ディジタル回路

電気・電子系 教科書シリーズ 13

ディジタル回路

本書は,ディジタル回路を設計するにあたり必要となる考え方や設計法を解説した教科書である。ディジタル回路について予備知識を持たない学生を対象に,考え方の基になっているブール代数から,その応用までをわかりやすく解説した。

ジャンル
発行年月日
1999/07/02
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-01193-7
ディジタル回路
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定価

3,080(本体2,800円+税)

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本書は,ディジタル回路を設計するにあたり必要となる考え方や設計法を解説した教科書である。ディジタル回路について予備知識を持たない学生を対象に,考え方の基になっているブール代数から,その応用までをわかりやすく解説した。

本書は,ディジタル回路を設計するにあたって必要となる考え方や設計法を解説した教科書である。ディジタル回路について予備知識を持たない学生を対象に,ディジタル回路の考え方の基になっているブール代数から,ディジタル回路の設計法,回路素子,ディジタル回路の応用までをわかりやすく解説した。

ディジタル回路の教科書,参考書はたくさんあるが,本書はディジタル回路を設計するにあたって実際に必要な事項に的を絞った構成とした。また,多くの図を用いて内容をわかりやすくていねいに解説し,コーヒーブレイクを随所に入れるなど,肩の凝らない解説を試みた。

コンピュータが開発されてから約50年を経て,ディジタル回路素子も真空管から,トランジスタ,IC,LSIへと大きく変わってきた。しかし,ディジタル回路の基本的な設計方法を身に付けておけば,どのようにディジタル回路素子が変わっても,それに対応することができる。

一般に組合せ回路や順序回路などのディジタル基本回路を設計する場合,MIL論理記号が用いられる。これは,MIL論理記号を用いた回路図が回路そのものを示していると同時に,論理を明確に示した論理図として用いることができるからである。本書ではこれを,MIL記法による設計法として詳細に説明した。これはディジタル回路の実際的な設計法であるから,ぜひマスターすることをおすすめする。

現在,ディジタル回路を実際に構成するにあたっては,標準ロジックICやPLDが用いられる。これらディジタルICを有効に利用するには,内部回路構成とその特性を知っておくことが重要である。本書では,ICの回路構成についても解説し,ディジタルICどうしのインタフェース方法や考え方も示した。

ディジタル回路は実際的には,マイクロコンピュータやアナログ回路と接続され,応用システムとして構成されることが多い。本書では,マイクロコンピュータを構成するマイクロプロセッサについてもその基本を示した。また計測,制御回路などの応用システムの設計に必要となる,アナログ回路を含んだD-A,A-D変換回路などについても解説した。これら回路の知識があれば,容易に応用システムを構成できるようになるからである。

以上のように,ディジタル回路設計にあたって必要な事項と,応用システムを構成するのに必要な基本事項を,わかりやすく解説したつもりである。浅学の身でありながら本書を執筆したのは,わかりやすく論理的に明確なディジタル回路の設計法を示したかったからである。

本書に用いた技術用語は,文部省学術用語集(電気工学編)とJIS用語集に準拠した。本書の執筆にあたっては,参考文献として巻末に掲げた多くの著書,文献を参照した。また,10章において,日本テキサス・インスツルメンツ株式会社の許可を得てデータシートを引用させていただいた。これらの方々に感謝するとともに,執筆の機会を与えられた編集委員の方々,お世話になったコロナ社の方々に感謝する次第である。

1999年5月
著者

1.ディジタル情報系と回路
1.1 ディジタルとアナログ
1.2 記数法
1.3 符号系
1.4 ディジタル回路の基礎
演習問題

2.ブール代数とディジタル回路
2.1 ブール代数と論理式
2.2 基本法則とド・モルガンの定理
2.3 真理値表から論理式へ
2.4 論理式の簡単化
2.5 組合せ禁止
2.6 基本論理素子
2.7 論理式から論理回路へ
演習問題

