アルゴリズム研究室
1.4_演習問題_2 解答

CIE XYZ表色系のxy色度図にはNTSC、sRGBなどで使用される三原色(赤、緑、青)を3つの頂点とする三角形がある。この三角形の内側は、正の数を係数とする加法混色で生成できる色である。表現できないのは、この三角形の外側にある色である。外側の色は、@青と緑の中間色、A鮮やかな緑、青の右下の暗い紫、?赤の右下の深紅などであるが、これらに特別の区別された色名は塗料や絵具の色名で表示されている場合がある。また、CIE図の(X,Y)値を計測する分光測色計で計測し、三角形の外側にあるかどうかを調べることができる。@青と緑の中間色として、珊瑚礁のエメラルドグリーン、?の深紅として、ワインレッド、自動車の塗装色などがある。

解説:  コンピュータやテレビジョンで表示できる色は、この三角形の内側の色に限定される。外側は、現実世界には存在し、人間の目で見える色であるが、コンピューターでも、Web上でも表示することができない。下図でも三角形の内側に色見本を表示したが、外側は表示していない。外側に色をつけたCIE色度図は印刷した紙などでのみ意味があり、Web上にあるものは正しいものではない。  この三角形の外側に拡張したシステムがナチュラルビジョンプロジェクトで開発され、ビデオカメラやディスプレイも発売された。RGB3色に発光体をを追加し、6色で表示する装置なども開発されている。また、金属の光沢感や宝石なども一般ディスプレィ上では表現が難しいものになっている。
参考文献:
財団法人 日本色彩研究所 監修 「色名小事典」日本色研事業株式会社1981
ナチュラルビジョンプロジェクト
   http://www.isl.titech.ac.jp/~guchi/NV/NV-Intro.html
高精細分光画像撮影技術
   http://www.ntt.co.jp/journal/1009/files/jn201009010.pdf