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書籍詳細

実習で学ぶ   モデルベース開発
- 『モデル』を共通言語とするV字開発プロセス -

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山本透 広島大教授 博士(工学) 編著

脇谷伸 広島大特任講師 博士(工学) 著

原田靖裕 マツダ(株) 著

香川直己 福山大教授 博士(工学) 著

足立智彦 マツダ(株) 著

沖俊任 福山大准教授 博士(工学) 著

原田真悟 マツダ(株) 著

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発行年月日:2018/06/08 , 判 型: B5,  ページ数:174頁

ISBN:978-4-339-04654-0,  定 価:2,916円 (本体2,700円+税)

近年,自動車業界を中心として製品設計にシミュレーションモデルを積極的に用いるモデルベース開発(MBD)が盛んに行われている。本書は,HILシミュレータなどもWebで提供し初めての人でもMBDを独習できるようにした。

本書で使用するHILSのハードウェア仕様をダウンロードできます。
本書で使用するプログラム例をダウンロードできます。

【目次】

1. モデルベース開発(MBD)
1.1 自動車業界におけるMBD
 1.1.1 高度な開発を支えるMBD
 1.1.2 過去のMBDの総括
 1.1.3 MBDによるあらゆる産業の開発変革への取組み
1. モデルベース開発(MBD)
1.1 自動車業界におけるMBD
 1.1.1 高度な開発を支えるMBD
 1.1.2 過去のMBDの総括
 1.1.3 MBDによるあらゆる産業の開発変革への取組み
 1.1.4 将来のMBD
1.2 大学におけるMBDの教育
 1.2.1 モデルを使ったものづくり
 1.2.2 これからの工学教育

2. MATLAB/Simulinkによるモデル構築
2.1 MATLAB/Simulinkの準備
2.2 まずは動かしてみよう
 2.2.1 フォルダの作成
 2.2.2 Simulinkの起動
 2.2.3 ブロックの配置・結合とシミュレーション
 2.2.4 Scopeブロックの入力数を増やそう
 2.2.5 mファイルと連携しよう
 2.2.6 MATLAB/Simulinkの実行の流れ
2.3 こんなときは?--MATLAB/Simulinkの機能を理解しよう--
 2.3.1 予約語(MATLAB)
 2.3.2 Scope画面のスタイル設定の変更(Simulink)
 2.3.3 Scope画面のコンフィギュレーションプロパティの変更(Simulink)
 2.3.4 可変・固定ステップサイズの選択(Simulink)
2.4 Stateflowの基礎
 2.4.1 Stateflow
 2.4.2 チャートの読み方
 2.4.3 チャートの動作実験
章末問題

3. 物理モデリングと解析の基礎
3.1 モデリングの基礎
 3.1.1 モデルとモデル化誤差
 3.1.2 ホワイトボックスモデリングとブラックボックスモデリング
 3.1.3 動的モデルと静的モデル
3.2 微分方程式と数値積分
 3.2.1 微分と積分
 3.2.2 微分・積分操作の物理的意味
 3.2.3 数値積分と微分方程式
3.3 物理モデリングに挑戦
 3.3.1 液位プロセスモデル(タンクシステム)
 3.3.2 RLC回路モデル(電気システム)
3.4 システムの平衡状態を考慮したモデリング
 3.4.1 マス・バネ・ダンパモデル
 3.4.2 熱収支モデル
3.5 ラプラス変換と伝達関数
 3.5.1 ラプラス変換の定義
 3.5.2 一次遅れ系
 3.5.3 伝達関数とステップ応答の関係
 3.5.4 二次遅れ系
 3.5.5 n次遅れ+微分系
3.6 より高度なモデリングのために
 3.6.1 アナロジーによるシステムの理解
 3.6.2 非線形モデリングと線形化
章末問題

4. MILS
4.1 V字開発プロセス
4.2 DCモータ制御システムを用いたMILSの実習
 4.2.1 DCモータ制御システム
 4.2.2 要件定義
 4.2.3 DCモータ制御システムの機能とブロック線図
 4.2.4 設計の手順
4.3 DCモータ・ディスクモデルの要素設計(プラントモデル)
 4.3.1 DCモータ・ディスクモデル
 4.3.2 センサモデル(タコジェネレータ)
 4.3.3 モータドライバモデルと電流センサ
 4.3.4 プラントモデル結合テスト
4.4 DCモータ・ディスクモデルの要素設計(コントローラモデル)
 4.4.1 A-D変換器
 4.4.2 パルス発生器
 4.4.3 アルゴリズムの設計1
 4.4.4 コントローラモデル結合テスト
 4.4.5 プラントモデルとコントローラモデルの結合テスト
 4.4.6 アルゴリズムの設計2(PID制御)
章末問題

5. HILS
5.1 HILSとHILシミュレータ
 5.1.1 HILSの目的
 5.1.2 HILシミュレータの要件
5.2 簡易HILシミュレータの構築
5.3 コントローラモデルの実装
5.4 HILSによる動作テストと制御実験
 5.4.1 HILSによるECUの動作テスト
 5.4.2 制御システムの製作と実験結果
章末問題

