パワーエレクトロニクス学入門 - 基礎から実用例まで -

パワーエレクトロニクス学入門 - 基礎から実用例まで -

  • 河村 篤男 横浜国大名誉教授・横浜国大寄付講座教授 工博 編著
  • 横山 智紀 東京電機大教授 博士(工学)
  • 船渡 寛人 宇都宮大教授 博士(工学)
  • 星 伸一 東京理科大教授 博士(工学)
  • 吉野 輝雄 東芝三菱電機産業システム(株) 博士(工学)

本書は初学者に基礎をわかりやすく説明することを念頭に電力増幅の考え方から始まり,直流・直流変換,インバータ,整流器の順でまとめた。また,実用例の紹介として,実際のパワーエレクトロニクス技術や応用技術についても記した。

ジャンル
発行年月日
2009/02/27
判型
A5
ページ数
240ページ
ISBN
978-4-339-00803-6
パワーエレクトロニクス学入門 - 基礎から実用例まで -
在庫あり

定価

3,300(本体3,000円+税)

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本書は初学者に基礎をわかりやすく説明することを念頭に電力増幅の考え方から始まり,直流・直流変換,インバータ,整流器の順でまとめた。また,実用例の紹介として,実際のパワーエレクトロニクス技術や応用技術についても記した。

1. パワーエレクトロニクスの役割と基礎知識【河村】
1.1 パワーエレクトロニクスの役割
 1.1.1 インバータ電車,ハイブリッド車,インバータ照明
 1.1.2 電力変換の四つの形
 1.1.3 パワーエレクトロニクスの効果
 1.1.4 パワーエレクトロニクスの要素分野
1.2 応用分野(動くもの,動かないもの)
1.3 基礎知識
 1.3.1 平均値と実効値
 1.3.2 電力
 1.3.3 三相交流,線間電圧,相電圧
 1.3.4 フーリエ級数と歪率
 1.3.5 力率
章末問題

2. 電力増幅と電力変換【船渡】
2.1 電力増幅と電力変換の相違点と共通点
2.2 可変抵抗を用いた電力変換の原理とその効率
2.3 スイッチを用いた電力変換の原理とその効率
 2.3.1 理想スイッチによる電力の変換
 2.3.2 実際のスイッチの動作と損失
 2.3.3 スイッチを用いた電力変換回路の効率
2.4 スイッチとして用いる半導体デバイス
 2.4.1 スイッチの機能と分類
 2.4.2 スイッチの移行条件と維持条件
 2.4.3 ダイオード
 2.4.4 トランジスタ,MOSFET,IGBT
 2.4.5 組み合わせて逆電圧に対応したスイッチ
 2.4.6 サイリスタ,GTO
 2.4.7 スイッチのオンオフ判定
章末問題

3. 直流-直流変換【船渡】
3.1 LCの働き
 3.1.1 LCの定常状態におけるふるまい
 3.1.2 平滑作用
 3.1.3 フィルタ作用
3.2 チョッパ回路
 3.2.1 降圧チョッパ
 3.2.2 昇圧チョッパ
 3.2.3 昇降圧チョッパ
 3.2.4 各種チョッパの比較
 3.2.5 実際のチョッパにおける注意点
 3.2.6 双方向チョッパ
3.3 DC-DCコンバータ
 3.3.1 フォワードコンバータ
 3.3.2 フライバックコンバータ
 3.3.3 他の絶縁型コンバータ
章末問題

4. 直流-交流変換回路(インバータ)【星】
4.1 インバータの種類
4.2 電圧形インバータの基本回路と基本動作
4.3 単相電圧形インバータ
 4.3.1 ハーフブリッジインバータ
 4.3.2 フルブリッジインバータ
4.4 三相電圧形インバータ
4.5 その他のインバータ回路
 4.5.1 V結線インバータ
 4.5.2 マルチレベルインバータ
 4.5.3 階調制御方式
4.6 出力電圧の振幅制御方法
 4.6.1 低次高調波消去方式PWM制御
 4.6.2 正弦波PWM制御
 4.6.3 ヒステリシス制御
4.7 インバータの応用
 4.7.1 CVCF
 4.7.2 VVVF
4.8 モータドライブ
 4.8.1 誘導電動機の制御
 4.8.2 永久磁石同期電動機の制御
章末問題

5. 交流-直流変換回路(整流回路)【星】
5.1 整流回路の分類
5.2 他励式整流回路
 5.2.1 単相ダイオードブリッジ整流回路
 5.2.2 三相ダイオードブリッジ整流回路
 5.2.3 単相サイリスタブリッジ整流回路
 5.2.4 混合ブリッジ整流回路
5.3 PWM整流回路
5.4 複合整流回路
章末問題

6. 交流-交流直接変換回路【吉野,河村】
6.1 サイクロコンバータ
 6.1.1 目的・手段・用途
 6.1.2 実現方法
6.2 交流位相調整回路
 6.2.1 目的・手段・用途
 6.2.2 実現方法
章末問題

