引用・参考文献

8. オーストラリアでの育林技術
8.1 オーストラリア乾燥地における育林技術
8.1.1 植栽方法
8.1.2 初期保育方法
8.1.3 植林上の留意点
8.2 塩類集積地における育林技術
8.2.1 植栽方法
8.2.2 初期保育方法
8.2.3 植林上の留意点
8.3 炭素固定を持続的かつ有効に行うための植林技術
8.3.1 萌芽特性の利用
8.3.2 萌芽再生林の育成
8.4 技術の全球レベルへの展開と展望
8.4.1 考え方
8.4.2 全球レベルへの展開
8.4.3 バイオマス生産の展望
引用・参考文献

9. バイオマスエネルギー
9.1 エネルギー変換技術概要
9.2 生物化学的変換法
9.2.1 エタノール
9.2.2 エタノール製造法
9.3 熱化学的変換法
9.3.1 ガス化
9.3.2 合成ガスの液体燃料化
9.3.3 急速熱分解
引用・参考文献

10. 炭素固定量と経済性評価
10.1 炭素固定量の評価
10.1.1 炭素固定量認定の仕組み
10.1.2 樹木のバイオマス量の評価
10.1.3 そのほかの炭素プールの評価
10.1.4 CDM/JIで認定されるCO2固定量の評価
10.1.5 コスト,ポテンシャルの評価
10.2 ベースライン・リーゲージの求め方
10.3 生産された有機物の行方――炭素サイクル――
10.3.1 森林内の有機物の一般的な流れ
10.3.2 乾燥地のリター流出の定量評価およびその重要性
10.4 乾燥地植林の経済性
10.5 期待されるCO2固定量
引用・参考文献

11. 他地域への展開
11.1 沙漠の緑化とCO2固定植林の両立
11.2 中国における乾燥地緑化の現状と展望
11.2.1 中国の乾燥地・半乾燥地の状況
11.2.2 乾燥地・半乾燥地植林を取り巻く社会条件
11.2.3 在来(経験的)手法の多様さ
11.2.4 科学的データの不足
11.3 脱硫石膏を利用した塩類土壌改良
11.3.1 はじめに
11.3.2 小規模試験地における各種脱硫石膏の効果の検討
11.3.3 大規模試験区への展開
11.3.4 今後の展開
11.4 インドの現況と展開の可能性
11.4.1 CO2固定を目的としたタール沙漠の大規模植林
11.4.2 耕種農業復活のための植林
引用・参考文献

12. 結論
あとがき

小島 紀徳(コジマ トシノリ)

江頭 靖幸(エガシラ ヤスユキ)

斉藤 昌宏(サイトウ マサヒロ)

菅沼 秀樹(スガヌマ ヒデキ)

黒澤 勝彦(クロサワ カツヒコ)

相川 真一(アイカワ シンイチ)

安部 征雄(アベ ユクオ)

宇都木 玄(ウツギ ハジメ)

尾崎 益雄(オザキ マスオ)

加藤 茂(カトウ シゲル)

川西 琢也(カワニシ タクヤ)

河原崎 里子(カワラサキ サトコ)

熊田 俊吾(クマダ シュンゴ)

酒井 裕司(サカイ ユウジ)

里川 重夫(サトカワ シゲオ)

鈴木 誠一(スズキ セイイチ)

高橋 伸英(タカハシ ノブヒデ)

田内 裕之(タノウチ ヒロユキ)

濱野 裕之(ハマノ ヒロユキ)

日刊工業新聞2011年6月22日 掲載日:2011/07/19

25面 「話題の本」欄にて紹介。