6. MBC
6.1 MBCのプロセス
 6.1.1 領域探索
 6.1.2 実験計画法(DOE)
 6.1.3 データ採取
 6.1.4 モデル化
 6.1.5 最適化
6.2 今後の課題

付録
A.1 RoTHのためのSimulink環境構築
A.2 RoTH機能を用いた動作テスト
A.3 Arduinoを用いたHILS環境構築
 A.3.1 Arduino
 A.3.2 簡易HILシミュレータ用シールド
 A.3.3 インタフェースの仕様決定

引用・参考文献
章末問題解答
索引

☆「発刊によせて」より☆
 世間一般にモデルベース開発というと,制御開発のために使う「制御対象モデル」と「制御モデル」を使った設計検証手法を指すことになっている。しかし筆者らは,3D 形状データを用いたCAE モデルを含め,0 次元や1 次元の制御対象モデルも,制御モデルも· · · これらシミュレーションを用いた机上開発全般をモデルベース開発と呼びたいと,新しいモデルベースの定義を提唱してきた。究極の開発の姿から思い描くと,逆にこれらを区別して話すことは意味がなくなり,連続してつながる一つの技術やプロセスになるはずと考えるからである。本書では,この新しい定義でモデルベース開発という言葉を使っている。すなわち,開発対象のカラクリを数式としてモデル化できるレベルまで解明し,そのモデルを使って最適開発する技術の全般を,「モデルベース開発」と定義している。
 モデルベース開発というと,開発の効率化をイメージされる方々が多い。あるいは,開発の補助的な解析のようなものとイメージされる方々も多い。しかし,本書で伝えたいのは,その意味をはるかに超えて,これなしには開発が成立しない,使いこなせないと産業が衰退する,というくらいに切迫した産業革命の荒波が押し寄せているということである。本書はモデルベースに関わる方々への入門書ではあるが,その目的にとどまらず,ものづくりに携わっている多くの方々にぜひ一読いただき,これからの激動の時代の波を予知し,それに備える一助としていただきたい。
 ここで,本書の1 章において述べているが,開発エピソードの一部から,その予告編としてエッセンスだけを以下に紹介する。
【事例1:世界一の燃焼は,モデルベースを駆使したからこそ実現できた】
 当時,燃焼モデルは使い物にならず,どの企業も参考程度にしか利用していなかったのが実態であるが,資源が少ない会社であるからこそ,ここに真っ向勝負してモデル精度を上げてきた。ついには,モデルによる転写設計までが可能なレベルにまで精度が高まった。このモデルなしには世界一の燃焼は実現できなかった,といわれるほどの成果となった。このエピソードから,世界一の最適設計を世界で最初に成し遂げる価値こそが,モデルベース開発のやるべき役割の究極の姿であると,筆者らは伝えたい。
【事例2:自動車の制御系開発は,すでにモデルベース開発なしに成立しない】
 自動車の制御システムの規模は10 年で10 倍ずつの指数的スピードで増大しており,すでに実機ベース開発で可能な臨界点を超えている。本書の中で取り上げているが,モデルベースなしには3 か月かかる技術開発が1 日で可能な事例などは,その好例であろう。また,図面を出す前の仕様検証は,もはや人間では不可能なレベルの仕様書のページ数(きっと印刷すれば数万ページ)であり,モデルを使っていくらでも机上検証できる環境を備えなければ不可能な時代に突入している。そうやって仕様書の品質を高めたあとも,最終品質を高めるためのさらに膨大なキャリブレ―ション業務や総合車両評価業務が待ち構えており,まさに想像を超えたレベルでの激しい業務があたりまえとなっている。
【事例3:孤立孤高のロータリーエンジンの開発からモデルベース開発は始まった】
 1987 年,もう30 年も前,資源面で余力がなかったロータリーエンジン開発の中でモデルベース開発は始まった。筆者らが知る限り,自動車業界としては世界でも最も早い時期であったと思う。当時,ロータリーの制御は他のエンジンの3 倍のプログラムサイズであり,アルゴリズムは破格の複雑さをもつ規模であった。当時は,言語もツールもプラントモデルもすべて自前開発であった。50 種ほどの関数の組合せだけで,自由にエンジン制御を設計検証開発できる環境を構築した。当時としては高度なアクティブ制御を,開発着手からキャリブレーションの終了まで,半年かかるのがあたりまえのところを,1 週間でやりきったことで関係者を驚かせた。
 以上述べたいずれの事例にも共通点がある。世界中でだれも助けてくれない,普通のやり方では生き残れない,自分たちで革新しなければ滅亡する,という危機感の中からモデルベース開発による革新は生まれてきた。世界中の他の成功事例をひもといても,複雑で高度な開発であればあるほど,モデルベース開発はその威力を発揮してきたといえるであろう。例えば,月面着陸したアポロプロジェクトが有名であるが,文字どおり彼らは,一度も月での実機検証をすることなく,その偉業を達成させたのである。モデルベース開発の発展の歴史は,宇宙航空分野から始まり,自動車分野に広がってきた。そして現在では,さらに多くの工業分野に展開されつつある。いずれも,複雑な開発の解決策として広がってきた。本書は,広島大学の山本透教授に編集者となっていただき,新しい定義でのモデルベース開発の入門書としてまとめたものである。本書が,将来のさらに高度で複雑な開発に挑戦されるであろう方々の一助となればありがたい。

2018年3月
マツダ株式会社
統合制御システム開発本部長
原田靖裕

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