7. システムとしてのパワーエレクトロニクス【吉野,横山,河村】
7.1 組み合わせた変換回路
 7.1.1 間接交流-交流変換
 7.1.2 チョッパとインバータの組合せ
 7.1.3 多重化変換器
7.2 IGBT回路設計
 7.2.1 IGBTの選定
 7.2.2 IGBTの電圧・電流ストレス
 7.2.3 IGBT回路設計概要
7.3 ゲート駆動回路
 7.3.1 ゲート電圧・電流
 7.3.2 ゲート回路の要素
 7.3.3 ゲート回路によるオンオフ動作制御
7.4 熱設計
 7.4.1 IGBT装置の発熱要素
 7.4.2 IGBTモジュールの損失
 7.4.3 冷却方式
 7.4.4 温度上昇計算
7.5 保護回路
 7.5.1 故障検出と除去
 7.5.2 過大ストレスの抑制
7.6 センサ
 7.6.1 電流センサ
 7.6.2 電圧センサ
 7.6.3 温度センサ
7.7 制御回路(コントローラ)と開発環境
 7.7.1 パワーエレクトロニクス用コントローラ
 7.7.2 コントローラの構成
 7.7.3 ソフトウェア開発環境
7.8 制御理論および制御アルゴリズム(制御手法)・205
 7.8.1 制御の区分
 7.8.2 制御理論と制御手法
 7.8.3 制御ループの多重性
7.9 応用例
 7.9.1 UPS
 7.9.2 系統連系インバータ
 7.9.3 周波数変換
 7.9.4 プリウスに見るパワーエレクトロニクスの応用例

付録
引用・参考文献
章末問題の略解
索引

黒マント 様

職場でインバータの動作原理について話題になり、なんとなくは知っていたがちゃんと知りたくなったので購入した。教科書によくありがちな原理や数式などの羅列だけでなく、実用例を交えて説明しているところが素晴らしい。
私はインバータの動作原理が知りたくて買ったのだが、直流昇圧回路(例えば乾電池2本の3Vから携帯を充電するための5Vを作り出す回路)の原理などにも触れており、興味深かった。
電気工学を学ぶ人、電気系の仕事をしている人にはもちろん、電気の基礎的知識がある鉄道ファンの人にもおすすめできる。GTOサイリスタやVVVFインバータからなぜあのような音がするかも分かるので非常に面白い。

河村 篤男

河村 篤男(カワムラ アツオ)

私の専門は、一言でいえば、パワーエレクトロニクスをベースにしたモーション電子制御です。一般的には、"Mechatronics(メカトロニクス)"と呼ばれますが、 新しく"Motionelectronics"というコンセプトを提案して教育と研究を続けています。2足歩行ロボットや電気自動車などのいろいろなハードを学生さんと一緒に製作してきました。2019年3月に横浜国立大学を定年退官し、現在は、同大で寄附講座の教授を務めています。この本は、研究室の博士課程の修了生が中心となってまとめていますので、なにかしらの共通のコンセプトによって筋が通っているのではないかと感じています。

横山 智紀

横山 智紀(ヨコヤマ トモキ)

東芝で燃料電池用インバータの開発などを経験した後、大学でパワーエレクトロニクス、ディジタル制御などの研究をしています。

「パワーエレクトロニクス学入門 (改訂版) - 基礎から実用例まで -」は、パワーエレクトロニクスの基礎から応用まで、幅広く学べる構成となっています。応用部分に関しては、企業における製品開発の知見も含めて、くわしく述べられているので、読み物としても楽しくご覧いただけるものとなっていると思います

船渡 寛人

船渡 寛人(フナト ヒロヒト)

私の専門はパワーエレクトロニクスの中心である電力変換回路です。電気自動車,太陽光発電やエアコンなど,現代における電気エネルギーの多様な活用を支えている縁の下の力持ちです。

「パワーエレクトロニクス学入門 (改訂版) - 基礎から実用例まで -」では,第2章と第3章を担当しました。スイッチングに起因して回路の構造が変化してしまうのが電力変換回路の特徴です。電力変換回路の原理を学ぶのに,難しい数式はあまり出てきませんが,電流の流れ方,各部の電圧を複眼的に捉える力が必要です。簡単な変化でも初学者には理解が難しいものです。本書では,スイッチングによる回路の変化をできる限り省略せずに説明しております。学部学生のみならず,パワーエレクトロニクス技術の習得にチャレンジする方にもお勧めします。

星 伸一

星 伸一(ホシ ノブカズ)

私は,無機水素化物の加水分解による水素生成から電気エネルギーとしての利用までエネルギー変換の研究を幅広く行っています。その中心的な役割を果たしているのがパワーエレクトロニクス回路になります。例えば,水素を燃料として,エンジン発電機や燃料電池により発電することができますが,そこで得られた電力を家電製品に供給したり,モータを駆動したりするためにパワーエレクトロニクス回路が用いられています。今日では,パワーエレクトロニクス回路は至る所で使われており,今後も応用範囲は拡大していくものと考えています。本書がパワーエレクトロニクスを学ばれる方の一助になると嬉しく思います。

吉野 輝雄

吉野 輝雄(ヨシノ テルオ)

学生時代にオイルショックというエネルギー不足問題を経験し、エネルギー関連に貢献できる就職先を選択、以来、直流送電用変換装置など大きなものでは数百MWクラスの装置を開発設計しています。今も温暖化などエネルギー問題があり、対策としてカーボンニュートラルが提唱されています。将来、エネルギーの主役は化石燃料から再生可能エネルギーなどによる電力に移行するとされ、パワーエレクトロニクスは電力を扱うキー技術と期待されています。業務経験にもとづき実践的な設計技術や大容量変換装置の事例を紹介しましたが、2050年カーボンニュートラル実現を担う世代の勉学のお役に立ち、間接的にでも実現に貢献できればと考えています。