3.ディジタル回路の設計法
3.1 MIL記法
3.2 論理の一致
3.3 ANDとORの相互変換
演習問題

4.ディジタル回路の実現素子
4.1 基本素子
 4.1.1 ダイオード
 4.1.2 接合トランジスタ
 4.1.3 電界効果トランジスタ
4.2 TTL IC
 4.2.1 標準TTL
 4.2.2 入出力特性
 4.2.3 雑音余裕度
 4.2.4 ファイン・ファンアウト
4.3 CMOS IC
 4.3.1 入出力特性
 4.3.2 雑音余裕度
 4.3.3 ファンアウト
4.4 ディジタル回路のインターフェース
 4.4.1 TTL出力にCMOSを接続
 4.4.2 CMOS出力にTTLを接続
演習問題

5.組合せ回路
5.1 エンコーダとデコーダ
 5.1.1 10進-2進エンコーダ
 5.1.2 2進-10進デコーダ
 5.1.3 7セグメントデコーダ
5.2 データセレクタ
 5.2.1 4入力マルチプレクサ
 5.2.2 4出力マルチプレクサ 
5.3 比較回路
5.4 パリティ回路
演習問題

6.2進演算回路
6.1 2進加算
6.2 2進減算
6.3 半加算器
6.4 全加算器
6.5 半減算器
6.6 全減算器
6.7 多ビット加算器への拡張
6.8 並列加算器、並列減算器
演習問題

7.フリップフロップ
7.1 フリップフロップとラッチ
7.2 フリップフロップの原理
7.3 RSフリップフロップ
 7.3.1 RSフリップフロップの基本回路
 7.3.2 チャタリング防止回路への応用
 7.3.3 使用上の注意パワーオンリセット回路
 7.3.4 同期形RSフリップフロップ
 7.3.5 セット優先形、リセット優先形RSフリップフロップ
7.4 JKフリップフロップ
 7.4.1 JKフリップフロップの基本回路
 7.4.2 レーシングや発振による誤動作
 7.4.3 入力の読込みと出力の状態変化のタイミング
7.5 DフリップフロップとDラッチ
7.6 Tフリップフロップ
演習問題

8.カウンタとレジスタ
8.1 カウンタ
 8.1.1 非同期式カウンタ
 8.1.2 同期式カウンタ
8.2 シフトレジスタ
8.3 ジョンソンカウンタ
8.4 リングカウンタ
8.5 カウンタの設計方法
8.6 同期式2n進カウンタの設計
8.7 入力条件によるカウンタの設計
8.8 特性方程式によるカウンタの設計
演習問題

9.メモリ・ASICとマイクロプロセッサ
9.1 メモリ
 9.1.1 ROM
 9.1.2 RAM
9.2 PLA
 9.2.1 バイポーラ形PLA
 9.2.2 データの書込み
 9.2.3 MOS形PLA
9.3 ASIC
9.4 マイクロプロセッサと周辺回路
演習問題

10.ディジタルIC
10.1 ディジタルICの種類
10.2 おもな標準ロジックIC
 10.2.1 ゲート
 10.2.2 エンコーダ/データセレクタ
 10.2.3 デコーダ/デマルチプレクサ
 10.2.4 フリップフロップ/ラッチ
 10.2.5 カウンタ
 10.2.6 演算回路
演習問題

11.ディジタル回路の応用
11.1 ディジタルーアナログ変換
 11.1.1 サンプリング定理
 11.1.2 量子化
11.2 演算増幅器
 11.2.1 反転増幅器
 11.2.2 非反転増幅器
 11.2.3 電圧ホロワ
 11.2.4 ローパスファルタ
11.3 サンプルホールド回路
11.4 D-A変換器
 11.4.1 重みつき電流形
 11.4.2 R-2Rラダー形
11.5 A-D変換器
 11.5.1 二重積分形
 11.5.2 逐次比較形
 11.5.3 並列比較形
演習問題

引用・参考文献
演習問題解答
索引

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